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いわざわ雲南通信舎

中国雲南省に詳しい、いわざわ氏によるホットな雲南情報。
2005年12月5日、第89報!!


第89報(2005年12月5日)

(441)これから着工する8本の高級公路
 [*は左が孟、右が力。#は上が敢(厳密には左上のエの部分がユとなる)、下が心] 

10月6日の新華社ネット雲南版より。雲南省交通庁の関係部門の発表によると、雲南省で計画されていた8本の高級公路建設に、国家交通省の施工許可証が出されたそうです。これは<公路建設市場管理方法>の実施以来、交通省による初の行政審査許可となるのだという。
この8本の高級公路(高速道路か自動車専用道路)とは、永仁−元謀、元謀−武定、祥雲−瀾滄江、羅村口−富寧、昭通−待補、蒙自−新街、新街−河口、小*養−磨#公路です。永仁−元謀−武定の2本の高速道路は、国の西部大開発計画の中で、主要な幹線道路と位置づけられる蘭州−昆明−磨#公路の重要な一部分となる。祥雲−瀾滄江公路は、省西南部の交通の大動脈となり、国道124号線西寧−昌都−景洪公路の重要な一部分になる。羅村口−富寧高速道路は、国道の重要幹線である衡陽−南寧−昆明公路の一部分となる。昭通−待補、蒙自−新街、新街−河口の各高速道路は、国道の二連浩特−成都−昆明−河口公路の重要な一部分となる。また小*養−磨#高速道路は先に挙げた蘭州−昆明−磨#公路の最後の一部分となるのだそうです。
2005年3月1日より実施された、<公路建設市場管理方法>の規定によると、公路建設項目は法に則り、施工許可制度を実行する。そして、法によって決められた規定に、公開・透明な審査に通過したものだけが、施工する事が出来るのだという。これにより、建設業界における汚職・腐敗の発生を防ぐ作用が期待されているのだそうです。

道路建設は下請けに丸投げしたりして手抜き工事が多く、腐敗の温床となっています。大理市の道路建設会社の社長さんと食事をしたことが有りますが、役人たちの要求する賄賂が多すぎて、手抜きせずに予算どおりに道路を作ると、会社が倒産してしまうと嘆いていました。まあ、その社長さんも外車に乗ったりして羽振りがすこぶるよく、手抜きの上前を沢山撥ねているようでしたが。

(442)今年の国慶節GW

10月8日の雲南日報、9日の新華社ネット・昆明日報・香港文化報、11日の春城晩報によると、今年の国慶節ゴールデンウィークに雲南省内の観光地を訪れた観光客数は、延べ274.99万人で昨年同期より28.02%増となり、その中で、一泊以上の宿泊客は延べ111.92万人で前年度より27.85%増、日帰りのパック旅行に参加した人は延べ163.07万人で前年度より28.14%増だった。そして、観光収入は10億9775.53万元で、昨年同期より29.57%増となり、省内の観光業は順調に発展を遂げているようです。
今回のGWで人出が多かったのは、昆明・大理・麗江・迪慶・保山・徳宏・紅河等の古くからの著名な観光地区で、この結果は核心的な観光地としての作用を継続して発揮しているのだと評価されているらしい。これらの地区の人出は、昨年同期と比べると23%以上の伸びを示している。特に紅河、徳宏、迪慶では、それぞれ延べ11.69万人、6.47万人、7.29万人もの観光客が訪れ、昨年からの増加率もそれぞれ87.6%、68.3%、74.5%の高率だった。その他の地区でも、楚雄市の観光客の増加率は97.8%にも達し、玉渓市を訪れた観光客は延べ25.32万人となり、昆明に次いで省内第二の人出となった。全省だと3つの州市で観光客が減った以外、14の州市で増加した事になるそうです。
しかし、GW期間中の省内の主要観光地を訪れた観光客は延べ51.99万人で、前年度より7.1%減だった。その中で観光客が最も多かったのは昆明石林で延べ6.14万人、昆明世博園(花博記念公園)、雲南民族村、大理三塔公園、麗江玉龍雪山、丘北普者黒でも観光客がそれぞれ4万人を越えた。その中の麗江玉龍雪山風景区では3日連続して観光客が1万人を越え、最も多かった日は10月4日の1.15万人だった。
今回のGWもマイカーでの旅行が人気を集め、徳宏州では州・県政府と旅行社が主催してマイカー旅行の誘致活動が行われ、州内の観光地にマイカーで訪れた人には入場料が半額になる等の優遇措置を行なった。その成果として、7日の午後までにマイカーで徳宏州を訪れたのは1200台を越えたそうです。そして、10月1日に昆明から大理方面に向かったマイカー旅行の車は約5400台にも上ったという。また、マイカー旅行を含む個人旅行の増加も顕著で、保山市には10月1日から4日までの間に、延べ22.28万人の観光客が訪れたが、マイカーや高速バス等の個人旅行客が85%を占め、団体旅行の14%、会議出張の1%を大きく上回っていた。
新たに、特に増加が目立った観光地は曲靖彩色沙林風景区で、連続5日間3500人を越え、10月4日には6730人もの入場者が有ったそうです。

