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第95報(2006年6月1日)
(471)広東の出稼ぎ需要が急増、雲南にも大量求人
(*はさんずいに川、#はさんずいに耳、♭はさんずいに路)4月3日の雲南日報によると、省農業庁が先頭に立って組織した、宜良・東川・巧家・鎮雄等の省内11県市区の代表団が、深*・東莞・佛山等の広東省の65の企業と長期労務輸出の契約を交わし、16256人の農民を出稼ぎ労働者としてこれらの地区に派遣する事になったそうです。
最近の珠江三角地区(広東省の珠江河口デルタ地域を指す。広州・深*・珠海・東莞・佛山等の中国南部の主要な工業都市を抱える地域)では人手不足が深刻となっている。雲南省の関係部門はこの機会を利用して、農民の収入不足を緩和させる為に、省内の農村の余剰労働力を珠江三角地区に送る、大規模な労務輸出を働きかけた。
3月20日、省農業庁が先頭に立ち、省政府駐深*弁事処と協力して、宜良・東川・巧家・鎮雄・宣威・麻栗坡・建水・普#・ ♭西・瑞麗・滄源の11の県市区の関係者と現地に赴き、雇用状況を調査した。雇用先の安定性や安全性を考慮して、先進地域である深*・東莞・佛山等の104の企業を訪ねて、経営状態や募集条件、給料や福利厚生の状況を調査し、最終的にその中の55社と長期労務輸出の契約を結んだ。目下のところ、これらの企業に必要とされる人材を養成する為に、各県市区で農民への研修を行っている段階だそうだ。
4月30日の春城晩報によると、深*には現在20万近くの企業が有り、毎年だいたい500万人程の出稼ぎ労働者を必要としているが、目下のところ深*で働く雲南の出稼ぎ労働者はたったの10万人前後で、全体の50分の1にしかすぎないそうです。
現在の深*の総人口は約1500万人で、500万人程の常住人口でさえも全国各地の出身者の方が多く、この街の出稼ぎ労働者数はなんと総人口の70%を占めるという。
雲南省人力資源開発センター駐深*弁事処の責任者によると、「雲南省が深*の労働市場に参入したのは最も遅いほうで、現在の出稼ぎ労働者数も最も少ない省の一つだ。深*市で毎年補充が必要とされる労働者は500万人程とみられている。河南・四川・湖南・安徽・河西・重慶等の省市は80年代中期から余剰労働力を深*地区に労務輸出を始めた。現在、これらの省市の出稼ぎ労働者数はそれぞれ20万人を越えており、河南・四川・安徽の三省は100万人を越えている。雲南省は2002年からやっと(官主導の)労務輸出を始め、目下のところ深*には約10万人の出稼ぎ労働者がいる」そうだ。
調査によると、深*の企業が募集しているのは18〜35歳の一般労働者で、最も必要とされているのは女性の熟練工だという。深*では新しい企業がどんどん増加しており、5年後には出稼ぎ労働者の需要は年間2千万人にも達する見込みらしい(?)。とにもかくにも、このような労務輸出は、雲南の貧しい農民が貧困から脱出する為の、絶好の機会となると期待されている。五年後に出稼ぎ労働者需要が二千万人に達するなんて、とんでもない大風呂敷ですが、深*市の総人口が1500万人というのは凄いですね。元々深*特区を建設する際の都市計画では、2〜3百万人程度の都市を想定して立案されたと記憶しております。想定の数倍の人口になってしまえば都市計画もクソもないでしょうが、これは、いかに珠江三角地区の経済発展が破天荒だったということなのでしょう。爆発的な経済発展と人口増加で、電力不足・水不足・環境破壊をどうにかやりくりして、ここまでしのいできたのは確かにすごい事ですが、これからもこんな無茶が続けられるかどうかは「神のみぞ知る」のでしょうね。
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(472)思小高速道路が開通、昆明から西双版納までが7時間に
