第75報(2004年7月31日)
(371)農村でも優遇政策で一人っ子奨励
6月8日の中国青年報によると、6月より雲南省で農村における一人っ子(農村戸籍 者は原則として二人まで子供が生める)への優遇政策を全面的に開始したそうです。 この優遇政策はすでに41の県で試験的に行われており、その結果、約5万組の農民 夫婦が一人しか子供を作らない事を政府に届け出て、「一人っ子栄誉証」を受領した そうです。これは過去24年間に授与した累計数の2.2倍にもなり、省人口の増加を 抑制する為に大きな貢献となったようです。
この優遇政策は「雲南省農業人口一人っ子家庭奨励規定」により、「賞金・優先・免 除・補助」を柱としたもので、具体的な内容は以下のとおりです。賞金−「一人っ子 栄誉賞」を受領した夫婦は千元の賞金を受け取る事が出来る。優先−農村の一人っ子 が受験する際、一定の点数が加算され(ゲタを履かせる)、審査採用の際も優先的に 選ばれる特権を得る。免除−農村一人っ子の義務教育(一応義務教育は9年間となっ ていますが、学費は無料ではなく、四年制の小学校しか無かったり、中学校が無かっ たりする地区が多く、費用のかかる寄宿生活をしなければ義務教育すら受ける事の出 来ない山村が雲南省には多い)段階での学費を免除し、父母は子供が16歳になるま で、村の義務労働を免除される。補助−農村一人っ子の父母は60歳以降死ぬ まで、 政府から養老生活補助金を受け取る事が出来る。
雲南省人口計画生育委員会の張王明主任が記者に語ったところによると、「昨年末の 雲南省の人口は4375万人で、昨年度の出生者数は約80万人、その結果約50万人の 人口増加だった。出生率は全国平均より0.5%高く、出生した80万人の内、農村が 73万人も占めていた。また、貧困対策重点県で出生したのは49万人にも上った。 農村人口の増加は、人口素質の低下と貧困層の増大を招き、社会の安定を阻害するも のだ」そうです。
また、雲南省副省長の呉暁青氏は「農村人口の増加を防ぐ事は、社会・経済の発展に は不可欠だ。予測によると、この優遇政策を2020年まで実施し、40%の農村家庭が 一人っ子政策を受け入れると、全省でこれまでの人口計画によるよりは555万人もの 農業人口が減少し、耕地を444万畝(一畝は666.7?)、扶養にかかる費用を2664万元 も節約出来る事になる。国家と国民に利益をもたらすこの優遇政策を定着させる為 に、省政府は2.3億元を支出して資金的な保証をしている」と語った。
現在、全省ではすでに約12600名の小学生と約3千名の中学生が、この優遇政策によ り学費免除を受けており、少し点数が足りなかった学生もゲタを履かせて貰い、希望 する高校・大学に進学しているそうです。
しかし、ただでさえ男女の人口比率が116対100までに歪となっているのに、農村で一 人っ子政策が実施されれば、この傾向はもっと極端に男性人口の増加に振れるでしょ う。極端な嫁不足は十分な社会不安要因になると思いますが、その対策はあるので しょうか?