観光バブルはまだまだ続いているようです。でも、どの記事でも省外と海外の観光客数には触れられていません。その内出てくるのかもしれませんが、あんまり芳しい数字では無かったのでしょうか。それにしても、観光客数も収入も20数%増というのは凄いものです。記事でも指摘されているように、旧来の有名観光地はどうやら頭打ちのようです。それは、外部からの観光客が増えず、観光に行けるような地元の人も有名観光地にはほとんどが行き尽くしてしまったからなのかもしれません。それでも全体の人出が増えているのは、目新しい観光地にこれらの人が向かった事と、都市部の収入が増えて観光に行ける層が全体的に増えたからでしょう。観光が主要産業になってしまった以上、雲南ではこれからも新たな観光開発が続く事は確実で、「新築の古城もどき」や「真新しい名所旧跡」等がどんどん建設されていく事になるのでしょう。

(443)16名の女性が赤ん坊を背負って麻薬販売

10月10日の春城晩報によると、9日の昼、16名の赤ん坊を背負った女性が環城北路において、麻薬販売の現行犯として昆明市盤龍公安分局聯盟派出所(中国の派出所は日本でいうと「小さな所轄の警察署」で、交番ではない)の警察官に逮捕されたそうです。
10月9日の午後1時頃、聯盟派出所の警察官が管轄地域のパトロールをしていたところ、環城北路で十数名の赤ん坊を背負った女性が、辺りをウロウロしているのを発見した。彼女らは周囲を気にしながら通行人に近づき、小声でなにやら話しかけていた。警察官は直ちにこれらの女性に職務質問をし、所持品検査をしたところ、販売用に小さなビニール袋に詰められたヘロインが多数発見された。午後1時40分、この16名の女性は派出所に連行され更なる取調べを受ける事となった。
派出所に駆けつけた記者によると、これらの女性はおよそ20〜25歳位で、背負われた子供は全て1歳半を越えない赤ん坊であり、ほとんどの子供が手に哺乳瓶を抱えていた。警察官の尋問にも、この16名の女性達は誰一人として取り乱さず、慌てた素振りも無く、冷静な面持ちであった。自供によると、この16名はすべて貴州人で、麻薬販売の容疑についても認めているという。
この女性達が逮捕されてもなぜ平然としているのか、記者は不思議に思い、昆明市公安局麻薬撲滅支隊に取材したところ、「我が国の刑事訴訟法の規定で、妊娠又は授乳の必要な嬰児を持つ女性の犯罪容疑者は、留置ができず、保証人をたてて自宅で取調べを待つか、住居を強制監視するしかない。また、死刑にも出来ないように規定されているからだ」と説明を受けたという。しかし、昆明では麻薬の販売の大部分はこのような赤ん坊を背負った女性によって行われているのだ。そして、その赤ん坊は決して全てが自らの子供ではなく、お金を払ってレンタルしてきた子供や、さらには人身売買で買ってきた子供もいたという。
警察はこれらの容疑者を逮捕した後、彼女らと子供らの親子鑑定を行い、この鑑定の結果が出た後、法律の規定に従って処分する予定だそうです。記者の取材中、警察当局は記者に「子供は犯罪の盾にはならない」と重ねて強調した。「我が国の法律には妊娠又は授乳が必要な犯罪容疑者に対して、相当する人道的な措置が取られる規定が有るが、これは、犯罪容疑者が法律の制裁から逃れられる口実とはならない。これらの子供を抱えた女性達は法を恐れぬ犯罪人であり、その実、彼女らは自分で自分を傷つけているだけでなく、幼い子供も傷つけているのだ。無垢な子供達には責任がないが、彼らは欠落した家庭で育つ事となり、かけがえの無い母親の愛も失う事になる」のだそうです。

