雲南通信舎

雲南通信舎さんのホットな雲南情報。
2007年1月30日、第103報!!

第103報(2007年1月30日)

(511)<雲南省エイズ防止治療条例>が12月1日より施行

12月1日の雲南日報、彩龍中国ネットによると、第19回目の世界エイズデイとなる12月1日を前に、11月30日、<雲南省エイズ防止治療条例>が雲南省第10期人民代表大会常務委員会第20回会議において表決され承認された。当条例は2007年1月1日より施行される。この新しい条例では、医療機関がエイズ(HIV)感染者やエイズ発症患者の診療を拒絶すると最高で罰金1万元を課せられる事になった他、エイズに感染した患者の親族・配偶者に対する通告制度、結婚前に行う健康検査(義務化されており、この診断書を提出しないと結婚許可証が発行されない)の中でエイズ検査を無料で行う事、教育行政部門はエイズ患者の遺児に対して<無料就学証>を発行させる事等が盛り込まれているそうです。
<雲南省エイズ防止治療条例>は、全国の各省市自治区の中において、率先してエイズ防止治療の為に作られた地方条例となる。その為、省衛生庁の陳覚民庁長が記者会見で語ったところによると、「この条例の制定は非常に重要な出来事で、これからの雲南省のエイズ対策において、重大で有益な影響を与える事になる」のだそうです。
この<条例>によると、エイズ流行地区では婚前検査の中でのエイズ検査は無料とするとされている。これは徳宏タイ族ジンポー族自治州・臨滄市・紅河ハ二族イ族自治州・思茅市等のエイズ感染が重度に深刻な州市と、中程度にエイズ感染が流行している州市の中で、感染が重度に深刻な12の県区に対して適用される。同時に<条例>では、エイズ患者の告知にも新たな規定が盛り込まれ、エイズ感染者は必ず自らの検査結果を家族に通知しなければならない。それには配偶者及び性的伴侶も含まれる。これは家族や性的伴侶への感染を防ぐ為で、感染者当人が告知出来なければ、衛生部門が告知する。もしも告知せずにエイズを他者に感染させると、必ず法に基いて処罰を受ける事になる。
以前、ホテルや遊興施設でコンドームを必ず求めやすい場所に設置しておくとか、地域で麻薬中毒患者にメサドンを与えて治療したり、清潔な注射器を配布したりする事に、異論や論争が多かったが、これらの行為は諸外国でのエイズ防止に大きく効果があった経験に基いて行っていたのであり、中国での実践でもこれが有効である事は証明されており、<条例>でも明確にこのような予防措置を取る事を規定している。この事からも、各部門・各機構は異論や論争を止め、これらの措置を確実に実行する事が望まれる。
それから、医務人員や警察部門の中でエイズ感染の危険にさらされる者は、その職務や危険度によって、明確に規定された危険手当を受け取る事が出来る。この手当ては各地域・職種によって標準が違う事となるが、省外では一日に40元から7,80元となっており、各地の経済状況を考慮しながら標準を決定していく。
各種の学校はエイズの予防知識を必ず健康教育課程の中に組み込み、エイズ予防意識の能力を高める。そして行政部門は責任を持ってエイズ患者の遺児に対して<無料就学証>を発行し、義務教育での諸費用を無料とし、就学前教育(幼稚園・保育園)や高校での教育費の減額を支援する。また、その待遇を受ける経緯は必ず秘密とする。
治療に関しては、条件に適合している(このような曖昧な規定がミソで一部の患者のみと言う事)エイズ感染者や発症患者は、無料でエイズ抗体検査や薬物治療を受ける事が出来、徐々に治療の費用が減免されていくことになる(?)。そして、この<条例>の執行職務に携わる人員が、エイズ患者の個人情報を漏らした場合は、主管部門によって行政処分され、それが重大な結果を招いた者は、法によって刑事責任を追及される。また、HIV感染者やエイズ発症患者が故意にエイズを他者に感染させた場合、法に基いて刑事責任が追及され、併せて民事賠償の責任も負うことになるそうです。