(*は左が孟、右が力)4月6日の都市時報、新華社ネット雲南版によると、中国で初の熱帯雨林の中を通過する高速道路で、環境保護を優先したと称する思小(思茅−小*養)高速道路が、6日に正式に開通したそうです。
この高速道路は、雲南西南部の中心都市思茅から、西双版納タイ族自治州の景洪市と*臘県城へ向かう道路の分起点となる小*養までの、全長97.75キロです。2003年6月20日に着工され、片道二車線の道幅22.5メートル、300以上の橋梁と30のトンネル、8つの各種立体交差を備える高速道路で、総工費39.95億元を投入して建設された。この道路は旧来の国道213号線と比べると24.6キロも短縮され、走行時間も約3時間短くなるようで、これにより昆明から西双版納の景洪までは、なんと7時間程で到達できるようになるそうです。
全線の中で37.21キロは小*養自然保護区の周辺を通り、その内の18キロは自然保護区の試験区(意味不明? 後述するように象が生息する地域を通過するようなので、当然自然保護区内に高速道路が建設されたはずなのですが、環境保護を優先したと称している為、どうも認めたくないようですね)を通過する。この地区のトンネルの出入り口をタイ族風建築に似せた風格のものに仕上げ、沿道には49種類の亜熱帯植物を植樹し、この地域の特色を演出した。そして、野生象が出没する可能性が高い地域では、特に橋脚の高さを8〜15メートルも高くし、象が高速道路に影響を及ぼさず、共存できるように考慮したそうです。
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(473)新たに六つの大学が開校
4月14日の春城晩報より。省教育庁の発表によると、4月初旬、国家教育省の承認により、雲南省内の六つの中等専門学校が大学に昇格する事になったそうです。
大学に昇格したのは以下の六校です。
徳宏タイ族ジンポー族自治州の徳宏師範学校が、徳宏師範高等専科学校(「専科」とは一般的に三年制の短期大学を指し、4年制大学は「本科」と呼ばれる)に昇格。州政府はこれから5年間で、この学校に100万元を投入する。
麗江市の麗江教育学院が麗江師範高等専科学校に昇格。市政府は160畝(一畝は666.7u)の土地を提供し、5年間で500万元の資金を投入する。
楚雄イ族自治州の楚雄衛生学校が楚雄医薬高等専科学校に昇格。自治州政府は2006年から2010年までに1250万元を投入する予定だ。
保山市の保山衛生学校が保山中医薬高等専科学校に昇格。市政府は5年間で3702万元を投入する。
曲靖市の曲靖衛生学校が曲靖医学高等専科学校に昇格。市政府は国家開発銀行から3千万元を借款し、校舎等の建設に充てる。
臨滄市の臨滄教育学院が臨滄師範高等専科学校に昇格の予定。一年間の期間をかけて国が規定する普通高等専科学校の設置基準に適合させる。この一年間の準備期間の後、関係部門の審査を経て高等専科学校となる。中等専門学校というのは、中学を出て3〜4年専門教育を受ける、我が国で言えば、職業高校・高専といったところです。かつては中国の初級・中級の技術者・専門家の中心的な養成機関で、卒業生は準幹部として国家が職を保障して配属していました。就職の国家保障がなくなり、近年の高学歴化と専門知識の高度化で、この中等専門学校はかつてのような人気はなくなったようです。師範学校というのは、基本的に小学校の先生を養成する学校です。中学の先生は師範専科学校卒業生、高校の先生は四年制大学(本科)卒業生が担う事となっていましたが、都会のエリート小学校等では本科卒の先生が主流になるなど、先生の高学歴化が進んでいます。しかしながら、貧しい農村では、「希望工程」という国策の宣伝映画「あの子をさがして」の幼い教師のように、師範学校はおろか高校すら出ていない代用教師が教壇に立たざるを得ないという状況は、悲しいかな、まだまだ存在するようです。