(444)昆明市も老齢化社会に突入

10月11日の昆明日報によると、昆明市の老齢人口(記事には記載が無いが恐らく65歳以上の事)は66万人にも達し、全市の総人口に占める割合は13.28%となり、これは昆明市がすでに高齢化社会に入っている事になるそうです。
調査によると老齢人口の数と割合は上記のような結果が出たが、国内外では60歳以上の人口が総人口の10%、65歳以上の人口が総人口の7%以上を占めると高齢化社会に入ったと考えられている。この基準からいうと昆明市はとっくに高齢化社会に入っている事となる。
老人の基本的な生活保障の為に、昆明市では関係部門と協力して堅実な老人対策事業を展開し、基本的な年金、医療保険、都市最低生活保障等に社会資本を投入してきた。そして、退職者への年金と基本的な医療保険を確保し、資格の有る(ここがポイント)都市の老人全てに最低限の生活を保障している。また、農村の老人へも様々な対策を行い、特別な貧困者と医療の救助制度を施行したりして、農村の老人の基本的な生活をよりよく保障しているのだそうです。
昨年、昆明市は老人の優待年齢を70歳以上から65歳以上に引き下げ、これにより18万人もの老人が、新たに優待を受ける事が出来るようになった。これは2004年に市政府が行った「10の善行」の一つに選ばれ、多くの高齢者から喝采を浴びたのだそうです。

10月16日の日本経済新聞によると、『1964年当時の全国人口における65歳以上の「高齢者」の割合は3.56%であったが、2000年は6.96%、2003年は8.34%とその割合は拡大を続けている。国家人口計画生育委員会は「全国の65歳以上の高齢者が全人口に占める割合は2030年に16.68%、2040年には22.56%、2050年が24.41%に達する」と予測している』のだそうです。世界で始めて開発途上国のままで深刻な老齢化社会に突入したこの中国に、明るい未来が待っているとはどうしても思えません。この国が社会保障の重みに耐えられるはずもなく、農村老人を切り捨てる以外に方法はないでしょうが、都市老人の老齢化の物凄い速さを見ていると、豊かな都市でさえ老人への社会保障を蔑ろにしなければならない時代が来る事は確実だと思われます。その時、中国社会がどういう選択をし、どういう舵をきるか、興味が尽きません。

(445)昆明市で反邪教協会が成立!

