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いわざわ雲南通信舎

中国雲南省に詳しい、いわざわ氏によるホットな雲南情報。
2005年7月28日、第85報!!


第85報(2005年7月28日)


(421)雲南イスラム市場にマレーシア 商人が着目

6月3日の新華社ネット雲南版によると、 雲南省で初のマレーシア商業貿易博覧会を開催する為に、マレーシア企業開発協力省 の大臣を中心とする政府代表団と企業家代表が、2日、昆明に到着したそうです。
この商業貿易博覧会には35社のマレーシ ア企業が参加し、その企業の業種は紡績・化粧品・医療と食品産業ですが、その内、 食品産業が17社も占めていたそうです。
そして、これらの企業が関心を持ち、狙い を定めているのは雲南のイスラム教徒の市場のようです。 雲南のイスラム教協会によると、雲南省に は現在およそ60万人ものイスラム教徒がおり、その中のほとんどは貧困層から脱し ており、比較的豊かな層も多く、市場としても十分に可能性の有るものだと見られて いる(雲南のイスラム教徒はほとんどが回族で、農業が主な他の少数民族と違って、 商業や流通業に従事する者が多く、比較的教育程度が高く裕福な層が多いと言われて いる)。
マレーシア企業開発協力省のモハメド大臣 によると、「マレーシアと中国、とりわけ雲南との経済交流は、インフラ・観光・工 業の領域に限定されていたが、飲食業や食品業等、更に広い領域へと拡大していくべ きです。昆明とマレーシアは距離的にも近く、ここは多くのイスラム教徒の人口を抱 えており、そして、幾つかの魅力的な観光地もあるので投資には有望な地域」なのだ そうです。
中国商務省の統計によると、2004年度 のマレーシアの中国への直接投資項目は352件、投資金額は13億米ドルで、前年 度より35%増だった。そして、これまでのマレーシアからの投資項目の総計は 3200件余りで、投資総額は35億米ドルにも上るそうだ。
これについてモハメド大臣は、「中国とマ レーシア間の貿易は発展しているが、マレーシアと雲南間の貿易額は全体の0.8% にしかすぎない。今回、昆明で開催される商業貿易博覧会は、マレーシアと雲南の関 係がいっそう緊密に発展していくことへの試みの一つであり、マレーシアの商品が雲 南で広まるのと同時に、雲南のイスラム商品がマレーシアや全世界のイスラム教徒に 広まるのを手助けしたい。また、中国とマレーシアは多くの領域で協力が可能です。 例えば、観光・電子・医療・エネルギー・ゴム・食品工業等です。そして中国の農業 ・機械・タバコ・生物等の、マレーシアより進んでいる領域にはマレーシアも魅力を 感じております」と語ったそうです。

「牛臭い中華料理」のイメージが強い雲南 イスラム料理ですが、マレーシアとの交流により、よりスパイシーで多彩 なものにな ることを期待します。マレーシアを旅行していて何が一番有り難いかというと、食事 のチョイスが豊富な事ではないでしょうか。スパイシーなマレーシア料理に、人口の 三割を占める華人の中華料理、そしてインド移民達のインド料理と、バリエーション に事欠きません。特に日本人にとっては中華とカレーは準和食ともいえるほどなの で、たとえマレーシア料理が口に合わなくても心配なく旅が出来ます。それにマレー シアの中華(主に福建・広東料理)は結構美味しい方だと思います。