(372)ついに公用車購入を暫定的に禁止
6月17日の中国青年報によると、6月16日、中国共産党雲南省紀律検査委員会 は、本年度5ヶ月間の党・政府機関による公用車の超過基準購入について、厳格に調 査する為、四組の査察チームを全省16の地区・州・市に派遣したそうです。
2003年1月8日、中共雲南省紀律検査委員会は一号通知を出した。これは年度内にお いて全省の党・政府機関、政府が出資している事業体と赤字の国営企業は、公用車の 購入を禁止とし、2003年度を「ノーカーイヤー」とする事を指示したものです。この 通知は、各級の指導幹部に危機意識と責任感を持たせ、有限な予算を庶民の密接な問 題を解決する為に使うよう、指導する目的で出されたものだという。
この一号通知の禁止にもかかわらず、2003年末までに全省で規則違反して購入された 公用車は168台にも上ったが、ほとんどは鎮・郷レベルの末端の行政組織が購入した 低価格の公用車だった。2004年になると、「ノーカーイヤー」の終了とともに、この 反動が噴出し、各地で公用車の購入が爆発的に始まった。省紀律委員会の概算統計に よると、5月30日までに全省の党・政府機関・事業体が購入した超過標準の公用車 は255台で、金額にして1.26億元にも上った。この超過標準で購入された公用車の 内、167台は高価な四輪駆動車で、最も高いものは一台88万元もしたそうです。
雲南省貧困対策弁公室の最新資料によると、2003年末の段階で、雲南省の農民の年間 平均収入が全国平均(2470元・約3万5千円)の半分しかない県が55県もあり、全省 129県市区の43%にも上る。そして、年間平均収入が882元(約1万2千円)以下の 低収入人口がまだ687万人、637元(約9千円)以下の絶対貧困人口は257万人もい る。この中の80万人近くの特別貧困層は基本的な生活条件を失っており、30数万 戸、約150万人の住居環境は劣悪な環境にある。更に、少数の極貧の農民は衣食すら 足らず、基本的にこれを耐え忍ぶか、政府の援助によって生活を維持している。しか しながら、都市、地方を問わず、省内各地の党・政府機関の駐車場には、各メーカー の高価な四輪駆動車(雲南は道路事情が悪く、山間部では普通の乗用車では走行が困 難な道が多いので、必然的に高級公用車は四輪駆動車が多くなる)が並べられてお り、その価格は30〜40万元から70〜80万元にも上る。これは明らかに農村の 実態とかけ離れた浪費といえよう。また、この価格は中央と省の規定の標準を明らか に超過している。
中共中央弁公庁が5年前に出した「党政府機関の公用車購入標準規定」によると、省 ・部(部は日本の省に相当)級幹部の公用車は45万元以下、副省・部級幹部は35 万元以下、その他の公用車は25万元以下となっている。
2003年11月29日、「ノーカーイヤー」が終わった後、公用車の購入が増えるのを 見越して、中共雲南省委員会と省政府弁公庁は通知を出して、省級幹部用以外の公用 車はすべて25万元以下とし、大排気量の四輪駆動車の購入を厳格に規制した。だ が、この四輪駆動車の購入規制は価格や排気量の具体的な規定も無く、通知は有名無 実のものとなってしまった。多くの地方では財政赤字に陥っているにも関わらず、役 人たちは高級公用車購入の情熱を抑えることが出来ず、幹部役人達は先を争って4000 cc以上の高級四輪駆動車の購入に走った。その為、国民から批判が沸き起こり、省 政府は何度も標準を超過する公用車の購入を禁止する通達を出し続けたが、目立った 効果は表われなかった。
そして、6月14日に党省委員会は公用車検査処理工作会議を開き、冒頭に紹介した 四つの査察チームを全省に派遣して、徹底的に調査する事を決定した。
党省紀律検査委員会の陳方宏副書記が査察チームに語ったところによると、「目に余 るほど酷い人達がいる。ある幹部は一人で2〜3台の公用車を占有している。職場に 一台、自宅に一台、夜遊びに出る為にまた一台と。そんな金があれば、農村に幾つも の小学校を建てる事が出来るのに。大理市では14台の四輪駆動車を購入し、その価 格は900万元以上だった。その内、党市委員会と市政府が購入した2台の4700ccの トヨタの四輪駆動車は一台88.4万元もした。大理市の党・政府機関が今年の1〜5月 に購入した超過標準の公用車は50数台で、3千万元にも上る公費が浪費された」の だそうです。