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(474)雲南からバスでラサへ、乗客二万人突破
4月16日の春城晩報によると、迪慶チベット族自治州交通運輸集団公司が昨年の6月8日に開通させた、シャングリラからラサへの長距離バス路線の乗客数が、4月15日までに二万人を越えたそうです。これにより、安全で経済的な交通手段として雲南とチベットの住民に認知されたのだという。
雲南省迪慶州のシャングリラ県城からラサまでは全長1780キロで、ほとんど標高四千メートル以上の無人の山岳・高原地帯を走行する事になるが、徳欽・芒康・左貢・林芝・工布江達・邦達・巴達等の県城も通過する。高地で酸素が薄く、暴風・雪が多発する為、バスの運行は困難を極めた。そこで迪慶交通運輸集団公司は、酸素供給器具や高山病の治療薬を備え、DVD上映装置も完備した豪華大型バスを用意し、安全の為に特別にベテラン運転手を配備した。
シャングリラからラサまでの所要時間はまる4日かかり、運賃は500元となる。この経済的な価格と安全性の為、乗客のほとんどはラサに巡礼に向かうチベット族で、その他は雲南とチベットの商人や外国人観光客だという。バスの行程は厳格に時刻表に従って運行され、昼間に走行し、夜は比較的に条件の整っている県城の宿に停車し、宿泊するそうだ。雲南からラサへは、以前は高い金を出してジープをチャーターするか、危険を冒してトラックヒッチか巡礼トラックに潜り込むしかなかったのですが、近年は航空路線も開通しましたし、こういった経済的で少し安全な交通手段も出来たのですね。ラサに屯するバックパッカーにとって、ビザの更新が容易な雲南へのルートの開設は福音となるでしょう。
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(475)雲南省の人口は4450.4万人、昆明市は608.57万人、高齢化が進む
4月26日、28日の昆明日報より。省統計局が公布した昨年の1%人口抽出調査によると、2005年末の時点で、雲南省の総人口は4450.4万人で、昆明市(5区1市8県)は608.57万人だったそうです。
課題となっている都市化については、全省の都市人口は1320.52万人で、全人口の29.5%を占め、ここ数年で最も増加率が高い一年だったという(データ無し)。
人口の老齢化については、全省の65歳以上の老人人口は335.12万人で、2000年度の258万人と比べて77.12万人も増え、毎年平均15.42万人の増加となった。65歳以上の老齢人口の比率は7.53%となり、2000年から1.44%も増加し、全省が高齢化社会に突入した事が証明された。
また、全省の総人口は4450.40万人で、出生率は1.472%、死亡率は0.675%だった。そして、昆明市の人口は608.57万人で、出生率は1.272%、死亡率は0.529%でした。
(いわざわ)
(464)トンパ文化を法律で保護
2月16日の新華社ネット雲南版によると、雲南省はナシ族トンパ文化の保護の強化と優秀なトンパ文化を継承し広めていく為に、<ナシ族トンパ文化保護条例>を制定し発布したそうです。
ナシ族は人口約30万人で、居住区は省西北部とそれに隣接する四川省・チベット自治区となる。ナシ族のトンパ文化とは民間宗教トンパ教を軸とした「原始宗教」文化(トンパ教が原始宗教かどうかについては異論あり。チベットのボン教の影響を受けた新興宗教で2〜3百年程度の歴史しかないという説もある)で、トンパと呼ばれるシャーマンが執り行う宗教儀式、トンパ文字と呼ばれる絵文字で綴った文学や経典、トンパが行う舞踊、トンパ画と呼ばれるトンパが書いた絵等からなる多様な宗教文化だという。