10月21日の雲南日報によると、10月20日、昆明市に反邪教協会が正式に設立されたそうです。この反邪教協会は、昆明地区の自然科学・宗教・法律・体育・マスコミ界等の邪教に反対する有志が、自発的に組織したものなのだという。法律に従って登記され設立されたこの協会は、公益性・非営利性の社会組織で、これは昆明市科学協会の一部分となる。
この協会が成立した後、各界の人達と団結連帯して科学精神・人文精神を広め、法律の尊厳を守り、宗教の信仰の自由を守り、積極的に邪教組織と闘争し、社会に向けて各種の研究・討論活動を繰り広げて、邪教組織の研究とその本質の危険性を暴いていくのだという。さらに、反邪教の宣伝活動を組織・動員し、この反邪教運動の報告会・講演会・展覧会等を開催し、反邪教を訴える雑誌や書籍を出版する。そして、大衆の邪教組織への警戒心を高め、その識別・防犯能力を強化し、合せて専門家・学者を組織して、関係部門と協調して邪教徒に対する矯正作業を行う事に協力するのだそうです。

中国にも「宗教の自由」が有り、憲法でも保障されていると誤解している方が多いのですが、形だけでも有るのは「信仰の自由」であって、「宗教の自由」では有りません。どう違うかと言うと、個人が宗教を信じる自由は形式的には有るけど、布教は禁止されており、宗教活動の自由も有りません。宗教指導者が外国人であってもダメで、他国の干渉を防ぐという理由で、各宗教組織は海外との連携を断たれて独自組織にされてしまっています(この為、ローマカトリックとはずっともめている)。布教の禁止というのも、「共産主義」国家らしく、宗教を信じない自由(無神論を広める自由)を侵すからだというトンデモな理由で、言い掛かりに近いものが有ります。故に、この反邪教協会のような無神論を広める組織が自発的なボランティア組織であるはずがなく、大体中国に共産党の指導を受けない合法的な社会運動組織というのは存在し得ませんけどね。「法輪功の非合法化」騒動の際にも類似の組織が有りましたが、また新たな組織を立ち上げたのは、不安定な社会に乗じたカルトや、民間宗教・地下キリスト教等の活動が活発化してきたという証左なのでしょう。

(いわざわ)


第88報(2005年11月7日)


(436)西双版納州で初の終身運転禁止処分

9月10日の春城晩報によると、轢き逃げをして人を死亡させた為、西双版納タイ族自治州で初の「終身運転禁止」の行政処分を受けた郭容疑者の審理が終了し、9日、景洪市人民法院(裁判所)にて、懲役5年と被害者家族への184902元の賠償金の支払いを命ずる判決が出たそうです。
今年の4月6日、郭謀はオートバイを運転して景洪市江北曼斗料金所から西に向かって走行していた。そして宣慰大道曼斗村北面 の分岐路に達した時、道路を横切ろうとしていた曼斗村の60歳の玉さん(女性)と衝突した。事故が発生した後、郭謀はただちに逃走し、玉 さんは治療も受けられずに放置された為、死亡してしまった。
景洪市公安局交通警察一大隊の調査によると、この事故の責任は全て郭謀にあり、交通 事故罪(交通事故引き起こし罪?)で郭謀は4月7日に刑事拘留され、12日に逮捕された。同時に、この犯罪の悪質さから、交通 警察一大隊は法に則り、郭謀が一生運転免許を取れないように行政処分を科したそうです。
この後、玉さんの娘の岩さん(中国では子供は普通 父方の姓を選択するので、母親とは姓が違うことが多い)が郭謀に対して民事訴訟を起こし、賠償金として177420元を請求したそうです。
景洪市人民法院は郭謀が交通法規に違反して死亡事故を引き起こした事と、轢き逃げをした事を、交通 事故罪と認定し、そして被害者が死亡した事に対しては傷害致死罪を適用した。そして、郭謀は民事賠償責任も負わねばならぬ 事も認定し、前記のような判決となったそうです。

かつて、ド田舎の国道上で検問して免許証をチェックすると、その何割かが無免許かニセ免許証だったという記事を読んだ事が有ります。無免許運転が横行し、お金さえ有れば簡単に免許証が手に入る社会で、終身運転禁止処分なんてそんなに効果 が有るとは思えません。それより、轢き逃げや、無免許で死亡事故を起こした場合、殺人罪を適用する事にした方が効果 は上がりそうです。 > > 揚げ足取りになるのかもしれませんが、賠償請求の金額より、支払命令の金額が増えています。何か事情が有るのでしょうが、とても気になります。