(422)図書館に人がいないとんでもな い理由

6月17日の昆明日報によると、一週間に 及ぶ「2005年昆明地区図書館サービス宣伝週間」が6月5日に閉幕した。今年の 宣伝週間のテーマは「共に文化資源を享受し、調和した社会を建設しよう」で、雲南 省図書館と昆明の各種図書館では、この宣伝活動期間中に様々な市民に対する広報活 動が行われたそうです。しかし、宣伝員から多くの人がパンフレットを受け取り、中 には様々な質問も受けたが、パンフレットのほとんどはそのままゴミ箱行きとなり、 関心を持たれることはなかった。このように、市民にとって図書館は依然として興味 のない存在のようです。
この原因について、雲南省図書館前を通る 青年に記者が取材したところ、青年は反対にこう聞き返してきたそうです。「あなた は私にどうしてだという。だったら私もあなたに聞くが、図書館には何の為に行くん だ? 本を読む為? 本を借りる為? そんな事をする必要が有るのかい? 私は省 図書館や市図書館が存在する事は知っているし、そこには本が沢山有る事も知ってい る。でも図書館がいったい何の為にあるのか、どうやって使ったらよいのかは知らな いんだ。それなのに、私に図書館に行って何をしろと言うんだ!」と首を振りながら 語ったそうです。そこに傍らでこのインタビューを聞いていた若者が口をはさんでき た。「もしも、あなたが本を読みたいだけなのなら図書館は唯一の選択ではない。図 書館には古い本しかないが、最近の大型書店は普通の図書館よりも書籍が多いし、本 も新しい。それに本を買わなくても一日中立ち読みが出来るからだ(実際、多くの大 型書店内には沢山のイスが用意されていて、座って「立ち読み」が出来るようになっ ている)。
そして、記者が二十名近くの様々な年代の 人に取材したところ、得られた回答はほとんど同じで、みんな現在は図書館に行く必 要を感じないそうで、その理由は、今の図書館は利用するのに不便である事と、有料 であってはならない公共図書館が利用料を徴収している事が大きな原因だそうだ。
図書館の入り口にある「雲南省図書館貸し 出しカード効能一覧表」によると、定年退職証明書・老人優待証あるいは身体障害者 証明書を持っている者以外は、貸し出しカードの作成料20元と毎年15元の貸し出 しサービス料を払わなければならず、二級以上(一級がどのようなものかは不明)の 貸し出しカードの所持者は100〜500元の担保金を納めなければならないそうで す。この金額の幅は貸し出す書籍の種類や数量によって決定されるという。
今年、60歳になる王さんは中学生の頃か らの図書館の熱心な利用者だった。彼が言うには、「かつては学生証あるいは身分証 明書があれば無料で本が借りる事が出来たし、古書籍等の貴重図書であっても、勤め 先の紹介状が有れば閲覧する事が出来た。2003年に省図書館の新館が落成した後 に、貸し出しの使用料を徴収するようになったので、図書館に135元も払って二級 貸し出しカードを作成したが、それで借りる事が出来るのは中国語の現代の図書だけ で、外国語書籍と古書籍の閲覧室に入る事すらも出来ない」のだそうです。
昆明医学院の三人の学生が記者に語ったと ころによると、「試験の時期になるとクラスの多くの学生は省図書館の閲覧室に本を 持ち込んで勉強に行きます。試験の時期には毎月平均15日ほど図書館の閲覧室で勉 強しますが、15元を払って貸し出しカードを作成し、その上に本を借りたらまた沢 山のお金を支払わなければなりません。これでは、図書館は貸し本屋と変わらない」 のだそうです。
このような意見について省図書館の李友仁 館長が記者にこう答えたそうです。「図書館を正常に運営する為には、実際のところ 利用者から料金を徴収するしかないのです。2003年に省図書館の新館が落成して から、この新図書館に毎年必要な電気代と水道代は86万元にも上ります。しかし、 現在の財政事情の中では40万元しか予算を割り振る事が出来ないのです。だから、 現在は全館で四基あるエレベーターの内、二基しか稼動させていないのです。また、 雲南省図書館には224万冊の蔵書が有り、その中の40万冊近くが古書籍ですが、 これらを保存・修復する為に毎年約10万元の費用がかかります。同様に、これらの 費用も図書館自身が解決しなければならず、この為、新たな書籍の購入が遅れること となります。雲南省図書館の今年の予算の割り当てはたったの90万元しかなく、足 りない部分は自分たちで何とかするしかありません。省図書館は他の図書館に比べて もまだよい方で、この十年簡に一冊の本も購入できなかった図書館があるくらいなの です」。
公共図書館の総蔵書量に国民一人当たりの 公共図書館の蔵書量、そして国民一人当たりの年間読書量 は、その国の文化程度を測 る重要な物差しとなっている。1949年に発布された国連の「公共図書館宣言」に よると、「公共図書館は知識を得るための入り口であり、あらゆる人の為に無料で サービスを提供しなければならない」と書かれており、文化省も毎年5月の最後の一 週間を「図書館サービス宣伝週間」として、図書館のサービスについて広報活動を 行っている。これについて李館長は「公益性のある文化事業団体として、将来の発展 情勢を考慮しても、公共図書館は社会に対して無償で優良なサービスを行い、無料で 開放されるべきだ。このように予算が逼迫している中でも、省図書館は自ら集めてき た50万元で、図書館内に児童向けの閲覧室と盲人向けの閲覧室を開設した。そして 無料で児童や盲人に開放し(子供や障害者から金を取らなかった事が自慢になるので しょうか?)、そして10台のコンピュータを配置して児童の書籍検索作業に使える ようにした。目下のところ、省図書館は更にもう一歩、無料サービスの範囲を拡大す る事を検討しており、多くの農民や民工(出稼ぎ農民)、レイオフ中の労働者や若者 にも図書館に来てもらおうと努力しています」と語ったそうです。

