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第77報(2004年10月5日)
(381)誘拐・人身売買撲滅行動の成果
8月11日の春城晩報より。 10日、省公安庁の報道官がマスコミに向けて発表した ところによると、全省で7月20日から誘拐・人身売買撲滅集中統一行動を実施して 以来、全省の公安機関が関係部門と連携して、あらゆる措置を取ってこの課題に挑戦 したが、その結果、昆明市の誘拐・人身売買犯罪に効果的な打撃を加え、一定程度の 成果を上げる事が出来たそうです。
資料によると、2000年以来、全省の公安機関が取り扱った誘拐・人身売買事件は2646 件で、取り締まった犯罪組織は648団体、逮捕者は6196名、救出した婦人・児童は 4765名でした。
今年の4月から7月まで、省公安庁が昆明市・昭通市・曲靖市・玉渓市・紅河ハニ族イ 族自治州・文山チワン族ミャオ族自治州の6つの州市で、三ヶ月にも及ぶ誘拐・人身 売買事件の集中的な捜査活動が行われた。この取締りにより、51件の誘拐・人身売 買事件が解決され、29の犯罪集団が解体、219名を逮捕し、85名の婦人・児童が 救出された。これにより、ある程度の誘拐・人身売買組織の制圧に成功したといえる が、彼らの犯罪の手口は巧妙化して多彩で、活動も広範囲のものとなっており、雲南 省の貧困地区や経済発展が進んで人口の流動が多い地域では、児童失踪・誘拐・人身 売買がいまだに突出した問題であることに変わりは無い。
このような一部地域の深刻な情況に、7月16日、党省常務委員会・政法委員会の李 明朝書記が昆明市公安局において、この問題についての調査研究会を主催し、誘拐・ 人身売買犯罪を徹底的に撲滅する事を指示した。そして、昆明市公安局に対策本部を 置き、7月20日から国慶節(10月1日)まで、再び昆明市・昭通市・曲靖市・文 山州に捜査チームを組織し、「三つの百」(百名の捜査員で、百万元の捜査費用で、 百日間奮闘する)という体制で、捜査・取締りを開始した。
この誘拐・人身売買犯罪撲滅行動で省公安庁と昆明市公安局の合同捜査班は31名の 容疑者を逮捕し、広東省にて27名の誘拐された児童を救出した。そして、9月6日 に昆明市公安局員が、誘拐された児童の内の12名を家族の元に送り届けたそうで す。その他にも、昆明市公安局は昭通市公安局の協力の下、昭通市昭陽区で3人の容 疑者を逮捕し、会澤県でも11人が逮捕されました。
この誘拐・人身売買問題は雲南だけでなく、全国的な問題なのですが、貧しく警察の 目が届かない僻地の山村が多い雲南では、かなり深刻な問題のようです。子供は主に 労働力として、女性は売春か深刻な嫁不足の農家に売られる事が多いそうです。以 前、帰省中の女子大生が誘拐されて農家の嫁として安徽省かどこかへ売られて、何ヶ 月か経って救出されたニュースを見た事が有ります。雲南でも都市部にいる、子供の 花売りや物乞いは、売り飛ばされた児童がやらされている例が多いと聞きます。農村 では産児制限逃れの戸籍の無い子供が多く、そんな子供達が誘拐されたり親に売られ たりしているのも、この問題を複雑化させている大きな要因のようです。
(382)昆明市のエイズ感染者は1567人
8月25日の春城晩報によると、昆明市政府は現在のエイズ(HIV)感染者が1567 名にも達している事を明らかにし、エイズを有効に予防し蔓延を阻止する為に、「昆 明市予防制御エイズ病工作実施への意見」を提出、制定するそうです。
昆明市の感染者1567名は、ほとんどが青壮年で占められており、感染経路は、以前は 麻薬常用者の注射器の共同使用による感染が主だったが、現在は性交渉や母子感染 等、感染経路も多岐にわたるようになってきた。エイズは昆明市民にとって益々身近 なものとなって来ており、感染の可能性が高まって来ている。そこで昆明市は「昆明 市予防制御エイズ病工作実施への意見」を制定し、昆明市におけるエイズ予防・制御 の総体的な目標と作業目標等の一連の措置を取り決めた。