6月27日の中国青年報によると、6月25日、雲南省省長徐榮凱を議長とする雲南 省政府19次常務会議において、ついに雲南省政府は7月より、公用車の購入を暫定 的に全面禁止とすることを決定したそうです。
まさに、「上に政策あれば、下に対策あり」ですね。役人達の際限の無い欲望をいか に押さえこむ事が出来るか、当局は難しい選択を迫られる事になりそうです。無謬で あるはずの「党」ゆえ、それを監視する組織が原理的に作れない以上、自らの自浄力 −良心にすがるしかないのが現状ですが、それはとても非現実的な解決方法だと言え るでしょう。
かつての雲南の四輪駆動車市場では三菱のパジェロが圧倒的なシェアを占めていたの で、四輪駆動車のことを、「三菱車」と呼んでいいました。今は他の地域と同じで 「野越車」ですが。
(373)東方航空雲南公司が貴州省で路線開発
6月19日の雲南テレビネットによると、東方航空雲南公司と貴州省黔西南州人民政 府との「航空運輸合作協議書」の調印式が6月18日に昆明で行われたそうです。
この協議書によると、双方は新たに建設された興義空港の航空路線の開発・運営を共 同して行う事になります。東方航空雲南公司は7月より、まず興義−昆明、興義−貴 陽線を開通させました。年内には興義−広州線を開通させ、後に上海、海口へと路線 を拡大させて行く方針のようです。そして、乗客数と経営状況を見極めて、適切な運 航回数を決定するが、一日の運航回数が二便を下回らないよう調整するのだそうで す。また、黔西南州人民政府は東方航空雲南公司に、一定の市場の良性循環を確保さ せる為に、優遇措置を行い、興義の航空市場を共同開発し、良好な経営状態に育てて いくよう協力していくそうです。
黔西南州興義市は雲南省、貴州省、広西チワン族自治区の三つの地域の結合部に位 置 する、少数民族が多く住む地域です。この地区は観光資源が豊富で、中国西南部にお ける有望で潜在力のある観光地だと期待されているそうです。興義市は雲南からだと 曲靖市羅平県・富源県の東側に位置し、省都の貴陽より昆明の方が近いので、以前か ら昆明−興義間の往来は盛んでした。お隣の羅平県が観光開発で成功しているので、 ここもうまくやれば成功しそうです。滝あり渓谷あり、石林や鍾乳洞もあり、桂林と 同じカルスト地形の山水画のような景色が広がる綺麗な所です。
(374)西双版納に受験移民が殺到
6月22日の春城晩報によると、僻地・少数民族地域への優遇措置を逆手にとって、 西双版納タイ族自治州に大量に受験生が移民し、有利な条件で(豊かな地域より点数 が低くても合格できる)大学受験を突破しようとしている事が明らかになったそうで す。特に、この地区の採用割り当て数のほとんどが「受験移民」に奪われて、地元の 受験生の大学進学が大きく阻害されている事が問題となっているようです。
6月16日、西双版納の大学受験生の父兄122名の連名で書かれた告発のファック スが、春城晩報に送られて来ました。内容は、近年、江西省や湖南省等の受験生が、 僻地で優遇措置のある西双版納州に大挙して移民してきており(中国では戸籍の移動 は厳しく制限されていますが、街から農村、特に辺境地域に戸籍移動するのは奨励さ れています)、現地の受験生の大学進学に深刻な打撃を与えていると訴えています。
6月17日、記者が西双版納に行き、この父兄に取材をしたところ、「彼ら受験移民 は、当地の合格者枠のほとんどを占め、地元の学生にとっては災難というしかない。 西双版納は元来、教育環境が劣り教育水準も低く、子供が大学に進学することは大変 な事でした。それは当地の子供達が賢くないと言うのでは有りません。子供達の大学 入学時の成績は確かにほとんどが良くないが、卒業時にはそこそこの成績を収めてい る事が多い。それは、教育水準の高い地域の子供達と比べても遜色の無い事の証明で す。大切な事は、彼らに機会を与えてやる事なのです。しかし、現在その機会すら奪 われつつあるのです。本当に残酷な話だ。もともと少ない雲南からの採用枠が、この ような他省の受験移民によって占められてしまうというのは、雲南省民にとっても大 きな損害です」」と語ったそうです。
6月18日午後、州教育局の李書記は記者の質問に答えて、「このような受験移民の 情況について、すでに専門家による調査チームを立ち上げて、調査を行っています。 残念ながら調査結果が出るまでは、この件についてはお話出来ません。この問題は雲 南省募集試験委員会が今年出した四号文書の規定に照らして処理をします」と語っ た。