(512)西双版納空港の利用者が150万人を突破

12月13日の雲南日報・春城晩報によると、12月12日、西双版納タイ族自治州景洪市にある西双版納空港の利用客数が延べ150万人を突破する事となり、中国東方航空雲南公司は空港内で祝賀式典を行い、150万人目と150万1人目となった二人の乗客に往復航空券が贈呈されたそうです。
12日の午後2時40分、北京から来た観光客の黄さんと四川楽山から来た劉氏が西双版納から昆明に向かおうとチェックインした際、幸運にも西双版納空港の150万人目と150万1人目の乗客となった。空港で開かれていた祝賀式典の重要なイベントとして、この二人に対して花束が贈られ、「幸運な乗客」と書かれた襷を掛けられて、西双版納から昆明までの往復航空券の贈呈式が行われた。
西双版納空港は1990年4月に開港して以来、次々と新しい路線が増加し、現在は22もの国内外の路線が開通している。また、13の国内の航空会社と、三つの国際線航空会社がこの空港に乗り入れている。
開港したその年は2万人程度の利用客だったが、この16年間に合計はその75倍となり、このたび延べ150万人を超える事となった。昨年の全国空港ランキングによると、西双版納空港の総合ランキングは第37位で、国内で最も賑わっている支線空港(省都ではない地方空港)となる。そして、雲南省では三番目の黒字経営となる空港となったという。西双版納空港は規模としては中規模だが、国際的に著名な熱帯雨林と花壇を持つ空港であり、タイ族の民族情緒が溢れる特徴のある空港でもある。空港によると、2015年度には空港の利用客は伸べ340万人を突破し、航空機の発着数は30197回となる予定だそうです。

雲南で最も劇的に変化した場所を挙げろと言われれば、西双版納がその一つに選ばれるのは間違いないでしょう。空港が出来る以前は、昆明からバスで二泊三日、強行軍のバスでも一泊二日もかかりました。それもほとんどがボロバスでした。思茅まで飛行機で行って後はバスで景洪までという方法も有りましたが、当時の庶民が飛行機を利用するなんてとても敷居が高くて、単位(所属する組織・会社)の申請書が無いとチケットが買えず、外国人か軍人・幹部の出張位しか乗客はいませんでした。当時の西双版納の観光客は、バスをチャーターしてやってくる会議出張(中国では公費出張会議は慰安旅行を兼ねている為、観光地で開かれる事が多い)の幹部達以外はほとんどが外国人観光客で、中国人個人観光客はほんの僅かでした。だいたい入場料を取るような観光施設はほとんど無く、熱帯植物園くらいのもので(熱帯植物園ももともとは観光施設ではなかった)、外国人観光客にとっては近辺の村めぐりや寺めぐりと、少数民族の集まるマーケットが観光の目玉でした。それだけでも楽しめる素晴らしい亜熱帯の風景と濃厚な民族情緒がこの地には有りました。旅人に親切で人懐っこいタイ族の人達と接していると、中国に居る事を忘れてしまいそうになります。そんな、旅人にとっては楽園のような所でしたが、確かに交通は不便で人々は貧しい生活を送っていました。空港が出来、高速道路が開通し、大観光地となって、村の若い衆も仕事にありつける様になり、その事自体はみんなが望んだ事であり、否定すべき事ではないと思います。しかし、この劇的な変化は西双版納がいわゆる観光地化によって起きたものではなく、漢族の観光客によって引き起こされた、西双版納を漢族(広義の中国人)が楽しめる為のテーマパークに変えてしまった事が私には残念でなりません。この自然と民家・お寺や民族情緒だけでも一級の観光資源なのに、それを保存・維持する事には力を入れず、むしろ破壊して作り物であるテーマパーク化に邁進する姿は、どうも中華思想の威力を誇示されているようで、中華文化圏以外の外国人旅行者としては、あまり愉快な光景ではありません。