今回の<ナシ族トンパ文化保護条例>は、麗江市と省内のナシ族が居住する全ての県・市・区に適用される。この<条例>はトンパ文化の保護が主な目的であり、トンパ文化を守り、合理的に利用して発展・継承させていく方針だそうだ。そして、以下の五項目が主な保護対象となる。1996年(?)より以前に出版または復刻されたナシ族トンパ教古書籍・文献、トンパ教の文学・音楽・舞踊・演芸・絵画・彫刻・服飾・器や食器等、ナシ族の代表的な建築及び施設、トンパ文化の伝承者及びその伝統知識と芸、ナシ族トンパ文化の特色ある伝統的な民俗活動等。
これらを保護する為に、雲南省はナシ族トンパ文化保護の為の専門経費を支出して、重点保護の対象を収集・購入・維持・補修し、トンパ文化の伝承者や各種の伝承活動を支持していくのだという。そして、将来的にはナシ族文化保護区を設立し、それと同時に市民にトンパ文化の貴重な資料の保存を呼びかけ、その資料を麗江ナシ族トンパ文化博物院に寄贈する事を促していくのだそうです。麗江の無残な開発をご覧になった方なら理解できるでしょうが、彼らのやっているのは文化保護ではなく、観光客誘致の為のコンテンツ作りです。麗江古城も観光客が増えて手狭になったので、沢山の観光客を収容出来る様に拡張する事となりました。古城を拡大させる為に、新たに古城を(?)大規模に建設するというのです。古城を復元するのではなく、歴史や文化を無視して適当に作った見栄えのいい古城モドキを建設して、観光客に提供するというのは大理でも同じです。このような行政の暴走に異論を唱える事の出来るシステムが無いのが大きな原因でしょうが、書割のような古城モドキで満足して喜んでいる中国人観光客にも、その責任の一端は有るように思えます。
それから、トンパ教というのは確かにナシ族の土俗宗教ですが、ナシ族文化とイコールとなるものでは有りません。トンパ教は農村部の民間信仰で、都市部や支配層とはあまり関係のない宗教だったからです。支配層は漢族と同じく仏教と道教の擁護者で、特に麗江はチベット仏教の少数派である赤帽派の拠点ともなっていました。また、民族固有の伝統宗教とも言いがたく、チベットの土俗宗教だったボン教との関連が指摘されてもいます。ようするに、ここで言われている「トンパ文化」とは観光用のコンテンツで、やっている事は宗教文化の保護とは程遠いものです。例えばトンパ育成と称して、宗教活動とは無縁な、宗教儀式の真似事や踊りが出来る役者を、学校を作って大量に養成して、観光イベントに供給したりしております。これが果たして「トンパ文化」の保護といえるのでしょうか。
(465)*海で三年目の休漁措置が始まる
(*はさんずいに耳)2月25日の新華社ネット雲南版によると、雲南の著名な高原湖である*海において、本年度の休漁措置が開始された。このように、*海の生態環境を守る為に、半年間の禁漁措置が行なわれるようになったのは、今年で三年目となるそうです。
大理バイ族自治州に在る*海は、雲南省の九大高原湖の一つで、全国的に著名な観光地でもある。*海は現在でも比較的良好な水質を維持しているが、都市建設や域内の生産活動、特にその中でも行き過ぎた漁業活動により、汚染圧力が高まっていた。
この休漁措置作業は二段階の時期で行われ、2月21日〜6月20日までが第一段階で、全湖は封鎖され、この時期の漁業活動は一切禁止されて、湖の生態の回復と漁業資源の保護が行われる。 6月21日〜8月20日までが第二段階で、銀魚(*海名産のシラウオ)だけが解禁となるが、他の魚は休漁が継続される。この期間は銀魚用の網だけが使用することを許され、その他の漁具を湖に持ち込むことは禁止される。これにより、成長した銀魚を最盛期に捕獲し、漁民の収入が確保される。
休漁期間は、*海の全ての漁船が指定された漁港に置かれて、集中的な統一管理が行われ、これに違反した船や、もぐりの漁船は発見され次第、没収される。また、この時期に水産品を沿岸の加工工場で保存したり、工場が水産品を購入したりする事を禁止する。これも、発見されれば即没収となる。