この4号文書の規定とは、「各種の理由で本人の戸籍を雲南省に移転した受験生は、 雲南省の二級学院(民営大学といわれる私立大学と、既存の大学が民間の資金で作っ た学部を指し、各大学で独自の運営が出来る)のみを受験する事が出来る」という項 目だそうです。
地元の父兄によると、受験移民の総数は数百人にも達すると見られているようだが、 正確な数字を知る為には当局の調査結果を待つほかないようです。ただ、教育局の対 外統計に江西からきた受験生は107人という数字を見る事が出来る。
青龍学校は西双版納州景洪市の北部にある私立学校だが、公安局の情報だと今年は 65名の外省籍の受験生がいたそうです。学校の内情をよく知っている人によると、 「昨年、青龍学校は数十名の外省籍の受験生が在籍し、そのほとんど全てが大学に合 格した。その中には、重点大学合格者も少なからずいた。しかしながら、地元出身の 学生の合格者はたった一人だけで、それも専科学校(四年制の本科の大学と違い、三 年制の短期大学)だった」そうです。
また、共産党州紀律検査委員会に届いた告発文によると、「昨年、江西から来た40 数名の受験移民はすべて順調に進学する事が出来た。今年は100名を越す江西省永新 県の受験移民が景洪にきて、全国統一試験に参加しようとした。これらの受験生は江 西人の康某が組織して連れてきたものだ。彼は受験生の父兄から一人当たり3万元を 受け取り、西双版納に転入する手続きを請け負った。この康某は、戸籍移動手続きに 一人当たり5千元が必要で、学籍・卒業証明書が8千元、名前を借りた学校に支払う 金が8千元だと言っていた」という。
4月にこれらの受験移民は景洪でなぜかすんなり検査を通り、試験に備えて故郷に 帰っていった。彼らは5月25日頃、全国統一試験に参加する為、また景洪にやって 来た。しかしながら、この受験生達は様々な(?)要因で受験証を獲得する事が出来 ず、試験の三日前、青龍学校の65名の受験移民と40数名の父兄が、州教育局を訪 ねて受験証を発行する事を要求した。州教育局は受験証の発行は許可したが、あくま でも4号文書の規定どおり二級学院しか受験できない事を通知した。また、これらの 学生が西双版納で受験する事は認めたが、僻地の優遇措置を受ける事が出来ない旨も 伝えられた。
この後、受験移民の父兄達から様々な要求が州教育局に突きつけられたが、成果 は まったく得られず、17日には全員で故郷に帰ってしまったそうです。
この受験移民騒動を、州政府は深刻に受け止め、直ちに専門家による調査チームを作 り、事実関係や背後関係の調査を開始した。現在調査中なので、詳しい経緯はまだ非 公開となっているが、すでに、この受験移民の斡旋を行っていた康某等数名が逮捕さ れているそうです。
(375)徳宏州で大水害
7月6日の新華社ネット雲南版によると、徳宏タイ族ジンポー族自治州盈江県と隴川 県で、5日の夜中2時頃から雨が降り始め、14時間で221ミリの雨量を記録した そうです。そして、この大雨で広範囲に河川の氾濫と土石流が発生し、大きな被害が 出ているもようです。
6日午前までの報告では、盈江県で8人以上が行方不明となっており、隴川県では少 なくとも二人が死亡、一人重傷、一人が行方不明となり、民家や農作物に大きな被害 が出ているようです。
8日の新華社ネット雲南版によると、5日に発生した徳宏州の大規模な水害ですが、 依然として雨が降り止まず、被害が拡大しているようです。土石流により道路がいた るところで寸断されており、救援・復旧作業にも大きな障害となっているようです。
9日の中新社昆明電によると、9日の正午までの集計では、今回の徳宏大水害の直接 経済損失は約5.3億元、死亡者は17名、行方不明者は25名だそうです。被災した のは徳宏州の盈江県・隴川県・瑞麗市の36の郷鎮と三つの国営農場で、被災人口は 約17.4万人、直接被害を受けた人は約12万人、17人の死者の内、隴川県が12 人、盈江県が5人でした。
共産党徳宏州委員会宣伝部の方副部長が記者に語ったところによると、「三つの県市 の農地の被害面積は1万ヘクタールを越えた。その内、すでに3千ヘクタールは収穫 がまったく望めなくなった。洪水と土石流により損害を受けた家屋は約2万戸で、そ の内5470戸余りが倒壊している。この水害で4千2百数十匹の家畜と、2万羽以 上の家禽が死んだ。政府民生部門と省赤十字が米・衣服・毛布等の支援物資を続々と 現地に運び込んでいるが、いまだ雨が降り止まず、救援活動は困難な状態だ。被災地 区では目下のところ経費・衣服・医薬品が最も不足している」のだそうです。