まあ、図書館の予算が少なすぎるというの が根本的な問題なのですが、これを非難すると政府=党批判になってしまうので、こ ういう情けない現象を論って、市民から不満が上がっていることを政府=党に伝え、 政府=党に批判が行かぬようにして予算のアップを促すという、中国ならではの苦し い報道記事ですね。こんなとんでもない図書館を運営している館長に一言の批判もあ りませんし、謝罪ナシの居直りともいえる自画自賛話まで紹介しております。予算を 決めたのは政府なのだから館長には責任が無い、というのが中国でのデフォルトな考 え方なのでしょうが、こうやって誰も責任を取らない(取れない)システムそのもの が、社会主義の一番大きな弊害なのではと思います。
それにしても、省レベルの図書館の予算が 日本円で1300〜400万円だなんて、ちょっと凄い数字ですね。いかに文教予算 が少ないかがよく分かります。

(423)玉 蒙鉄道が9月から着工
    (*さんずいに真)

6月15日の雲南日報より。14日、昆明 鉄道局の関係者が明らかにしたところによると、*越鉄道(昆明−河口−ハノイ)の 旅客運送は安全の為、依然として停止状態が継続される事が決まり、また、玉 蒙(玉渓−蒙自)線が9月より着工される事となったそうです。
この玉蒙線は、昆玉(昆明−玉渓)線の玉渓南駅から南へ通海・建水を経て*越鉄道の蒙自駅に至る、全長142.9キロ、総 工費45億元、工期三年の標準軌の路線となります。また蒙自から*越鉄道のベトナ ム国境に隣接する河口駅に至る標準軌の線路も、同時に着工される予定です。
昆明とハノイを結ぶ*越鉄道の雲南部分で ある昆河線は、現在、安全上の問題で旅客運送が停止されているが、今の路線の設備 では安全問題を解決できない為、旅客運送の再開のめどはついておらず、旅客運送を 再開するには新線の建設しか方法が無いそうです。しかし、新線は従来の昆明−宣良 −開遠−蒙自−河口の路線ではなく、在来の昆玉線を延長して蒙自まで繋ぎ、そこか ら河口に至る路線となるようです。

(424)昌寧県党書記が殺人で逮捕

6月19日の新華社ネットより。記者の秦 晴・王研が雲南省保山市共産党紀律委員会で確認したところによると、保山市昌寧県 党委員会書記楊国矍が故意殺人罪により免職となり、現在公安局に刑事拘留されてい るそうです。
保山市党紀律委員会の楊明佑書記による と、「楊はある女性と不道徳な関係となり、6月14日の夜、二人の間に争いが起 き、楊が相手の女性を殴り殺した。16日の夜8時、楊は保山市公安局に自首をし た。そして即時に党書記の職務を解かれ、刑事拘留となった」のだという。現在取調 べ中で、事件の詳細はまだ発表がないようです。

党の県委員会書記というのは、その県のナ ンバー1ということで、県知事よりも立場が上です(一般に県知事は党委副書記を兼 任することが多い)。そのような党のリーダーが下世話な痴話喧嘩で殺人を犯し(事 実かどうかは別としてそのように発表された事が問題)、犯行からわずか5日、逮捕 から3日で公表されるのは、この国ではかなりの異例だといえるでしょう。自首した というのもなんだか不自然ですが、党書記の権力をもってすれば、事件の揉み消し だって十分可能ですし、もっと傷の浅いかたちで事件を処理することなど簡単(とい うか当たり前の事)だったと思われます。党の指導者として、こんな不名誉なかたち のままで公表されるのは、何か別の事情が有るのではと、へそまがりの筆者としては 何かと勘ぐりたくなるような記事です。