(513)2007年度の雲南のインフラ建設計画
    (*はつちへんに貝、#は左が孟で右が力)

12月29日の生活新報によると、28日に開催された雲南全省発展と改革工作会議で、省党委員会常務委員・常務副省長の羅正富氏が2007年度の建設計画の一部を発表したそうです。
この計画目標によると、着工を目指すのは鉄道の大理−瑞麗線、蒙自−河口線(現在有る昆河線は狭軌鉄道)、麗江−香格里拉線、広通−大理第二線、昆明南環状線となる。そして、最も重点を置くのは昆明新空港、騰衝駝蜂空港の建設であり、大理・芒市・昆明巫家*空港の拡張工事となり、瀾滄江−メコン川五級航道一期工程建設工事、瀾滄江関累港埠頭二期工事の着工、景洪港#罕港区多目的埠頭建設、金沙江水富港の拡張工事、右江−珠江水運航道富寧港一期工程、大理港拡張工事等も進められる。
また、羅正富氏は「2007年度には百社の企業で組織された雲南省政府経済貿易文化代表団を東南アジアと南アジア各国に派遣し、多角的な双方の合作・協力体制を構築し、確立させる。同時に、周辺国の留学生を積極的に招請し、その数を拡大して行き、雲南省が周辺国家に設立された孔子学院(中国政府の宣伝機関的な学校)や中国語学院を上手に管理して行く」のだそうです。
その他、社会事業の面では2007年度には21万人分の雇用を創出し、昆明地区の一部の大学移転作業が進んだので、移転先での正式な学生募集が始まる。省に3億元の新予算が付き、129の県・市・区の全てに新型の農村医療組合を構築する。さらに、省博物館亜広マスコミセンター等の大型文化施設建設も計画されているようです。
                                                          

(514)紅河州に二本の公路が開通

12月30日の雲南電視ネットによると、12月28日、紅河ハニ族イ族自治州において紅河大道と弥濾二級公路(弥勒−濾西)の二本の公路が完成し、全面開通したそうです。
総工費10億元を投じて建設された紅河大道は、西の起点の個旧市鶏街鎮から、東の蒙自県新安所鎮までの30キロで、道幅は60メートル、片道四車線の道路で、雲南南部地区では最も道幅の広い幹線道路となる。この道路の完成により、個旧市、開遠市、蒙自県城の三都市が30分以内という短時間で結ばれるようになるそうです(個旧−鶏街−開遠間は高速道路が開通済み)。
総工費38億元を投じて建設された弥勒−濾西二級公路は、省道203号線の一部分であり、これは紅河州と曲靖市を結ぶ重要な経済道路ともなる。また、この公路は時速60キロで走行できるよう設計されているそうです。

紅河州は州都が個旧市から蒙自県城に移転をし、近接する個旧市、開遠市、蒙自県城の三都市を一体化して雲南南部の中心都市、百万都市へと開発が進んでいます。19世紀末、蒙自県城は税関が置かれ、個旧の錫の輸出とかつてのフランス領インドシナ(現ベトナム)との交易の街として栄えた所です。街にはフランス租界があり、フランス・日本・ドイツ・イタリア・アメリカの五カ国の領事館も有ったほどの街で、外国の商社や銀行が軒を並べ、日本から来た「からゆきさん」がいる日本人経営の娼館までもが有ったそうです。1910年にフランスが建設したハノイ−昆明間を結ぶ*越鉄道が開通し、税関が昆明に移された為、街は次第に廃れて行った。共産党政府が政権を取ってからは、ベトナム情勢の混迷とも相俟って、対外貿易の街としての役割を完全に失い、寂れた普通の田舎街になってしまいました。このように蒙自は、近隣の中国有数の錫産地として栄えている個旧市や、工業・軍事都市として発展した開遠市と比べて、かなり見劣りする田舎街でしたが、州都移転で街の容貌が一新するほどの大開発が行われており、近代的な都市へと変貌しつつあるようです。

(515)昆明の都市競争力は全国24位
    (*はつちへんに川)