総体的な目標とは、エイズ蔓延を阻止し、感染率を下げる事です。主に売春婦・麻薬 ・ヤミ売血等の違法な犯罪活動を取り締まって感染経路を断ち、全ての住民にエイズ の予防知識を教育し、コンドームの使用を広く普及させ、麻薬常用者にメサドン治療 を施したり、清潔で安全な注射針を配布したりするそうです。そして、エイズ感染者 を思いやり、救助・治療に力を尽くす事が、昆明市での感染の蔓延を阻止し、感染率 を下げる事に繋がるという。
作業目標は全市民のエイズ知識の普及率を高める事です。本年度、在校学生・生徒の 麻薬及びエイズの予防知識の理解率は90%以上、警察官のエイズ予防知識理解率は 95%以上だった。そこで、来年度までに昆明市民のエイズ予防知識理解率を都市住 民だと75%以上、農村住民は45%以上を目指し、2008年までには都市住民の理解 率を85%以上、農村住民は55%以上、2010年には都市住民の理解率を95%、農 村住民は80%以上に引き上げていく計画のようです。
また具体的な措置として、売春・賭博・麻薬で摘発された娯楽・遊興施設は、一度摘 発されるとそのまま営業停止となり閉鎖となる、サドンデス方式を適応する。そし て、各級の公安機関に専用密告電話を設置し、一般市民から売春・賭博・麻薬の情報 を受け付ける。更に、売春に対しては、大きな打撃を加える為、市・県・区の公安部 門は年に二回(?)、総力を上げて摘発活動を行う事等の措置が取られるそうです。
(383)五年以内に高速道路網を東南アジアまで延長
[*は左が孟、右が力。#は上が敢(厳密には左上のエの部分がユとな る)、下が心]8月31日の昆明日報によると、雲南省の交通 網を更に発展させる為に作成された 「四通工程」計画の具体的な内容が明らかにされたそうです。この計画によると、5 年以内に昆明から省内各市・地区・州政府所在地に向かう全ての道路を高級公路(高 速道路又は自動車専用道路)化することが主目標となる。それと同時に、昆明からベ トナム・ミャンマー・ラオスと四川省・貴州省・広西チワン族自治区に向かう主要道 路も、全て高級公路化する計画のようだ。この交通網が完成した暁には、昆明は中国 西南部の中心的な交通の要衝となるそうです。
この「四通工程」は、通道工程・通高工程・通暢工程・通達工程の四つの工程を指す そうです。「通道工程」とは、道路を通す事を示し、2007年末までに国道の主要幹線 道路と西部大開発の為に必要な道路を、建設し完成させる任務の事です。本年度に認 可された羅富(羅平−富源)・富鶏(富寧−鶏街)・鶏硯(鶏街−硯山)・蒙新(蒙 自−新現)・新河(新現−河口)・元武(元謀−武定)・永元(永仁−元謀)・小磨 (小*養−磨#)の8路線の準備作業を推し進め、全て年内に着工させる事を目標と する。昨年、建設認可が下りた水麻(水富−麻柳湾)・昭待(昭通−待補)・祥臨 (祥雲−臨滄)の3本の高速道路の各種準備作業を推し進め、作業速度を上げる事。 現在建設中の安楚(安寧−楚雄)・平鎖(平遠−鎖龍寺)・瀾臨(瀾滄江−臨滄)・ 思小(思茅−小*養)の重点道路の監督管理を高める事。そして、まだ認可されてい ない石林−竹園・竹園−蒙自・昆明北バイパス・曲靖−崇明・安普(安寧−普寧)公 路の審査作業を早く推し進める事。昨年開通した元磨(元江−磨黒)・昆石(昆明− 石林)・崇待(崇明−待補)の3本の高速道路に引き続き、今年も硯平(硯山−平 遠)・鶏石(鶏街−石屏)・通建(通海−建水)の3本の高速道路の完成を目指すそ うです。
「通高工程」とは高速道路を主とした高級公路を建設する事で、5年以内に昆明から 省内のすべての各市・地区・州政府所在地へ向かう道路を高級公路化します。そし て、ベトナム・ミャンマー・ラオスや四川省・貴州省・広西チワン族自治区への主要 道路も同じように高級公路化する計画です。