(425)安楚高速道路開通 !
     [*はつちへんに覇、♯は左が孟、右が力、♭は上が敢(厳密には左上のエの部分がユとなる)、下が心]

6月27日の新華社ネット雲南版によると、建 設が進められていた安楚高速道路(安寧−楚雄)が27日に開通するそうです。
この開通により、雲南省内の高速道路の総 距離は約1400キロとなり、安楚・楚大(楚雄−大理)・大保(大理−保山)の三 つの高速道路が一本に繋がった。これで、昆明郊外の安寧から保山までの約470キ ロにわたる高速道路が全線開通することとなり、昆明から大理までは約4時間、保山 までは約6時間で行けるようになった。そして、昆明から麗江・シャングリラや徳宏 等への移動も、早く便利で快適なものとなっただけでなく、この地域の経済発展に大 きく貢献するものと期待されているそうだ。
この安楚高速道路は安寧市和平村から楚雄 市達連*までの129.93キロで、2003年2月に着工され、総工費38.5億 元を投じて建設された。この道路は国道の主要幹線であるCZ65(上海−瑞麗)の 雲南省内の重要な一部分となる。完成したこの高速道路は片道三車線で、橋梁が 299、トンネルが12、立体交差が9ヵ所有るという。
雲南省交通庁の責任者によると、「今年、 雲南省ではさらに200億元を投じて、羅村口−富寧・蒙自−新街・小#養−磨♭・ 永仁−元謀・元謀−武定の五本の高速道路を建設しており、これらの高速道路の総距 離は500キロ近くに達し、2007年中には全て開通する予定」なのだそうです。

後日の報道によりますと、昆明−大理の高 速バスの利用者が増え、増便されているようです。安寧−楚雄間の工事は、多くを旧 自動車専用道路の拡張によって建設された為、着工からこれまで、徐行や迂回を強い られて運行に大きな影響が出ていました。かつての自動車専用道路(安寧−楚雄)と 高速道路(楚雄−大理)では5時間余りで大理に行けたのですが、工事が始まってか らは6時間から7時間もかかり、汽車とそんなに変わらないスピードとなってしまっ たのです。しかも運賃が汽車の場合は大幅に安い事もあって、高速バス利用者は激減 していました。これからは、これまた工事のおかげで乗客が増えていた航空便との客 の取り合いが始まりそうですね。それにしても4時間ですか。80年代には11〜 12時間かかるのが普通でした。87年に初めて大理に行った時、帰りは大理朝7時 発で途中に交通事故や故障等があり、昆明に到着したのが夜中の2時を過ぎていまし た。当時唯一ドミトリーが有った昆明飯店に行くと満員で、しかたなく従業員の勧め により広いロビーの大理石の床の上で寝た事が(親切な事に毛布まで貸してくれ た)、今では懐かしい思い出です。現在では有りえないことでしょうけど、外国人旅 行者に対しては、そんな牧歌的な時代があったのです。

(いわざわ)


第84報(2005年6月26日)