12月30日の新昆明ネットによると、28日、中国都市競争力研究会は香港において、第五回(2006年)中国総合都市競争力ランキングを発表した。昆明の都市競争力ランキングは前年より6位も上がって24位となり、2006年中国十大ブランド都市にも選ばれたそうです。
中国総合都市競争力ランキングは、中国都市競争力研究会が一年に一度、研究成果として発表するもので、多くの基礎資料と調査研究を基にして、全国の代表的な289の都市の中から選出したものだという。2006年のランキングの上位五つの都市は、香港、上海、北京、深*と台北(?)だった。昆明は前年度の30位から6位上がって24位となり、西部諸都市の中では成都の20位、重慶の23位に次ぐものとなった。しかしながら、2006年中国都市成長競争力ランキングでは30位以内に昆明の名は無く、重慶が14位、成都は18位だった。国際影響力のある都市では、香港・上海・北京がトップ3を占めた。そして、2006年中国国際都市ランキングでは昆明は8位にランキングされ、西部地区の都市の中では西安の次に入ったが、このランキングには成都も重慶も入っていなかった。昆明と同じようにアセアンとの繋がりが深くなっている南寧が、昆明に次ぐ9位に選ばれていた。10位は世界の製造工場と呼ばれる広東省の東莞市が選ばれた。
2006年中国十大ブランド都市ランキングの中では、昆明は8位に選出され、「国際ロマン春城都市」と名付けられた。このランキングの一位に選ばれた香港は「世界活力の都」、新野上海は「国際本部の都(?)」、3位の北京は「世界文化博覧の都」、4位のマカオは「世界娯楽の都」、5位の深*は「中国創造刷新の都」、6位の広州は「国際コンベンションセンターの都」、7位の杭州は「国際リゾート都市」、9位の貴陽は「中国避暑の都」、10位の紹興は「中国著名人の都」と名付けられた。
昆明はその他に、中国十大観光都市ランキングの中で4位に選ばれ、雲南の曲靖市は中国十大住みやすい都市ランキングの10位に選ばれた。 中国内地(香港・マカオ・台湾を除く中国本土のこと)都市投資環境ランキングでは、昆明は成都、重慶、西安よりも下で、26位だった。また、中国信頼の出来る都市政府ランキングでは、30位以内に昆明は無く、成都が12位、南寧が25位だったそうです。


(506)誤字や異体字・繁体字には罰金!