(437)農民の収入の格差が更に増大

9月13日の新華社ネット雲南版より。雲 南省農業庁弁公室の発表によると、今年度上半期の全省農民平均収入は1009元と なり、初めて1000元を突破した。これは前年度同期より16.9%増となり、全 国平均増加率の4.4%を越える事が出来た。農民の収入増加の困難は、依然として 雲南省の現在と今後の農業・農村発展において、大きな矛盾と障害と成っているが、 この雲南省農民平均収入の数字は、三つの面で格差がまたいっそう拡大している事を 示しているのだそうです。
第一の面は、都市と農村住民との格差が更 に拡大した事だ。1978年度の全省の都市と農村住民の平均収入は315.1元と 130.6元となり、この収入比は2.4:1だった。だが、2004年度にはそれ ぞれ8870.9元と1864.2元となり、収入比は4.8:1と拡大した。ま た、全国平均だと3.2:1となっている。
第二の面は、全国及び部分の省市(北京・ 上海・天津・重慶は特別市で省と同等の格となる)との格差が拡大した事だ。 1978年の雲南と全国の農民平均収入は、それぞれ130.6元と133.6元 で、たった3元の違いだった。それが2004年には1864.2元と2936元と なり、差は1072元にも開いた。そして、雲南と発展した東部地区の上海と比較す ると、1978年の差は159.4元だったが、2004年には5473元にも拡大 し、収入比でも1:2.1から1:3.9と大きく格差が開いた。また、中部地区の 湖南と比較すると、1978年の差は3.8元だったが、2004年は974元とな り、収入比は1:1.03から1:1.5と拡大した。さらに同じ西南地区に位 置 し、隣省でもある四川と比較すると、1978年は雲南の方が13.9元多かった が、2004年では四川が716元も多く、収入比は1:0.9が1:1.5と拡大 した。この雲南の農民平均収入の中で、家庭経済純収入・財産性収入・転移性収入 は、全国平均の各省市の収入とさほど差が無かったが、給料収入(勤めに出たり、出 稼ぎや副業等の現金収入)の差がかなり大きい事が判明した。2003年度の雲南省 の農民の一人当たりの給料平均収入は318元で、全国平均よりもなんと600元も 少なかった。また、上海・湖南・四川と比べると、それぞれ4933元、670元、 448元も少なく、これは統計記録のないチベット自治区を除くと、雲南は全国で下 から二番目に低い省となる。
第三の面は、省内での地区間の格差が更に 拡大した事だ。1978年の省内六大地域の農民平均純収入は、中部の昆明・玉 渓・ 曲靖・楚雄地区が123.5元、東北部の昭通地区が66元、東南部の紅河・文山地 区が70.5元、西南部の臨滄・思茅・西双版納地区が86元、西北部の迪慶・怒江 ・麗江地区が72.3元、西部の大理・保山・徳宏地区が88元で、中部が最も多 く、東北部が最も少なかった。その差は57.5元もあった。そして2004年度の 収入の最も多かった地区は玉渓で3009元、二番目が昆明で2909元だった。最 も少なかった地区は怒江で969元、二番目が昭通で1171元となり、その差は 2040元にも上った。