現在、雲南省は1780万元を支出して救援活動に取り組んでおり、民間からも130万元 の義捐金が被災地に送られたそうです。(いわざわ)
4月30日の春城晩報によると、雲南省で初めての公衆トイレ地図が発行され、話題
となっているようです。
4月30日午前10時、昆明市調査測量研究院とその関連機関が、昆明市中心部の東
風広場にて「昆明外出便利地図」の公開出版記念会を開催しました。この記念会にお
いて、この新発行された地図300部をドライバーや老人(免許証と身分証明書で確
認)に無料配布し、この他にも、集った市民に研究院が以前発行した「最新版昆明市
交通観光ガイド地図」を500部無料配布した。また、研究院は昆明市街地の大部分を
占める第二環状道路内の交番や交通警察の詰め所すべてに、この「外出便利地図」を
寄贈したそうです。
この地図には、市内325ヶ所の公衆トイレが赤字で分かりやすく表記されているよ
うです。また、地図の左側には昆明発の列車の時刻表と交通機関や公共施設等の電話
番号が、裏面はドライバー向けの運転案内図となっており、左(右)折禁止の交差点
・一方通行道路等や、ガソリンスタンド585ヶ所、大・中駐車場165ヶ所、大・中洗車
場82ヶ所、大・中自動車修理工場143ヶ所等、ドライバーに必要な事項がくまなく
記載されているという。
昆明市調査測量研究院の王貴武院長が記者に語ったところによると、「この地図は、
市民と個人旅行者やビジネスで昆明に来ている人達の為に製作しました。地図に表記
されている公衆トイレは、公道から20m以内に有る、看板を掲げて営業(昆明市の
公衆トイレはほとんど有料)しているトイレ」なのだそうです。
5月8日の新華社ネット雲南版によると、この「昆明外出便利地図」は、5月のゴー
ルデンウィークで昆明を訪れた観光客に好評だったようで、昆明駅の近くのスタンド
の売子によると、1日に4〜50部も売れたとのことです。
この「トイレ地図」というのは、マスコミが名付けたいささか大げさなキャッチフ
レーズらしく、生活関連の情報が満載されたガイドマップのようです。現在はファー
ストフード店や中規模以上のレストラン、ショッピングセンターにトイレが設けられ
るようになり便利になりましたが、かつてはホテルかバス・鉄道駅くらいしかトイレ
が設けられておらず、トイレに行きたければ、付近の公衆トイレを捜すしか方法が有
りませんでした。しかし、その頃の公衆トイレは臭いの問題も有ってか、路地の奥の
辺鄙なところに有る事が多く、また現在のように表示も無かったので、捜すのがほん
とうに大変でした。
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4月30日の雲南日報によると、雲南では各地で農村労働力の労務輸出(出稼ぎ)が
地方政府主導のもとで積極的に推し進められているそうです。
近年、貧困対策として、また余剰労働力問題の解決の為、労務輸出を地方政府が按配
・組織して積極的に行うという政策が、奨励されて来ました。これからも、農村の諸
問題の解決の為に、さらに規範化、大規模化させて発展させなければならないのだそ
うです。
雲南省東北部の曲靖市会澤県では、労務輸出による農民の収入増を図る為、全県で延
べ10万人以上が出稼ぎに出て、4億元余りの収入を県内にもたらしました。会澤県
は典型的な山間部の貧困農業県で、47万人もの農村労働力があります。その内、な
んと20余万人が余剰労働力とされ、労働力が有り余っているのが現状です。県政府
は農村労務輸出指導班を組織し、関係部門と連携して各地と連絡を取り、内外の情報
を収集して組織的に交流活動を行うことで、労務輸出を推し進めて来ました。今年の
2月20日には県労働・社会保障局が組織して41名の農民を深*市に就職させた。
そして、2月29日には県婦人聯盟が19名の農村女性を北京市に、3月8日は貧困
対策室が私営の誠成亜鉛電気公司に農民100名を、3月10日に貧困対策室と老場郷
政府が組織して個旧市雲錫公司に79名の農民を送り込んだそうです。
紅河ハニ族イ族自治州濾西県では、昨年1.81万人が労務輸出され、県に9773万元の収
入をもたらしました。昨年、県政府は労務輸出を県の中心的な業務とさせる為、管理
や選別を積極的に行って来たのだという。
保山市昌寧県では5万人以上の余剰労働力が有ると見られているが、全県で5000人以