11月6日の彩龍中国(昆明日報・都市時報を発行する昆明日報社のサイト)によると、街に氾濫する誤字や異体字・繁体字を一掃する為、玉渓市において<玉渓市社会用字管理暫定執行方法>が10月1日に施行されてから、すでに一ヶ月が経過したが、運用面で様々な問題が噴出しているようです。
関係部門から訂正の通告を受けた企業や商店が、誤字や異体字・繁体字を訂正するのに、その一字の為に千元から一万元以上もの出費を強いられる事になると、当局に善処してくれと訴え出ているそうです。その為、多くの通告を受けた企業・商店が字の訂正を行わず、執行権のない教育局の「法の執行」は困難に陥っている。
玉渓市紅塔区語言委員会の係官によると、「条例施行の前の9月に玉渓市が規範外の用字についての調査をした。この調査はある種特別な調査で、市内の五つの小学校の生徒によって行われ、『キツツキ行動』と名付けられた。生徒達は手分けして市内の主な通りの看板や表示・広告に、誤字や異体字・繁体字等がないかを調査した。この『キツツキ行動』で、市内の十数本の大通りの数万にも上る看板や表示・広告等を調べたところ、数多くの規範外の字が発見された。その中では、店の看板に使用している字が繁体字となっているケースが最も多かった。その他にも、誤字やすでに使用されなくなった異体字、そしてピン音や英文の間違いもあった。10月になって、関係部門は連合して、9月の調査で問題となった140余りの商店・企業に対して、正式な検査を行い、770通余りの期限付き訂正命令を通告した」のだそうです。
この通告を受けた三郷ホテルの職員は、「我々は政府のこの行動を必ず支持しなければならない。関係部門が我々に罰金を課す以前に、自主的に字を直します」と語ったが、通告を受けたのは三郷ホテルの郷の字が繁体字だった事で、この一字の為にネオンまで直さねばならず、この字を全て直すのに4千元もの出費が必要となったという。
また、広告看板制作会社にとってはもっと深刻で、深紅100広告公司という市内の広告看板の60%以上を取り扱う会社では、9月25日以前に誤字・異体字等を訂正した広告看板は73枚、損出は一万元以上にも上った。だが、今回の「キツツキ行動」で多くの繁体字の看板が指摘を受け、また多くの看板を訂正しなければならなくなった。
そして、行政権限の問題も各関係部門の足並みが乱れる原因となっている。玉渓市工商局の職員によると、「我々に管理権限が有るのは、公共の場所にある商店だけで、その他の病院等には権限が及ばず管理が出来ない」という。
この<玉渓市社会用字管理暫定執行方法>の一部の条項は、運用が難しいものがあり、主要執行機関である教育局にとって頭の痛い問題となっている。この<方法>に規定されているのは、この条例に違反した者に、期限付きの改正命令が通告され、期限が過ぎても訂正がなされない場合は、教育行政部門により一字につき一日100元の罰金が課せられる。罰金の最高額は3千元を超えない事となっている。もし、期限までに罰金が支払われなければ、1日につき3%の追徴金が課せられる。しかし、教育局には執行権限がなく、通告のみしかできないので、足元を見られて誰も罰金を支払わないのだという。教育局の職員によると、「我々には執行権がないので、この罰金の規定は絵に書いた餅でしかない。この問題の処理には我々は非常に困っている。唯一の実効性の有る方法は執行権・捜査権の有る工商部門等との統一行動を取る事」しかないらしい。
実は、もともとこの<方法>は、省語言委員会が定める「二類城市語言文字工作指標」に今年の末までに達する事を目的として制定されたらしく、役人のノルマの為に急造し、実効性を考慮して作られた物ではないので、このような混乱を招いているのだと言われているそうです。

(507)犬害横行、犬の管理はどうする?

11月15日の新華社ネット雲南版より。
都市の「犬害」は多くの都市住民と行政関係者にとって頭の痛い問題だ。狂犬病が流行し、死者の数も日増しに増加している。だが、登録されていない犬の数は減らず、それらは狂犬病の予防注射を受けていない。また、人が飼い犬に咬まれる事件が後を絶たず、犬に纏わる民事事件も多発している。この「犬害」が横行している背後には、都市において<飼い犬管理制限管理規定>という条例の執行が厳格でなく、法が有っても執行されていないという現実が有る。これが現在の「犬害」の横行を助長しているようだ。このような「制限型」の管理が効果を上げられないのなら、都市の飼い犬はどのように管理をしたら、「犬害」を防ぐ事が出来るのであろうか?
目下のところ、各都市の飼い犬管理は、ほとんどが90年代中期に制定された<飼い犬管理制限規定>に準拠した条例によって行われている。市民は犬を飼う際、6千元から1万元の登記料を支払い、飼い犬証を受領する。その他にも、毎年500元以上の検査費を支払うといったものだ。
飼い犬の管理部門はこのように「制限型」の管理で以って、市民の「ペット熱」を冷まし、飼い犬の数を制限しようとした。しかし、情況はそのようには進まず、高額の登記料を前にして、飼い主達は「未登記」の道を選んだ。昆明市でも1996年に、この<飼い主管理制限規定>が施行されたが、執行情況ははかばかしくなく、飼い犬登記をするのはごく一部の人のみで、公安部門の飼い犬登記登録作業は、ほとんど機能していない状態だという。この条例が執行難に陥っていると同時に、都市の「犬害」の問題が益々突出して来た。最も大きな脅威は狂犬病で、報道によると重慶市では今年に入って発覚した狂犬病患者は13例にも上り、これは過去5年間の総数と同じ数字だった。そして、今年の1月〜9月までに北京市のペットに咬まれたり引っかかれたりしてケガをした人数は10万人を超え、9人が狂犬病と診断された。衛生省が発表した数字によると、今年の1月から9月までに全国で報告された狂犬病患者は2254例にも上り、昨年同期よりも29.69%増となっている。狂犬病はすでに連続して五ヶ月も、法定伝染病での死亡者の首位を占めている。
心配なのは、都市の飼い犬の数が日増しに増え、同時に「未登記」の戸籍のない飼い犬の数も増えている事であり、それらの犬が狂犬病の予防注射を受けている可能性はかなり低い。報道によると、昆明市の飼い犬の数は10万匹を超えているが、予防接種を受けているのは僅かその5%前後だという。
その他にも、数々のマナー違反の飼い犬の行動が「都市の犬害」をさらに深刻にさせている。公園やショッピングセンター等の人が沢山集まる公共の場所で、飼い犬を見せびらかす様に連れて歩いたり、果てはその場所に放し飼いにしたり、そこら中に糞便をさせたりしているのだ。