貧富の格差はこの国の宿痾のようなもの で、もともと貧しかった13億の人間が均等に豊かになるなど、とても不可能な事で す。すでに貴州省と上海市の1人当たりのGDPは十倍以上の開きが有ります。自由 な往来が出来、機会均等な社会であれば、大量移住が始まり、大混乱が発生するで しょうが、それをなんとか小規模に押さえているのは、旧来の社会主義的な社会制度 です。近代化、市場社会化の為には、これらの社会制度に手を付けざるを得ないので すが、手を付けるととんでもない動乱に見舞われるかもしれません。進むも地獄、引 くも地獄なのですが、それを何とかごまかして先送りする為に、中華思想と反日・民 族主義を煽っているのが現状なのでしょう。でも、かえってあまりにも日本を悪の帝 国に仕立て上げた為、日本がするはずもない土下座でもして悔い改めなければ、日中 友好を掲げることすら困難な情況に陥りつつあります。日本政府を牽制する為の靖国 カードが、いつのまにか中国政府を牽制する事が出来るカードにすり変わってしまっ たのは、記憶に新しいところです。日本を憎む事をいくら煽っても、日中関係が悪化 するだけで、経済的に良いことはまったくないでしょう。観光客は減り、日系企業は 東南アジア・インドに移転するだけなのですから。

(438)会澤県娜姑鎮白霧村が国家級歴 史文化名村に

9月14日の雲南日報によると、曲靖市会 澤市娜姑鎮白霧村が「国家級歴史文化名村」の称号を得る事が出来たそうです。
「中国万里京運第一村」(?)と讃えられ ている白霧村は悠久の歴史を誇り、文化遺産が豊富で、名所旧跡も多い。この娜姑鎮 の大部分の古建築はこの白霧村に集中しており、保存状態の良い古い民家も鎮全体で 約三千戸もあるそうだ。白霧村は明清時代に付近で銅を産出していたので、かなり栄 えていた。各省から銅の買付の為に、役人や特使、商人が派遣され、多くが常駐して いた。そして各地の出張所である「会館」が建設されたほか、祠堂や廟が十幾つも建 てられ、この村に開設された商号(商店を併せ持った流通業者)は150軒にも上っ た。現在でも、かつての面影を色濃く残しており、落ち着いた古い佇まいを垣間見る 事が出来るそうです。

かつて筆者もいい加減な新聞の紹介記事を 頼りに娜姑鎮に行った事が有ります。その記事には「古い村」の場所は娜姑鎮としか 記載されていなかったので、とりあえず県城からミニバスに乗って娜姑鎮政府の有る 街に行きました。しかし、その街は「古い村」ではありませんでした。その街で、こ の「古い村」を探して何人にも聞いたのですが、誰も知らず、要領を得ません。田舎 町ではほとんどの人が新聞なんか読んでいないし、有名な名所旧跡でもなければ、地 元の人でも知らないというのはよく有る事です。日曜日だったので、役所はしまって おり、警察がこの手の情報について意外と詳しいのは知っていますが、トラブルの元 にもなるのでパスしました。この鎮はかなり大きな盆地だったので、この盆地の中に は十幾つもの集落があり、その集落へ向かうバイクタクシーの溜まり場に行きまし た。そこで、色々と聞いてもらったのですが分からず、当時省政府から唯一この地で 名所旧跡に指定されていた、「雲龍村の古道跡」はどこかと聞いても、あっちだ、 こっちだと議論を始めて収拾がつきません。いいかげんうんざりしてきた時、ある若 い兄ちゃんが「その古い村にオレは行った事が有る」と言って来ました。この盆地で はなく、山の向こう側でかなり遠くだと言う事です。今考えるとみんなグルだった可 能性が高く、よそ者からボル為に一芝居うったようです。バイクの後ろに乗り、山を 越えて20キロほど走りましたが、村すらなく、やがて兄ちゃんは確かこの辺だと 思ったが見当たらないと言い出しました。「やられた」と思いましたが山の中なので 喧嘩も出来ず、取り敢えず戻れと言うと、「よく考えてみると雲龍村の古道跡は知っ ているのでそこに行くか」と聞いてきます。勿論、別料金でした。あまりにも月並み な手口ですが、5元という別料金の安さとそのセコさに呆れてOKしてしまいまし た。ところが、帰路の山中でバイクのタイヤがパンクするというアクシデントが発生 し、天罰だ、ザマー見ろと密かに喜んだのですが、さすがに中国人民、自分でパンク を直し空気を入れて30分位で修理してしまいました。そして出発地点から二キロ位 の、歩いても行けるような距離の村に有る、古道跡にようやく到着したのです。この 村は鎮政府所在地から北側にあり、「古い村」の白霧村は南側のかなり離れた位 置に あったようで、この日は結局「古い村」には到達できませんでした。今から考える と、この村の名前さえ分かっていれば行けたかもしれず、誠に残念です。まあ、この ような事は雲南ではしょっちゅうなので、諦めるしかありません。多分外国人が誰も 行った事がないであろう山の向こう側を、ドライブ出来て写真が撮れたのはラッキー だったと思ったほうが良いのかもしれません。