上の農民が出稼ぎに出ており、2003年度だけでも約900名が上海・山東・河北・江西
・福建・昆明等の地域で、飲食・建設・運輸・サービス業等の業務に就いたそうで
す。しかしながら、農村労働力の質が低く、これが職探しのボトルネックとなってお
り、県が主導して農村労働力の質を向上させる為、様々な教育と広報活動を行う事が
労務輸出を軌道に乗せる鍵だと言えるのだそうです。
この出稼ぎ問題は(320)でも紹介しましたが、労務輸出政策の強化は全省的に推
進されているようです。雲南でも出稼ぎの盛んな所は、「三ちゃん農業」化している
ようで、かつての日本と同じように様々な問題が発生しているという。それにして
も、農村の余剰労働力は多すぎます。農民一人当たりの耕地面積が日本の三分の一程
度ではいたしかたのない事ですが、彼ら億単位の農民全てに働き口を提供できるわけ
がなく、中国においては低賃金の労働力は無限に供給されるということになります。
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5月9日の雲南日報・雲南電視台ネット、5月10日の雲南日報によると、今年の五
一(メーデー)ゴールデンウィーク期間中の雲南省内の観光客数は延べ276.78万人
で、2002年(2003年はSRAS騒動で観光客が激減したので比較に適さず)と比べて
19.8%増、観光総収入は約9億9千7百万元で9.4%増だったそうです。
今年の五一GWの特徴は日帰りのパッケージ旅行が好評で、延べ183.64万人もの参加
が有りました。それと、自家用車を使った家族・友人同士の旅行が益々増加した事が
大きな特徴だったと言えるそうです。人気を集めた観光地は相変わらず、昆明・麗江
・大理・西双版納・シャングリラ・徳宏・騰衝等でしたが、今回最も人出のあった場
所は、昆明から一時間程で行ける澄江県の撫仙湖で、訪れた観光客は13.7万人でし
た。これは春節GWの時と比較すると28倍もの数字となるそうです[撫仙湖は海水
浴(湖水浴?)の名所なので、これはお盆の時の江ノ島の人出を、正月の時と比較す
るようなもので、マスコミお得意のイメージ操作と言えるでしょう。雲南では雨季の
前の5月は夏のように暖かくなります]。上記の人気観光地の客数は増減があまり無
かったようですが、怒江・思茅・楚雄・紅河等のマイナー観光地は、大幅な観光客増
となったそうです。また、麗江では、世界遺産公園が開園し、新しく開発された老君
山風景区や束河茶馬古道等により、観光客がうまく分散する事が出来たので、懸案
だった観光シーズン中の古城区の大混雑を、かなり緩和する事が出来たらしい。
五一GW期間中の省内の航空機の運航数は延べ2640回で、輸送した人員は延べ26.42
万人、鉄道の運行本数は420本で、輸送した人員は延べ32.80万人、道路ではバスの運
行回数は22.12万回で、輸送した人員は延べ444.1万人でした。
まあ、総じてまずまずの数字だったと言う内容の記事でしたが、よく記事を読み、細
かく数字を比較して見てみると、あまり喜べるような事態ではないようです。
例えば、昆明地区での今年の五一GWの特徴を、(1)宿泊客が下降し、日帰り旅行
が増えた、(2)観光地を訪れた人数は上昇したが、収入は減少、(3)昆明を訪れ
た観光客の平均宿泊数が減少、(4)昆明に来るのに飛行機で来る人が減り、鉄道を
利用する人が増えた、のだと記事は総括していました。しかし、(1)は雲南の人達
の旅行熱は衰えていないが、外からの観光客は減ったという事でしょうし、(2)は
主要な公園を無料化した為で、(4)は最も観光客数の多い昆明−大理間のバス移動
客ですが、楚雄−昆明間の高速道路建設工事の為に一般道を迂回したり、工事現場を
徐行で通行したりせねばならず、多くが鉄道を使って移動するようになったそうで
す。どうやら、これが昆明駅利用者増の要因となっているみたいです。
運航数・輸送量も過去と比較すると、昆明発の旅客機の発着数は延べ1950回で、昨年
の五一GWより302.1%増、2002年の五一GWより6.4%減、2004年の春節GWより
18.9%減だった。旅客数は延べ199428人で、昨年の五一GWより646%増、
2002年の五一GWより1.9%減、2004年春節GWより19.2%減となります。ホテルの
宿泊率は2002年GWと比べて30%近くも下がり、旅行社が受け入れた団体数と観光
客数はそれぞれ41%、59.96%減となりました。そして、昆明で宿泊した観光客数