中国では人のマナーも悪いけど、そのマナーのない飼い主に連れられた犬のマナーもかなりひどいものがあります。最近は公共の場所では少しばかりうるさくなっているようですが、かつては商店やスーパー、公共バスの中へなんか当たり前、レストランにも平気で連れて入る人がいました。長距離バスでの移動の際も一緒に乗車し、車内で吼えたり糞便をしたりしているのも見た事があります。まあ、田舎のバスでは今でもニワトリや豚を車内に持ち込むのは普通ですし、幼児が車内で小便するくらいなら笑って見ている程なので、外国人の感覚の方が彼らから見れば神経質となるのでしょう。

(508)西南地区初の「両面」鉄道駅

11月15日の雲南日報、27日の雲南テレビネットによると、昆明鉄道駅の混雑を緩和する為に、線路の北側にある現在のターミナルに加えて、線路の南側にもターミナルを建設し、中国西南地区では始めての線路の両面にターミナルビルが有る鉄道駅が誕生する事になるそうです。
この昆明駅南ターミナル建設工事は、総工費1.9億元で、今年の7月12日に着工され、12月20日に完成予定だそうです。この南ターミナルは4階建てで、建築総面積は11502平方メートル、駅前には広場も建設される。
9階建ての昆明北ターミナルには四つの待合室と一つのチケットセンターが有るが、南ターミナルにも三つの待合室と一つのチケットセンターが建設される。これにより、昆明駅は西南地区最大(建築面積なのか規模なのか乗降客数かは分らず?)のターミナルとなり、今年の昆明駅の利用者は800万人を超えるとみられており、2010年には1日の利用者が3万人、年間では1100万人を突破するだろうと予想されているそうです。

去年、新ターミナルが出来たばかりなのに、また拡張工事というのも変な話だと思ったのですが、これはどうも昆明駅北口の道路事情のせいのようです。現在の昆明駅は一本道のどん詰まりに有り、駅に行くのも出るのも北京路しかない為、車の流れが悪く、交通渋滞の原因となっていました。駅の南側には市内の主要環状道路である二環路が走っており、この道路を使う事ができるようになれば、多くの利用者は市の中心を経ずに昆明駅に行ける様になり、昆明駅北口付近だけでなく、市中心部の交通渋滞の緩和にも少なからず効果が見込めるでしょう。

(509)雲南北の玄関水富県城から成都までの高速道路が開通
    (*はつちへんに貝)