「通暢工程」は道路を走行しやすくする事で、5年以内に全省の郷鎮道路の未舗装を 無くします。目標として郷鎮道路4500キロを舗装化するそうですが、今年末までに全 省の郷鎮道路の65%を弾石道路(こぶし大の石を敷詰めた簡易舗装道路)かセメン ト舗装道路にする計画のようです。
「通達工程」は交通が不便な山村に道路を到達させる計画の事で、全省247の交通 の 不便な行政村の道路問題を解決するそうです。今年末までに、基本的に全省の村々に 公道が通る事を目標とします。
この「四通工程」が完成した暁には、雲南省の道路網は質的な飛躍を遂げ、国民経済 の全面的な発展に大きく貢献する事になるらしい。
高速道路網の整備は確かに便利になるし、観光や物流には大きく貢献するでしょう が、さして交通量の多くない地域に、こんな沢山の高速道路を作って、はたして採算 が取れるのでしょうか? 財政赤字はどこから補填するのでしょうか? 経済発展を 見込んでの将来への投資なのでしょうが、現在のようなガラガラの状態にどのくらい 耐えられるのか、とても興味が有ります。
(384)雲南からタイへの野菜陸路輸送路線が開通
9月13日の新華社ネット雲南版によると、近日(?)中国・タイ両国が農産品関税 免除となって初の農産品の陸路輸送が行われ、6台の冷蔵コンテナ輸送トラックが雲 南からタイに到着したそうです。
この陸路輸送路線は西双版納タイ族自治州の景洪市から国境の街の打洛を通ってミャ ンマーに入り、チャイントォンを経由してタイ国境のタチレクへ、そしてタイのメー サイに至る、全長250キロのルートで、所要時間は約8時間だそうです。輸出された 農産物は高級野菜と果物で、カイランサイ・セロリやリンゴ・ブドウ・ナシ等が104ト ン運ばれました。
関係者によると、これまで中国・タイ間の貿易は、空路を除けば瀾滄江−メコン川を 利用した水路輸送のみだった。冷蔵車による陸路輸送はスピードアップによる時間短 縮で、野菜・果物の品質低下を最小限に止める事が出来るので、中国・タイ間の農産 物の輸出入の大きな推進力となるだろうと期待されているそうです。また、瀾滄江− メコン川国際輸送路線の補完システムとしても有効な役割を占める事が出来るようで す。
この陸路輸送はかねてより計画が有ったのですが、ミャンマーのシャン州、特に国境 地帯の治安が良くない為、なかなか実現しませんでした。景洪からメーサイまで8時 間で行けるのなら、観光バスを運行すれば人気路線となるのは確実ですが、現在の ミャンマーの政治状況からみても、治安が劇的に安定する事は有り得そうにないの で、まだまだ実現は困難でしょうね。
(385)こんどは時速120キロ突破
(380)で紹介した8月4日の雲南鉄道史上初の時速100キロ突破ですが、今度は 時速120キロ突破に成功したそうです。
9月20日の新華社ネット雲南版より。昆明鉄路局の発表によると、鉄路局が1500万 元を投資して行った、管轄区内の成昆(成都−昆明)・貴昆(貴陽−昆明)・南昆 (南寧−昆明)の三大主要幹線のスピードアップ化の為の改修工事が完成し、これに より時速120キロの雲南最高時速を記録したそうです。
8月中旬、貴昆線の昆明−宣威区間186キロの線路の改修工事が完成し、列車の牽引 試験運転が行われた。その過程で最高時速120キロを記録し、雲南での鉄道史上最高 速度となったそうです。南昆線も、昨年から今年の9月まで重点的に線路の改修工事 と防災工事を行いましたが、その内、咸舎−紅果と咸舎−石林区間にかけてスピード アップ化の為の改修工事が行われ、これにより全線の平均速度が、以前の時速78キ ロから85キロへとアップしました。