今年の休漁期間は、*海漁政部門が警察と緊密な連携の下、更に厳格な措置を取り、いっそうの力量をもって休漁措置の執行に取り組むという。さらに、厳格に湖を管理し、陸地での検査を強化し、重点的にヤミ漁業業者を摘発し、違法な網や漁船を取り締まる。そして、休漁措置の執行工作を速やかに実行し、*海の保護と規範的な漁業の育成に努めていくのだそうです。
(466)5年以内に火葬を普及させる
3月8日の昆明日報によると、省民政部門は今年から埋葬改革のスピードを上げ、2007年までに47もの火葬場を建設し、これから5年以内に省内で火葬を基本的に普及させる為に努力するそうです。
雲南省では死者の火葬率が全国平均を下回っており、省内の農村では火葬率が10%にも満たない。目下のところ、省内にはたった33の火葬場しかなく、これから必要とされる需要には、まったくと言っていいほど追いつかない情況だという。現在、埋葬改革の大きな難点は農村にあり、埋葬管理部門は大規模な宣伝と工作活動を行い、文明的で質素な葬式・埋葬を行う事を提唱している。そして、農村に公益性のある公共墓地を建設し、農民達の埋葬難の問題を解決し、同時に現在火葬を行う事が困難な地域では、死者を公共墓地に収容する事を促進させ、勝手に耕地や山林に埋葬する事を阻止する。そして、土葬から火葬への転換を実現させる為、耕地や山林の中に勝手に建てられた墓を、公共墓地に移転させ耕地や山林を守る。また、同じく耕地や山林を占拠している活人墓(お金に余裕の有る人が、自分の生きている内にこしらえた立派な墓。最近、急増しており貴重な耕地が侵食されたり、山林が削られたりして社会問題となっている)を速やかに撤去させ、県・郷・村の三段階のレベルで重点的に取り組む。
こうやって、更に一層の墓地の管理を強化して、非合法な墓地をきちんと取り締まり、墓地の整頓工作を継続する。また、葬式・埋葬用品の管理を強化し、葬儀市場を浄化する。そして、2006年から5年間で、全省の範囲内で基本的に火葬を普及させ、全省の火葬率を全国平均水準に近づけるそうです。中国では一部の少数民族以外は伝統的に土葬でした。現在、都市部では強制的に火葬が行われていますが、これは土地を持っていない都市住民には土葬で埋葬する場所が無く、仕方のないことでした。だが、庶民の土葬への執着は根強く、都市住民でも金持ち達が農民から埋葬地を購入し、生前に立派な墓を作ってしまうという「活人墓」が社会問題にもなっています。そして、農村では火葬場施設がないこともあり、今も当然のように土葬が行われ、木材をたっぷり使った立派な棺桶が販売されています。しかし、木材の浪費と墓地が耕地と山林をどんどん侵食するという問題が突出し、衛生上の問題も有り、農村の火葬化が急がれています。唯物論的な考えが受け入れやすい都市部はともかく、旧来の宗教観・世界観が色濃く残る農村では、農民の来世に対する観念を否定する事にもなり、火葬に対する抵抗はまだまだ強く、火葬化はなかなか進まないようです。
(467)日本の援助で龍陵県に小学校を建設
3月15日の雲南日報によると、在中国日本国大使館と雲南省商務庁、雲南国際経済技術交流センター、保山市龍陵県政府の互いの努力のもと、「日本国草の根・人間の安全保障無償援助・雲南省龍陵県平達郷黄連河小学校建設項目」の調印式が近日(新聞記事でこのいい加減さ? いかに書きたくないかがよく分かる表現です)昆明市で行われたそうです。
この無償援助項目は、保山市龍陵県平達郷黄連河村に建設面積612.29平方メートルの小学校の校舎を建設する事だという。この校舎では270人の児童が学ぶ事が出来、この村の児童の就学と寄宿(寄宿舎も校舎の中に併設されるのでしょう)の問題が解決され、当地の遅れた教育環境が改善される事になるそうです。