(416)今年の五月ゴールデンウィーク

5月9日の新華社ネット雲南版によると、 今年の雲南の五月ゴールデンウィークは、相変わらずの観光ブーム(バブル?)のお かげで、賑やかな連休となったそうです。雲南省では、この連休7日間で延べ 315.5万人の人出があり、昨年同期よりも14%増だった。その内、省内で宿泊 した観光客は延べ107.75万人で、昨年同期より16%増となり、日帰り観光客 は207.65万人で13%増だった。そして、今期の観光総収入は11.55億元 となり、昨年同期より16%近くの増加でした。
五月ゴールデンウィークにおいて雲南で最 も多くの人々が詰め掛けた観光地は、玉 渓市澄江県にある撫仙湖で、7日間で延べ 11.98万人もの人が訪れた。その他に人出が多かった人気観光地は、石林・世博 園(旧花博会場)・雲南民族村・麗江玉龍雪山の順番だったという。
5月9日の昆明日報によると、五月ゴール デンウィークの昆明での国内観光客数は延べ83.51万人で昨年同期より28%増 (なぜか国内観光客のみの数字で外国人観光客の数字はナシ。外国人を加えると増加 率が下がる為か?)、観光総収入は3.2億元で11.79%の増加でした。人出が 最も多かった観光地は世博園で延べ8.44万人、続いて石林風景区が延べ6.78 万人、雲南民族村が延べ5.22万人、九郷が延べ2.70万人だったそうです。
今年の五月の連休の特徴は、昆明市のホテ ルの宿泊客が大幅に増加した事、日帰り観光客が増え、近距離の旅行が増加して一人 一日当たりの消費支出額が減少した事、そして観光地の入場料収入も低下した事で す。昆明で宿泊した観光客の1日当たりの消費支出額は609.18元で、昨年同期 よりも11.38%も下がった。また、観光客の滞在日数も平均2.17日となり、 過去の全てのゴールデンウィークの中で最低となった。
5月9日の春城晩報によると、このような 傾向は、昆明市がこれまでの観光目的地から、他の雲南の観光地への中継地点へと変 化しつつあるのではないか、と分析していました。

(417)雲南に中国で初の抗日戦争博物 館?
    (*はさんずいに真)

5月20日の昆明日報によると、中国で初 めての(?)抗日戦争博物館が7月7日、保山市騰衝県の和順鎮で開館するそうで す。
5月29日、柏聯集団は自らが投資した* 緬(雲南とミャンマーの意)抗戦博物館が、7月7日の盧溝橋事件記念日に開館する 事を発表した。この博物館は中国初の民間の出資により建設され、民間の収蔵物を展 示するもので、抗日戦争を主題とした博物館となる。そして、ここは中国の愛国主義 教育の基地となり、*緬抗日戦争史の研究及び情報センターにもなるという。また、 この開館は、雲南省の今年予定されている抗日戦争勝利60周年記念活動に、新たに 追加された大きな一頁となるそうです。
この博物館は中国遠征軍20集団軍の騰衝 県(当時は騰越県)の和順鎮(当時は和順郷)司令部として使用された建物を改装し たものだ。展示される物品のほとんどは地元の段氏の収蔵品で、この十余年の間に収 集された(最近になってから収集を始めたようです)三千点以上の抗日戦遺物と1千 枚もの古い写真だそうです。この遺物の中で千点以上が日本軍のもので、約800点 が米軍の、1500点以上が中国遠征軍(米軍の指揮下にあった重慶国民政府の軍 隊)のものだった。
展示されるのは日本軍の錆びた鉄兜や銃・ 軍刀、「日本のファシストが中国民衆を虐殺するのに使用した」大鋸や折り畳み鋸 (?)、「劇毒」と表示された毒ガス弾、防毒マスク、細菌培養器(シャーレのこと か?)等だ。それから「大日本帝国陸地測量部」によって作成された、南京・武昌等 の五枚の地図も展示されるのだという(?)。
この抗戦博物館の館章は、当時の米軍兵が *西戦場で用いた砲弾の破片で作成された、鳩の図案だそうです。これは中国軍と米 軍が肩を並べて「ファシスト」と戦った証として作成されたのだという。
この*西戦役については(389)でも紹 介しましたが、騰衝は松山と並ぶ大激戦地で、日本軍初の「陸の玉 砕地」と呼ばれた ところです。和順は騰衝の郊外の村で、成功した華僑を多く輩出したので立派な家が 多く、そんなに破壊されなかったので(文革のときの破壊はすごかったらしいです が、家までは壊さなかったそうです)、現在は火山と並ぶ騰衝の観光の目玉 となって いる場所です。そんな観光地にわざわざ反日施設を作るのは、さすがプロパガンダの お得意な国ですね。でも。中国初の抗日戦争博物館だそうですが、全国各地にある抗 日記念館とどう違うのか理解しかねます。それも民間人がこの十数年に集めたガラク タ(失礼!)を展示して、博物館を名乗るのはいかがなものかと思いますが、これも 上から命じられた反日キャンペーンの一環で、地方政府の涙ぐましい実績作りなので しょう(一応民営を装ってはいますが)。それにしても、実証的な証拠の検討すら行 われていないのに、雲南で細菌戦が行われた事が既成の事実のように語られ、当時発 生した疫病が日本軍のせいにされています。雲南はこれまで比較的対日感情が悪くな い地域でしたが、このキャンペーンによりどう変わるのか、とても興味深いです。

(418)昆明−ダッカ線就航!