(439)鉛の粉の入った毒「冬虫夏草」発覚

9月15日の春城晩報より。貴重で高価な滋養強壮の漢方薬として著名な冬虫花草ですが、14日、昆明市官渡区消費者権益保護委員会が発布した第二号文書によると、昆明市菊花園漢方薬材市場において、この冬虫花草に金属粉が加えられて不当に重量 を増加させられていただけでなく、体に良いはずの薬が、人体を害する毒物に変えられて販売されていた事が発覚したそうです。
最近、菊花園漢方薬材市場の内外で、ある人達が市場に来た客や市場内の業者に向けて冬虫花草等の薬材を販売しようと働きかけていた。彼らは自らの冬虫花草が安い事をアピールし、有るときは市販の冬虫花草の1キロの価格の差額が、数千元から果 ては数万元にも達することもあったそうだ。その為、多くの消費者から疑いを抱かれたが、販売者の貧しそうで憐れをさそうその姿が、かえってその販売している冬虫花草の真実味を増すこととなった。彼らが言うには、冬虫花草は自分や家族が直接掘って取ってきたもので、その為に市場価格より大幅に安いのだと説明していた。それを聞いた多くの消費者はそれを信じ、その冬虫花草を購入する人は絶えなかったという。
そこで、工商局の係官が一般人に扮して彼らと接触し、検査目的で購入したところ、彼らが販売している冬虫花草は本物である事が判明した。よく見ても、薬材店で販売している正規の冬虫花草となんら変わりの無いものだった。しかし、彼らの冬虫花草の根の部分に、ある光る物質が発見された。そして、その根の部分は市販されているものと比べて太かった。そこで、続けて検査したところ、この冬虫花草の正体が判明した。これらの冬虫花草の価格が安いのは、根の中に鉛の粉等の金属物質が詰められて、重量 を重くしていた為であった。1キロの冬虫花草の根の中に鉛の粉等を入れると、重さが1.4〜1.6キロにもなった。だが、最も深刻な事はこの鉛等の粉が毒性を持っていることであった。この鉛やヒ素の重金属は、摂取する事の出来る基準値をはるかに突破しており(鉛は6倍、ヒ素は2倍)、人体に重大な危害が及ぶ恐れが有る。もしも購買者がこの冬虫花草を服用したら、治療や滋養強壮になるどころか、体に重大な損傷を与える事になるだろう。
この為、工商部門はこの有害な冬虫花草の危険性を発表すると同時に、消費者に向けて冬虫花草を購入する際に、路上の見知らぬ 業者から買ったり、出所不明の産品を購入したりしない事を呼びかけました。同時に、冬虫花草の根の部分に他の物質が混入している場合、正規のものより根が太くなっている事、数本の冬虫花草を手のひらに載せて重さを量 ってみると、正規のものより明確に重く感じる事も注意点として指摘した。そして、冬虫花草を陽にかざしてみて、根の部分に光る物質が見られれば、その冬虫花草は問題の有る物だといえるのだそうです。