雲南省では1991年から「日本国草の根・人間の安全保障無償資金協力」を受けており、主に教育・医療やインフラ建設の援助を受けている。最近は日本が中国に対するODAに批判的になっており、国民に日本の援助の実態をまったく知らせていないと言う批判が起きている事もあり、かつてはまったく報道しなかった日本の援助について、こそこそとアリバイ的に伝えるようになりました。それでも援助なのに合作だとか投資と表現したりする事もあり、往生際が悪いのですが。中国では義務教育費が国庫負担ではなく、各地方財政によってまかなわれている為、義務教育にかける費用が地方によってばらつきが起こり、貧しい農村地域では都市部との地域間格差が深刻化しています。その為、貧しい農村地域の義務教育の資金はこういった海外からの援助や、国内で行っている「希望工程」という教育への募金運動に頼らざるを得ないようです。そもそも中国では教育に対して投ずる予算が極端に低く、GDPの2%にしか過ぎず、国連が求めている数字のたった三分の一で、「アフリカのウガンダにも及ばない」と国連職員に指摘された事もあるそうです。また、最近新聞で話題になった事ですが、中国政府の各級幹部が毎年使用する公用車の費用が3000億元にも上り、これは国家財政支出全体の38%も占め、この数字は教育及び医療に投入される予算の総額を超えていることになるそうです。このような、中国政府の財政のアンバランスの尻拭いに、日本のODAが利用されるのは、どうにも納得が行きません.。
(468)中国初の民間航空が雲南で就航
3月16日の春城晩報、20日、24日の雲南日報によると、中国初の民間航空運輸会社となる雲南英安航空公司が、4年余りの準備・申請期間を経て、ようやく中国民用航空総局より運航合格証の発行を受け、3月末に第一便が就航する事となったそうです。
この思茅市に本社を置く英安航空公司の成立には、様々な紆余曲折が有ったという。2002年に設立準備が開始され、2004年1月29日に雲南英安航空公司は雲南で登記された全国初の民間航空会社となった。そして、2004年3月より第一便を就航させる予定だったが、それは叶わず、2005年3月には同年6月28日に就航する事を発表するまでにこぎつけたが、これもまた延期となった。今年の春節前にも、民航総局の関係部門の様々な審査を通過する事が出来た為、春節前に就航させようとしたが、運行合格証がなかなか発行されず、就航が見送られたという経緯があった。
この英安航空公司は支線航空路線(地方空港間)をメインとする小規模地方航空会社で、同社の黎桂英会長によると、「国外では厳格な意味での支線航空会社の運行距離は500〜800キロの間で、客席は30席以下、重量5.7トン以下の小型旅客機を使用する。英安航空もこの定義の範囲内となり、採用する航空機はY121型で、座席数は19席です。3月末に就航する第一便は思茅−臨滄−大理線で、今後は思茅から中甸(シャングリラ)・芒市・麗江・西双版納(景洪)・昆明等の省内の各都市を結ぶ路線を開通させていく」予定だという。
そして、同社は省内の地方経済の発展の為に、大手航空会社では採算の取れないような、地方と地方を結ぶマイナー路線を開発し発展させて行き、また、キャビンアテンダントを同乗させない等のサービスの簡素化により、運賃をより低く抑えるという方針だそうです。雲南には現在省都昆明以外に9つの地方空港が有りますが、その路線は、ほとんどが昆明へ向かう便で、大理−西双版納、麗江−西双版納線以外は地方空港間の路線が有りませんでした。その理由は勿論需要が少ないというのが第一の原因ですが、飛行機の管理・整備出来るのが昆明空港だけの為、必ず昆明を出発地点にして、最後には昆明に戻らなければならないということがネックとなり、地方空港間の路線が整備されなかったようです。せっかく多額の資金を投じて建設した空港なのですから、こういった新しい需要を開拓していく試みこそが、地方空港発展の方向性だと思います。