5月16日の春城晩報、25日の雲南日報 によると、5月18日、中国東方航空の北京−昆明−ダッカ線が正式に就航したそう です。この路線は中国とバングラディシュが1980年に航空運輸協定を締結して以 来、両国間における初めての直行便となる。
中国とバングラディシュの間には航空運輸 協定があったが、この両国間には直行便は運行されていなかった。今年の4月、温家 宝首相がバングラディシュを正式訪問した際に、双方の交通領域の関係を強化する事 が確認され、今回の直行便の運行が決定されたそうである。
この便は北京から昆明を経てダッカまでの 3545キロの路線で、飛行時間は5時間半、月・水・土の週三便の運行となる。タ イムテーブルは北京を10:50分発、昆明に14:40分着、昆明を15:30 発、ダッカ到着は北京時間の17:40分となる。帰路は北京時間の18:40分 発、昆明に20:40分着、昆明を21:30分発、北京には深夜0:30分の到着 です。ちなみにダッカと北京の時差は2時間で、バングラディシュには80数社の中 国系企業が進出しており、今年は両国の国交樹立30周年だそうです。
いくら観光バブルだといっても、バングラ に観光旅行へ行く人はほとんどいないでしょうし、進出企業も80数社ではビジネス ユースも少なそうです。パキスタンのように政府がらみの援助外交を活発化させて人 を送り込む予定なのかもしれませんが、どうみても完璧な政治路線ですよね。

(419)この二十五年来で最も深刻な旱 魃

5月26日の中国ラジオネットによると、 雲南ではこの25年間で最も深刻な旱魃に見舞われているそうです。そこで省政府 は、全省で600万人もの人員を緊急に動員し、1億500万元を投入して、人と家 畜の飲み水と、春の種まき・田植えの水を確保し、今年の食糧の増産と農民の収入の 保障を目標に、全力で旱魃対策事業を行っているようです。
雲南省では、この4月から高温と降雨量が 少なくなり、旱魃の被害が深刻となってきた。調べによると5月22日時点での被害 状況は、全省924の小型ダムが完全に干上がり、大・中型のダムでも大幅に貯水量 が減っている。また、幾つかの河川も干上がり、旱魃の為、農作物が影響を受けた地 域は1145万畝(一畝は666.7?)にも上り、被害を受けた農民 は365.91万人で、237.93万匹の家畜の飲み水が不足している。特に昆明 ・曲靖・楚雄の三州市のダムの貯水量の減少が顕著で深刻な問題となっており、全省 の稲の被害は59.3万畝、トウモロコシが340.5万畝、野菜が22.2万畝、 タバコが164.85万畝となっている。これは1980年以降の25年間で、最も 深刻な旱魃の被害を受けた一年になるのだという。目下のところ、この旱魃はまだ持 続しており、被害はさらに拡大している。
雲南省気象台台長の楊明氏が記者に語った ところによると、「4月1日より5月23日までの期間で、全省で累計降水量 が50 ミリに達しなかった県・市・区が73も有り、40の県市区では降水量 は25ミリに も満たなかった。これらは主に昆明・曲靖・楚雄・大理・麗江・迪慶の各州市だった。 降水量の最も少なかったのは大理市の賓川県で、たったの2.8ミリしか雨が降らな かった。全省の県市区の平均降水量は59.8ミリとなり、これは1980年以来の 同時期で、降水量が最も少ない年となった」のだそうです。また、5月1日から20 日にかけて、雲南省では春の種まき・田植えシーズンを迎えたが、35の県市区では 過去の同期より降水量が20〜60%少なく、82の県市区は60%以上、22の県 市区は90%以上も少なかった。特に雨量が少なかったのは弥渡・欄坪・通 海・昆明 で、同期の平均雨量より95%も少なかったという。昆明では5月1日から20日ま での雨量は16ミリで、これでは農業用水・工業用水が足らないだけでなく、人や家 畜の飲用水までも満足に供給出来ない状態だという。
5月27日の春城晩報によると、昆明地区 の旱魃はこの35年来で最も深刻なものとなっており、5月10日から27日までの 昆明市の平均気温は、この35年間で二番目に高い22.9℃となり、これは同期の 平均気温より3.5℃も高かった。5月14日の昆明の最高気温は29.9℃で、 1958年5月31日に記録した31.5℃の最高気温には及ばなかったが、この時 期の気温としては異常に高いものとなった。同時に5月の雨量はこの35年来で最も 少なく、昆明の雨季の平均開始時期は5月23日だが、いまだ始まる気配は無いそう である。