貴昆線は線路の改修工事終了後、上りが以前の平均時速72キロから84キロに、下 りが以前の平均時速73キロから時速84キロと早くなりました。
このスピードアップ化により、列車の運行時間が短縮出来るだけでなく、物資輸送量 も大幅な増加が期待できるようで、およそ1600万トンもの増加が見込まれているそう です。(いわざわ)
第76報(2004年9月6日)
(376)雲南省の高校進学率は28%
7月21日の春城晩報によると、雲南省教育庁が作成した省教育事業発展統計が発表 され、省の教育事業の改革と発展の中での成果は、機会と挑戦が並存したものとなっ ているそうです。
昨年度は、省共産党委員会、省政府の指導の下、全省の教育改革に新たな進展が有っ たようです。高校の学生数は昨年より7.69%増加し、進学率も0.7%上昇して28% を超えた。その内、普通高校の学生数が15.1%も増加した。また大学教育の発展も素 晴らしく、普通大学と成人大学(普通大学と違って年齢制限のない通信大学等の高等 教育機関)の在校生の合計は34.9万人で、昨年度より28.07%増となり、大学進学率 は2.86%増で11%を越えた。
統計結果によると、前述のような肯定的な成果とともに、雲南省における教育改革の 発展の中での幾つかの矛盾・問題点も明らかとなりました。主要なものは、中学生の 卒業率がずっと低下し続けている事、農村の中学校進学率は依然としてかなり低い 事、予算不足により小・中学校の危険な校舎が放置されている事、農村の小・中学校 の学校運営が財政的に困難な状態にある事等だそうです。
筆者は雲南省の高校進学率を知りたくて、色々と統計を探していたのですが、ようや く知る事が出来ました。以前は10%位だといわれていた高校進学率が、28%にも なっているのには驚きでしたが、90年頃には2%位だといわれた大学進学率が 11%までに伸びた事からも、この数年に飛躍的に増加したのでしょう。高校進学に 関しては地域格差が激しく、昆明市中心部だと90%近くの進学率らしいのですが、 地方だと一つの県に二、三校しか高校が無かったりして、大きな街に住んでいない と、進学が難しい地域が多いのが実情でした。(371)でも紹介しましたが、中学 はおろか、四年制小学校しかない山村が未だに多く残る雲南では、都市と山村の格差 は絶望的なほど開いてしまっているようです。
(377)今後十年の省内鉄道整備計画
[*はさんずいに真、#は上が敢(厳密には左上のエの部分がユとなる)、 下が心]8月2日の生活新報より。 中共雲南省委員会と省政府が提出した今後十年間の雲南鉄道整備計画によると、「五 箇所から雲南に入り、三箇所から出境する」という鉄道網を整備・建設していく事に なるそうです。また、これにより昆明駅はハルビンに次ぐ、内陸に有る鉄道国際駅と なるらしい。
長年の発展で、雲南の鉄道は基本的な骨格が出来上がった。2003年末の時点で、雲南 省の鉄道網は貴昆(貴陽−昆明)線、成昆(成都−昆明)線、南昆(南寧−昆明) 線、内昆(内江−昆明)線、昆玉(昆明−玉渓)線、広大(広通−大理)線の六つの 標準軌道線と、狭軌の昆河(昆明−河口−ハノイ)線を主体とし、三つの標準軌道支 線と狭軌の四つの支線で形成されている。しかしながら、西北部や西南部にはまった く鉄道がないという偏在性は克服出来ておらず、また、3200キロもの国境線を抱えて いるにもかかわらず、出境する国際路線は昆河線一本しかないのが現状である。
中共省委員会と省政府が10年以内に目指す「五箇所から雲南に入り、三箇所から出 境する」という鉄道ネットワーク形成とは、成昆線・内昆線・貴昆線・南昆線・*蔵 線(雲南区間)で四川・貴州・広西・チベットの四つの省・区から雲南に入り、昆河 線(汎アジア鉄道東線)・昆尚線(昆明−景洪−尚勇、汎アジア鉄道中線)・昆瑞線 (昆明−瑞麗、汎アジア鉄道西線)の三つの路線で東南アジア各国に出境するという 計画です。