(469)大理−麗江高速道路の建設が決定
(*はさんずいに耳)3月19日の春城晩報によると、2004年12月より大理から麗江への鉄道建設が開始されたが、それに続いて、同区間の高速道路の建設も行われる事が決定したそうです。
現在、大理−麗江間には二百数十キロにも及ぶ二級有料道路が有りますが、それを改造して高速道路を建設する事になったようです。これにより、昆明から麗江まで、すべて高速道路で結ばれるようになり、昆明からは所要時間も6時間余りとなり、従来よりも1時間以上短縮できる事になります。
現在建設中の大理と麗江を結ぶ全長167キロの大麗鉄路は、2008年に開通の予定となっている。この高速道路建設計画によると、この道路の全長は248.84キロ、総工費は164億元、工期は3年で、大理市深長村から*海東岸を北上し、*源県・剣川県を通って、麗江市の寿南村に至る路線となるようだ。
大理−麗江高速道路は、すでに国の高速道路整備計画にも明記されており、省交通庁内には大麗高速道路準備工作組が結成された。そして、大理バイ族自治州でも大麗高速道路建設協調指導組が結成され、建設準備作業はすでに始まっているそうです。現在、大理では鉄道と並んで、下関−大理間の旧国道を大拡張して片道三車線の立派な道路が建設されています。この上に高速道路建設ですか。土建屋さんは笑いが止まらないでしょうね。道路建設で土地を取り上げられる農民は、たまったものではないでしょうが。
(470)昆明市民の平均寿命は74.3歳
3月29日の春城晩報によると、昆明市の全市衛生工作会議において、市衛生局から「市住民健康状態評価報告書」が初めて公開された。これによると、昆明市住民の平均寿命は、住民の衛生生活環境が改善された為、74.3歳にまで伸びた事が判明した。これは全国の平均寿命の72歳より2.3歳も高い数字となるそうです。
この報告書によると、住民の死亡率は0.635%で全国平均よりも低く、嬰児の死亡率、新生児の死亡率、5歳以下の幼児の死亡率、妊産婦の死亡率等も全国平均を下回った。栄養不足率も下がり、新生児の未熟児(2500グラム以下)率等は中程度の発展国と同じ位の水準となった。しかし、農村の住民の平均余命年齢は都市部より3.57歳も低い結果となり、農村の嬰児死亡率、新生児死亡率、5歳以下の幼児の死亡率は都市部よりもかなり高く、都市と農村の衛生・健康状況の差は依然として大きいようです。
住民の死亡原因の中で第一位となったのは心血管疾患で、続いて呼吸器系疾患、腫瘍、損傷及び中毒、消化器系疾患、内分泌と栄養・代謝疾患、泌尿器・生殖器系疾患、伝染病が挙げられた。専門家によると、伝染病での死因は第8位だけれども、発症数は依然として高く、昨年、全市で発生した乙類伝染病は18種類14611例で、死亡者は20人にも上った。この内、腸道伝染病の発症数が最も多かったという。また、昨年昆明で報告された突発的な衛生関連事件は91件で、前年度より増加し、羅患した人は22840人、発病した人は1709人で、死亡者は14人だったそうです。またいつもの数字のお遊びですね。人口の7割以上を占める農村の平均寿命は全国平均より5年近い差が有ると言われており、その農民を含む全国平均寿命と、多くの都市住民を抱える昆明市を比較すれば、昆明市が高いのは当たり前の事で、これを自慢げに記事にするのは、まさにプロパガンダと言えるでしょう。中国の最も豊かな地域と、最も貧しい農村地帯では、平均寿命の差が20歳近くも有るとも言われています。それにしても、昆明市のような農村部をかなり抱えた都市でも、平均寿命が74.3歳と高いのは、いかに貧しいまま高齢化が進んでしまっているかが実感できます。
(いわざわ)
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