は23.8%減となり、外国人旅行客や省外の観光客数は、どの記事にも一切記載されて
いないことからも、外来の観光客数が深刻な程、落ち込んでいる事が分かります。
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5月27日の*池晨報によると、身分と地位
を象徴する雲南省共産党委員会の連絡簿 を手に、省党委員会書記の秘書と称して、至る所でサギを働いていた無職で風来坊の
男が逮捕されたそうです。
2003年11月、李順は友人の紹介で昆明市政府の某局職員Aと知り合いになった。A
との交流の中で、李順は雲南省共産党委員会弁公庁に勤務しており、省党委員会書記
の生活秘書だと称し、一冊の身分と地位を象徴する雲南省共産党委員会連絡簿を見せ
びらかして、Aを信用させた。この後、Aはあるプロサッカーチームの責任者Bに、
李順の事を省委書記の生活秘書だと紹介したという。
2004年2月、Bの紹介で李順は玉渓市の大ホテルの支配人Cと出会った。その時、李
順は電話番号に「李順 省委弁公庁」と書いたメモを渡し、省委書記の生活秘書だと
自己紹介した。この後、李順は何度もCを尋ねて玉渓に行き、Cにホテルの飲食・宿
泊費6100元余りを立て替えてもらった。李順はCとの交際の中で、ホテルロビーの改
装工事の計画が有る事を知った。この改装工事にからんで利権を得ようとした李順
は、Cの信頼をもっと得る為、3月25日、わざわざ玉渓まで出かけて行き、Cに収
賄等の汚職問題で雲南省検察院に告発書類が回っている事を知らせ、自分は検察院に
カオが利くのでこんな事くらいはもみ消す事が出来ると告げた。Cは李順の話に半信
半疑のようだったので、自分の能力を見せつける為、600元も使って雲南省検察院と
雲南省汚職賄賂局の公印が押された用紙を入手し、それにCに対する汚職容疑に関す
る文書と、不起訴になった事を伝達する文書を作成した。そして、4月1日に玉
渓に 行き、その文書をCに見せて汚職事件をもみ消した事を自慢し、Cの目の前でその文
書を焼き捨てるというパフォーマンスを演じた。しかし、そんな芝居も李順の目的を
達する事は出来なかったようで、Cはかねてより李順の素性に疑問を抱いており、警
察に通報されてしまい、あえなく御用となったそうです。現在、李順は玉渓市紅塔区
人民検察院から起訴され、審判を待つ日々だという。
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5月29日の雲南日報によると、昆明供電局と警察の合同査察班により、昆明史上最
大となる、毎日3万2千キロワット、金額にして年間500万元にも上る、盗電企業を
摘発したそうです。
4月28日午前三時、昆明供電局の検査官と市公安局経文保分局の捜査員による合同
査察班が、昆明市普寧県の某企業に夜間突撃査察を敢行した。工場内の電気メーター
を仔細に検査・点検したところ不正が発覚し、供電局の使用電力負荷制御システムを
チェックしたところ、この企業は毎日3万2千キロワットを盗電し、年間では500万
元近くの損失を国家財政に与えていた事が判明した。
この企業は3万5千ボルトも使用する大口のお得意様だったが、長年ずっと盗電によっ
てコスト削減をしていたようだ。供電局も使用量に不審な点があり、係官を何度も派
遣して調査をしてきたが、十分な証拠を見つける事が出来なかった。今回の突撃査察
の結果は、長年の供電局のこの企業に対する監視実績と、警察による合法的なあらゆ
る方法を使って捜査をした成果であると言えるのだそうです。
取調べによると、この企業は2003年10月から毎月二回か三回、電気メーターに対し
て細工をして使用量をごまかしていた。警察は現場でこの細工に使った工具を押収
し、責任者から指示系統の解明と盗電の手段を追及しているという。実は、今年に
入ってから三回もこのような夜間突撃査察を行い、今回ようやく尻尾を掴んで国家の
経済損失を防ぐ事が出来た。この事件は昆明での史上最大の盗電事件で有るだけでな
く、昆明地区で始めての大型国営企業の盗電事件の摘発となり、事件の全貌解明の為
にも、更なる調査が進められる事が必要だそうです。
企業名も責任者名も伏せたままというのも、同じ国営同士で身内に甘く優しい、いか
にもこの国のマスコミらしい記事と言えるでしょう。
(いわざわ)
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