建設計画によると、年内または来年の上半期に汎アジア鉄道東線の玉渓−蒙自区間の 建設工事を着工、2006年に汎アジア鉄道西線の大理−瑞麗区間の建設工事を着工、 2006年に成昆線の広通−昆明間の複線化工事を着工、2009年に広大線の複線化工事を 着工、2010年に汎アジア鉄道中線の玉渓南−磨#区間の建設工事を着工、2010年に成 昆線の広通−攀枝花間の複線化工事を着工、2015年に汎アジア鉄道東線の蒙自北−河 口北区間の建設工事を着工、2015年に*蔵線の麗江−シャングリラ区間の建設工事を 着工、となるようです。
以上の総建設費は約900億元となり、新たに敷設される線路は約1900キロで、これに より全省の鉄道総距離数は4千キロを越すことになる。その完成の暁には、昆明は東 南アジアと中国を結ぶ交通網の重要な起点となり、昆明から四つの国家の首都(ハノ イ・ビエンチャン・バンコク・ヤンゴン)に向けて直行便が走ることになるそうで す。
(378)上半期の昆明観光収入−減ったままの外国人観光客
(*はさんずいに真)8月8日の*池晨報によると、昆明市観光局が発表した今年上半期の昆明市の観光総 収入は66.87億元で2003年度同時期より36.1%増、2002年度より1.34%減となり、本 年度の予定目標の51.4%に達したそうです。
これにより、昆明市の観光業が昨年のSARS騒動の影響から立ち直り、昨年末に設 定した今年度の目標額を達成しつつある事が示されたようです。しかし、本年度上半 期(1月〜6月)の昆明市を訪れた外国人観光客数は延べ21.10万人で、2003年度よ り9.9%増となったが、2002年度と比べれば35.95%減となった。外国人観光客につい ては、回復傾向はまだ見られないようです。この上半期の観光外貨収入は5684.95万 米ドル、国内観光客数は延べ829.37万人、国内観光客収入は62.14億元でした。そし て、市内の新たな観光地開発は順調に進んでおり、28箇所の観光地への投資を外部 から誘致する事が出来たそうです。
下半期にも、新たな観光地の開発を推し進める予定で、市内を流れる盤龍江流域の開 発、フライングタイガー博物館建設や轎子雪山北部地区の開発の継続等が計画されて いる。そして、*池リゾート地区の草海生態公園や鄭和宝船(?)への投資誘致が重 点項目となるそうです。
また、昆明市は下半期に広州・香港・エジプト・インドにそれぞれ使節を派遣し、年 末には上海で開かれる2004年中国国際観光交易会に代表団を送り込み、内外の観光客 誘致に努める計画のようです。
(379)懲役12年と10万元の罰金刑を受けたニセ札大王の人生
8月9日の春城晩報によると、昨年曲靖市羅平県で発生した「8・18特大ニセ札事 件」の主犯の呉木渓被告に、記者が拘置所で面会してインタビューをしたそうです。
呉木渓は計314万8500元のニセ札を販売(中国でのニセ札犯罪は「生産者−幾層もの 卸し−使用実行犯」というシステムになっており、呉は中間卸売り業者だった)した が、昨年8月18日、呉からニセ札を仕入れた業者が貴州省との省境の曲靖市羅平県 にて逮捕され、この業者の自白によって昨年8月26日、広州にて逮捕された。呉は 逮捕された際にも200万4450元のニセ札を所持していたという。今年5月19日、曲靖 市中級人民法院にて、ニセ札を売買した罪で呉木渓に懲役12年と罰金10万元の判 決が下された。この中国ニセ札犯罪史上最高額のニセ札を販売した呉木渓は、「ニセ 札大王」と呼ばれた。そして、この31歳のニセ札大王は子供が5人もいるという事 も報道され、一人っ子政策下の庶民の関心を集めた。そこで、6月15日、記者は拘 置所にて呉に面会し、取材をしたそうです。