(440)翡湖公園無料化の結果

9月23日の春城晩報、25日の昆明日報によると、市中心の著名な観光地でもある翠湖公園が2002年9月25日より無料開放されてから三年が経ち、多くの市民の憩いの場として賑わっているが、設備・環境の維持費の負担が重く、収入と支出のバランスが大幅に崩れて、大きな問題となっているようです。
公園は一つの社会施設で、先進国では基本的に無料で開放されており、近年、中国でも無料開放される公園・社会施設が増加している。昆明市も2002年の国慶節ゴールデンウィークにあわせて、翠湖公園や茶花公園等の幾つかの公園が無料化された。現在、これらの公園には年間700万人もの入場者が有るという。この無料化から三年が経ち、その公園の中で最も入場者が多く面 積も広い翠湖公園では、深刻な財政危機に直面している。
翠湖公園は毎日平均2万人の入場者があり、これは無料前と比べると10倍にもなる。ピークの際には1日の入場者が10万人にも達する事もあり、入場者の約80%は昆明市以外から来た観光客だが、無料化前は国内外の観光客の比率は40%程度だった。この入場者のほとんどは公園を楽しむ為や見学に来場した人だが、一部の公徳心のない人もいて、草花を摘んだり、木の枝を折ったり、施設を破損させたりして、公園の環境に対して悪意の有る破壊行為が繰り返された。この為、公園の施設と緑地への被害は深刻なものとなっていった。
例えばトイレについて見てみると、無料開放後、入場者が増えたので、増改築を繰り返したが、それは根本的な解決にはならなかった。それは、ただでさえ利用者が多い上に、公園の周囲にある有料トイレ(昆明では自宅にトイレがなくて公共トイレを利用する人が多い。現在の市内の公共トイレはほとんどが有料となっている)の利用者まで、この無料のトイレを使うようになり、とても管理・保全が追いつかず、容量 を越す利用者と一部の不届き者の為、設備の破壊が進み、水・電気設備の補修費用だけでも年間100万元にも上るのだという。
また、公園内のライトアップの為に多くのお金を市が注ぎ込んだが、電気設備の盗難が絶えず、24時間体制の警備をせざるを得なくなり、これでまた費用がかさむ事となったが、夜間の盗難は絶えないそうだ。公園側の発表によると、2002年9月から2003年にかけて、園内の警備員は4人から55人にまで増加した。現在は経費削減の為、44人に減らされているが、それでも無料化前よりも11倍の人数となる。清掃員は現在45名で、無料化前の約4倍となっている。
翠湖公園を無料化して3年の間に、市政府は約3000万元の設備費を投入しており、主管部門の市園林局も内部資金を注入して援助していた。しかしながら、入場者の爆発的増加により、これらの財政の支えでは、どうにもならない情況に陥ってしまった。2003年度を例に取ると、政府支出の500万元と、遊覧船・娯楽施設の経営収入の140万元余り、店舗のテナント料の約100万元を合わせると、740万元余りの収入が有ったが、支出は800万元余りにも上り、大きな負債を抱える事となった。
このような情況に対し、省政治協商委員会委員の伊紹亭は「翠湖公園の無料開放は必要だし、公園の保護も必要だ。最も望ましいのは国外のやり方を学ぶ事で、経済的手法でもって、ピーク時の入場人員規制を行う事だ。三大ゴールデンウィークや特殊な活動日、それに雪が降った日(昆明では雪景色が珍しいので、雪が降ると公園に沢山の人がやって来る)等は有料にするのが望ましい」と提言しているそうです。

翠湖公園は歴史有る庭園で著名な観光地でもあるので、市民公園とは違い、維持費が桁違いに必要です。市民の憩いの場として、見栄を張って無料化したけれど、案の定、予想以上の赤字が膨らんだと言う事ですね。これでは、観光地としての価値も下がるばかりです。おそらく市の中心部には公園がここ一つしか無かったので、しかたなく、ここを市民公園として開放したのでしょう。でも、現在は園通 動物園が郊外に移転して跡地が無料の公園となっており、翠湖公園は有料に戻したほうが良いかと思われます。

(いわざわ)


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