(420)定員19名のマイクロバスに 80名の小学生

5月27日の春城晩報によると、5月26 日の午前11時半頃、昆明市公安局交通警察四大隊(中国では警察と交通警察は別 組 織、消防も公安局の管轄となる)の警察官が牛街庄にて、一台の定員オーバーをして いたマイクロバスを摘発した。その定員19名のマイクロバスには、なんと80名の 4〜7歳の児童が押し込められていたのだそうです。現場にいた交通警察官は「どう やってこんなに沢山の子供達を車内に詰め込むことが出来たのか私には分からない。 しかも、その他に運転手と一人の教師までこの中にいたのですよ!」とあきれて語っ ていたという。
26日の午前11時半頃、交通警察官の曽 立と朱元は管轄地域である牛町庄をパトロールしていたところ、暑いのに窓を閉め 切った一台のマイクロバスがのろのろと走行しているのを発見した。一目で定員オー バーをしていると分かったので、停車を命じた。そしてドアを開けさせて中を覗きこ むと、小さい子供達が団子のようになって詰まっていたそうだ。なんと一つの座席に 4,5人が詰め込まれて座らされており、通路にもぎっしりと子供達が立っていたと いう。車内は異常なほど高温になっており、子供達の多くは汗びっしょりとなってい た。そして、子供達を一人ずつ車外に出したが、その数はなんと80名にも上った。
警察の調べによると、この子供達はすべて 昆明桃源学校の生徒で、4歳から7歳までの児童だった。マイクロバスはこの学校の スクールバスで、子供達は連絡を受けた桃源学校の教師が迎えに来て引き取られて いったそうだ。交通警察はこのマイクロバスを差し押さえたが、このバスは以前にも 定員オーバーで摘発されていた事が判明した。当時の処罰を受けた運転手は交代して いたが、これでこの学校が定員オーバーの常習犯である事も判明した。
交通警察の話によると、牛街庄地区にはこ の桃源学校のような私立学校が多く、それらのほとんどは付近に住んでいる民工と呼 ばれる出稼ぎ農民労働者の子弟の為の学校だそうだ(都市戸籍がない子供が街の公立 の幼稚園や小学校に通うのは難しく、出来ても費用を余分に負担しなければならな い。公立学校は貧しい民工の子弟にとって高嶺の花だ)。こういう私立学校では生徒 を多く獲得する為に、学校への送迎をセールスポイントにしているが、そのスクール バスは中古のマイクロバス一台というのがほとんどだという。そして支出を節約する 為に、一度に全ての生徒を乗せて送迎する事が多く、定員オーバーは日常茶飯事らし い。だから、それが見つからないように窓にスモークシールを貼って中を見えにくく しているのだ。このような定員オーバーのスクールバスと交通警察はまるで鬼ごっこ をしているようで、スクールバスは摘発から逃れる為に大通りを通行せず、運行も警 官の勤務明けを狙って(この国では夕食時には交通警官は一斉に街からいなくなる事 が多い)時間を遅くする事が多い。そして警官を見かけると、運転手は子供達に伏せ るように指示して外から定員オーバーを発見されないようにしていたのだという。
この牛街庄の貴昆路は通行量が多く、とり わけ大型トラックが多い為、道路状態は悪く、事故も多発していた。そういった事情 が有る為、交通警察は定員オーバーのスクールバスの摘発を何度も行って来た。しか し、学校側は摘発されても運転手を交代させるなどして違反を繰り返していた。問題 は学校の安全意識で、ピストン輸送をすれば解決する問題を、運転手の給料とガソリ ン代を節約する為、子供達の安全を犠牲にしてきたのだという。

(いわざわ)


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