呉木渓は広東省恵来県東隴鎮四風管区後官村生まれで、家は貧しく先祖は代々非識字 者だった。呉は小さい頃から勉学に励み、成績も良かった。だが、貧しい両親は彼の 学業の為に借金を抱えてしまった。中学2年の15歳の時(貧しい農村部では就学年 齢がまちまちで15歳の小学生がいたりする事もある)、父母に「もうお金を借りな いでくれ。これ以上借金するなら、もう学校には行かない」と泣きながら訴えたそう だ。そして呉は学校を辞め、しばらくは父母の手伝いをしていたが、このままではど うしようもないと悟り、県城へ出稼ぎに向かった。そして建設現場の作業員の仕事に ありつき、ひと月働いて83元の給料を得る事が出来た。こうして15歳の呉は出稼 ぎ人生を開始した。その頃、広州市一帯は改革開放政策により中国では最も活気のあ る地域となっており、呉もその熱気に吸い寄せられるように広州市にやって来た。広 州では呉は衣料品を商う露天商となり、勤勉・節約に努めた為、収入も増えまずまず の生活を送れるようになって来た。
1990年の初め、卸売市場に商品を仕入れに行った際、同業者のA小姐と知り合った。 彼女も貧しい農村の出で、学校に行った事がなく字が書けなかった。同じような家庭 環境からか、二人は意気投合し、そして互いに愛し合うようになった。その後、二人 は田舎で結婚式を挙げ、広州に戻って来た。
呉の田舎は特別に男尊女卑の思想が根強く、呉もその影響を強く受けていた。結婚 後、呉は妻に「必ず男の子を二人生んでくれ」と要求した。1991年8月に長男が生ま れたが、その後は四人も続けて女の子が生まれ、「二人の息子」という願いが叶う前 に逮捕されてしまった。呉は拘置所で記者に、「私には二人の息子が必要だった。も しも、私が捕まらなかったら、妻に子供を生ませ続けただろう。私に二人目の息子が 授かるまで、8人だろうが10人だろうが生み続けただろう」と語ったそうです。五 人の子供の内、計画外出産となる三人目はコネとお金を使ってなんとかごまかす事が 出来たが、四人目と五人目は「黒戸」と呼ばれる無戸籍となってしまったという。 二人目の子供が生まれて後、妻は育児の為に無収入となり、家計は困窮してきたが、 呉は賭博によってこの事態を打開しようとした。勿論、勝てるわけはなく、負けが込 み、蓄えを使い果たしたどころか借金まで抱えてしまった。1996年に三人目の子供が 生まれた時、呉夫婦のサイフの中には一銭の現金も無かったそうだ。しかたなく、友 人に頼み込んで借金し、ようやく妻に産後の費用を渡す事が出来た。こんな状態の中 でも、昼間は一生懸命働くのだが、夜は賭博にのめり込む日々が続いた。こうして月 日が流れ、賭博を始めて三年目には10万元もの借金を抱えるまでになってしまっ た。
2002年の年頭、借金でにっちもさっちもいかなくなった呉は、事態を打開する為にニ セ札販売に手を出す事を決心した。そして、ようやく3月にニセ札の元締めと接触す る事が出来た。この男は数百万、数千万のニセ札を取り扱っているこの業界のボス で、非常に用心深く、携帯電話でしか連絡が取れず、しかも頻繁に電話番号を変え、 決して人前には現れなかった。呉はこの人物からまず数万元のニセ札を買い、少しば かり儲ける事が出来た。そして数ヵ月後、呉は「雲南大兄」と称する雲南人と知り 合った。ボスに習って二人は本名を名乗らず、渾名だけで連絡を取り合い、2002年の 4月に3千元、7月に3.2万元、8月に6万元、11月に15万元の四回、ニセ札を 売買したという。昨年も3回に分けて合計120万元のニセ札を取引した。昨年8月 16日、雲南大兄は広州に来て100万元のニセ札を買いたいと申し出た。その頃、す でに雲南大兄に絶対的な信頼をよせていた呉は、114万数千元ものニセ札を売った。 しかし雲南大兄は雲南に戻る際、羅平県で検問に引っかかり逮捕されてしまった。そ して取調べで、このニセ札の出所を自白してしまい、呉の連絡先も白状してしまっ た。