11月21日の春城晩報より。昆明から雲南省の北の玄関となる昭通市水富県までの高速道路は現在建設中だが、雲南よりも経済力のある四川省では、雲南より先に省都成都から水富までの高速道路網が完成し、17日に開通の運びとなったそうです。
この度、開通したのは、四川東南部の中心都市宜賓市から水富県城までの全長28.88キロである。この高速道と、すでに開通している宜賓−内江高速道路と成渝(成都−重慶)高速道路を使えば、水富から成都・重慶は高速道路で結ばれる事となり、水富−成都間はなんと3時間余りで行けるようになる。
記者が現地で取材したところ、宜賓空港から水富県城まで、新しく出来た高速道路を使うと僅か30分余りで到着する事が出来、地元では「宜賓空港は水富人民の空港」と書かれた広告まで有ったという。水富県党委員会宣伝部の係官によると、「水富は雲南で唯一の鉄路・水路・高速道路・航空路の四つが通っている県です。空路はお隣の宜賓の空港を利用しているが、鉄道は内昆線が通り、水路は金沙江沿いの『長江第一港』である水富港が有り、現在拡張工事中である。そして、成都・重慶と高速道路で結ばれ、近い将来には昆明とも繋がる。これは成都・重慶・昆明の中国西南部三大経済圏の接点に位置する水富が、地勢的な優位を獲得したのだと言えるだろう。また、水富県には省を代表する大企業の雲南天然気化工場や省級水富工業園区、そしてまもなく着工される、中国でも有数の巨大ダムとなる向家*ダム等も有り、今後の発展が十分に期待出来る」のだそうです。
目下のところ、水富から昭通市までは5時間余りもかかり、昭通市から昆明までは更に7〜8時間も必要とする。現在、雲南省が建設している水麻(水富−麻柳湾)高速道路135キロと、昭待(昭通−待補)高速道路148キロの二本の高速道路が来年末に完成予定で、開通の暁には昆明−成都を10時間前後で結ぶ事が出来るようになるそうです。

昆明から成都まで10時間というのはすごいですね。まさに交通革命です。元々、かつての昭通地区、現在の昭通市(地区級市)の北部は四川文化圏で雲南の他の地区とは趣が違っていました。街には茶館が多く、老若男女がたむろし(雲南にも茶館は有りますが数が少なく客もほとんどが老人)、言葉も四川なまりとなります。遠出の買い物も昭通市よりも四川の宜賓市のようでした。この高速道路の開通でこの地域は益々四川文化圏に飲み込まれそうですね。

(510)国内最大の食用菌類の博物館が昆明に

11月23日の春城晩報によると、21日、中華全国購買協同組合総社昆明食用菌研究所党委員会書記兼所長の桂明英氏が、中国で最大の食用菌類の専門博物館が昆明市に建設される事を発表したそうです。
昆明食用菌研究所の精緻加工研究開発センター主任の劉?氏によると、「1982年に、食用菌研究所内に食用菌標本室が作られた。この二十数年間の間に、集められた標本は増加し続け、現在収蔵されている食用菌の標本は、6百種類を超え標本数は9千個余りにも達した。現在までに全中国で発見されている食用菌は900種余りだが、雲南にはその内の800種余りが分布している。これは国内では最も食用菌が豊富な省だと言えるだろう。これから建設される食用菌博物館の総面積は2千平方メートルで、収蔵できる標本数は10万個分となる。この博物館は、食用菌の資源及び文化を展示するメインロビーと、食用菌の標本展示室、標本保存庫の三つの部分からなる。この展示により、我が国の豊富な食用菌資源と悠久の文化、食用菌の効能と生態条件等を紹介する。展示室は標本の展示だけでなく、模型や図・写真等によって、雲南の飲食文化も紹介する。その他にも、博物館は資料のデータベースを作成し、興味の有る方には、インターネットで閲覧・検索が出来るようにする」のだそうです。
雲南省に分布する野生食用菌類は豊富で、中国の75%(前述の劉氏の説明だと80%以上になるのですが?)、世界の40%を占める。その中には、キノコの王様と言われる松茸や、著名な漢方薬である霊芝(サルノコシカケ)や冬虫夏草等の貴重で珍しい食用キノコも含まれる。


バックナンバー
雲南通信舎バックナンバー

このページの記事の無断転載を禁じます。
ご意見ご感想はこちらまでお願いします。


雲南通信舎