この全国最大のニセ札事件の発覚に、公安部の指導の下、羅平県の公安と検察の合同 捜査班は広州に向かった。そして、8月26日、進来発ホテルにおいてニセ札を販売 しようとした呉を現行犯逮捕し、所持していた1999年版の百元のニセ札9998枚と1999 年版の五十元のニセ札20万930枚の合計200万4450元分を押収した。
この案件が法廷で審理に入った後、呉は素直に供述を始め、司法に協力をしたそうで す。一審ではニセ札114万4050元を販売したとして、ニセ札販売罪で懲役12年、罰 金10万元の判決を言い渡された。判決を受けた呉は2審に控訴せず、刑に服する事 を表明した。
呉は拘置所でのインタビューで過去を振り返った後、自分の愚かさと賭博の危険性を 訴え、一日も早く刑務所での「思想改造」に励む事を表明した。そして「早く出所し て、借金を返し、妻や子供と幸せに暮らしたい」と抱負を語り、「二人目の息子は諦 めた」そうです。
中国での犯罪報道はほとんど全てが勧善懲悪物語で、よほどの大事件で無い限り、犯 人が逮捕されるまで事件としての報道は有りません。犯罪が起きてそれを取り締まれ ないのが国家の責任となるのなら、解決した犯罪事件しか語らないというのがこの国 の作風となってしまい、それは社会秩序がうまく維持されているという証拠を誇示す るためでもあります。そして捕まった犯罪者は必ず後悔・反省し、国の「思想改造」 を受け入れるというステロタイプしか存在出来ないというのも(少なくとも紙面 上に おいて)、このような記事がプロパガンダでしかないという証左となるでしょう。ま あ、こういう記事に協力する事で減刑になるのですから、協力しないわけはないので すが、被告が何を語ろうが同じような記事となるのは必至なので(誰も検証するはず がないから)、インタビューで何が語られたかは結局のところ「藪の中」という事に なります。
(380)雲南鉄道史上初の時速百キロ突破!
8月12日の新華社ネット雲南版より。
昆明鉄路局の発表によると、改修工事が終了した貴昆線(貴陽−昆明)での牽引速度 試験で、最高時速101キロという雲南鉄道史上最高の速度を記録したそうです。
雲貴高原の中にある昆明鉄路局管区では、線路のほとんどが山岳地帯に有り、カーブ も多くなかなかスピードを出せる環境には無かった。全国で進められている鉄道のス ピードアップ化ですが、雲南ではなかなか条件が整いませんでした。「雲南十八不思 議」の一つに、「鉄道は車より遅い」というのが有り、これがかつての雲南の現実で した。
雲南の経済発展が進行する中で、鉄道輸送能力と需要量の矛盾が益々突出してきた が、資源大省の雲南では物資輸送能力が直接経済発展速度に影響する事になる。この 為、昆明鉄路局はスピードアップへ様々な方策を練った。60年代に開通した貴昆線 は、もともと低い技術レベルで建設されたもので、改修の時期も6、7年過ぎてお り、カーブが多くて線路の磨耗が大きく、また輸送量の増大により施設全体の損傷が 深刻で、スピードアップは困難な情況にあった。そこで、昆明鉄路局は今年5月に貴 昆線のスピードアップ計画を取りまとめ、工務部門が即座に大規模改修工事を開始し た。この改修工事が完成した後の8月4日に、鉄路局長等の幹部を乗せて牽引速度試 験運転を行った。試験区間の11ヶ所のスピードアップ地点を計画通りに走行し、全 行程を129分とかつての記録よりも21分も短縮する時間で走破する事が出来た。そ の中で、種田沖から金馬村の区間で最高時速101キロを出し、雲南鉄道史上の最高ス ピードを記録した。これは、以前の速度より26キロ、予定速度よりも11キロも増 加したという。
また、翌8月5日に行った、貨車の牽引速度試験運転でも、貨車の運航速度が84キ ロというこれまでの最高記録を達成したそうです。
(いわざわ)
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