雲の南から

中国雲南省に詳しい、いわざわ氏によるホットな雲南情報。
2004年1月18日、第69報!!

第69報(2004年1月18日)

11月22日の春城晩報によると、今月大理バイ族自治州招商局が発表した投資誘致 項目の目玉は、建設予定の*海周回道路沿いに七ヶ所ものゴルフ場の建設誘致をする 事だそうです。
この投資誘致項目として挙げられたゴルフ場は、金梭島−島式ゴルフ練習場、旗鼓山 −石林ゴルフ場、双廊−湖辺文化民俗村ゴルフ場、*海東岸−ゴルフ茶山、仁里邑− 蝴蝶泉ゴルフ場、双陽三塔−山峰ゴルフ場、北羅九邑−田園風情ゴルフ場の七ヶ所で す。これらを全て建設すると予定総工費は15億元となる見通しだそうです。
関係者が語ったところによると、現在、蒼山山麓の緑桃渓と双鴛渓の間に、1400 人が収容できる国際会議室を備えた客室600の豪華五つ星ホテルと、二つの18 ホール国際標準ゴルフ場を所有する蒼海ゴルフリゾート村を建設中だという。その上 に、今回の投資誘致が成功すると、なんと九つものゴルフ場・練習場が*海周辺に建 設される事となり、大理*海地区は中国で最もゴルフ場が密集する地域になるそうで す。
やれやれというか、遂に来るものが来たという感じです。携帯からビデオカメラ、ピ アノ、自家用車へと、ステータスシンボルが大好きなこの国の人達にとって、テレビ 等の力の入れ方から見ても、次の真の差別化を図れる物差しにゴルフが選ばれるのは 間違いないでしょう。バックパッカーの沈没地から高級ゴルフリゾートへとはたいし た出世ですが、歴史的な文化遺産地区に、高原リゾートのノリでゴルフ場をバンバン 作るのはいかがなものか、なんてことを考えないところがこの国らしいのかもしれま せん。

11月29日の春城晩報より。28日、昆明市政府は「野菜質量 安全特別項目作業動 員大会」を開催し、その大会で発表された報告によると、抽出検査の結果 、昆明市の 約30%の野菜は、農薬残留濃度が基準値より超過している汚染野菜である事が判明 したそうです。
市場経済が進み、農業市場の急速な発展で野菜生産が大きな産業となってきました が、同時に質・量や安全についても様々な問題があることが明らかになってきまし た。特に野菜の農薬残留問題については、社会的に大きな関心をよんでいます。
2003年、農業省は国内の37の主要都市で、野菜の農薬残留量検査を四回も行い ました。その結果、昆明市の合格率は低く、37都市中で三番目に農薬残留量の基準 超過が多い事が判明し、約30%の野菜が不合格でした。市内のスーパー、市場、生 産基地では等しく約三分の一が不合格となり、ある大型スーパーではなんと商品の約 50%もが不合格となりました。
その為、昆明市ではスーパー、市場、生産基地に対して12月20日までに農薬残留 量が基準を超過した野菜を20%以下に押さえ込む事を決定・通知し、残留農薬から 市民の身体・健康を守るように要求しました。
12月9日の*池晨報によると、8日に昆明市商工局の係官が市内の篆新綜合市場、 春暉農貿市場の二ヶ所を突撃検査したところ、篆新市場は6種類、春暉市場は7種類 の野菜から基準値を超過する残留農薬が検出されたそうです。
12月17日の春城晩報によると、連日の工商局の突撃検査により、多くの残留農薬 がある汚染野菜が摘発されましたが、特にセロリの農薬汚染が突出しているとの結果 が出ており、その為、市場内でも敬遠され売れ行きが極端に落ちているそうです。
中国ではこのような汚染野菜を「毒野菜」と呼んでいますが、それにしても、「毒野 菜」を20%までは許容してしまうというのは、お国柄とはいえ、とても「市民の身 体・健康を守」ろうとしているようには思えませんね。中国でも意識ある人は虫食い の有る野菜しか買わないようにしているそうです。筆者も気をつけて買っていました し、農薬は水に溶けやすいので野菜は必ず水に浸けておくなどしていたのですが、発 熱・下痢で吐き気を伴う軽い(?)農薬中毒に罹った経験があります。
ところで雲南では、セロリと牛肉、セロリと百合根の炒め物は、家庭でも大衆食堂で も比較的ポピュラーな料理の一つです。結構おいしいですよ。

11月30日の*池晨報、12月2日の春城晩報によると、雲南省人民政府の審査・ 決定により、大理バイ族自治州の剣川県城(金華鎮)、#源県双廊鎮、祥雲県雲南驛 村の三ヶ所が、新たに「省級歴史文化名城」に指定されたそうです。
剣川県城は明代嘉靖21年(1542年)に築城され、現在の城内の街並みの多くは ほぼ清代末・民国時代のまま保存されています。古城内はバイ族風建築が特色で、と りわけ建物の装飾に使われる剣川バイ族特有の木彫り・石刻は著名です。大理古城内 のほとんどの木彫り・石刻は剣川の匠の作だといわれており、かつては北京・故宮の 装飾にも剣川の匠が招かれた事があるそうです。また、中国文化省からも「中国木彫 りの里」と命名されているほどです。
双廊鎮は#源県南部、#海北岸にある古い漁村で、民居・寺廟・遺跡などが程よく保 全されており、典型的な伝統的バイ族の村落として高い価値があると見なされたよう です。
雲南驛村は、祥雲県城から南東へ21キロの位置にある雲南驛鎮政府から3キロ離れ たところにあります。この街の名前は2100年以上の歴史を持ち、勿論雲南省はこ の街の名に由来します。古代より交通・軍事の要衝として栄え、西漢時代に雲南県と なり、750年頃に築城、元代に雲南驛となり宿場街として賑わってきた街でした。 共産党政権が出来た頃はこの地に省都を建設する計画まであったそうです。筆者が訪 れた数年前はせいぜい地元のテレビ局が取材に来たことがあるくらいで、写真を撮っ ていると子供が集ってくるような、外から訪れる人がまずいない田舎の村となってい ました。その趣は、忘れ去られ廃墟になってしまった宿場街という、ちょっとデカダ ンスな感じだったのですが、これからは観光化の為、整備・再建(?)され立派にな るのでしょうね。

12月7日の雲南日報によると、雲南省に隣接する四川省の攀枝花市の民用空港が、 6日に開港したそうです。
攀枝花市は金沙江と雅*江の合流地点にあり、中国西部地区の鉄鋼・エネルギーやパ ナジウム・チタン等の希少金属開発の中心となる新興工業都市です。また、四川省西 南地区と雲南省西北地区経済の中心都市でもあります。この攀枝花から昆明・大理・ 麗江までの距離はそれぞれ193キロ・173キロ・155キロで、四川より雲南へ の影響のほうが強い100万都市です。今回の開港で、北京・成都・広州・上海・重 慶行きの便が開通しましたが、昆明・大理・麗江・シャングリラ等の雲南主要都市へ の便も、近い将来開通させるべく調整中だそうです。
攀枝花市は、かつて毛沢東時代に「三線後退」といって、きたるべきアメリカとの決 戦の際、防衛上の必要から、経済効率を無視して沿岸部から無理やり内陸部・山間部 に工場を移転させた際に出来た新興工業都市です。山間部の川沿いに殆ど平野らしい 平野がない場所に山を削って製鉄所等の重工業地帯を建設したのです。その為、街は 坂ばかりで川沿いに異様に細長く、自転車がほとんど走っていない都市を見たのは中 国では初めての経験でした。僻地に造られた人工都市で、川沿いで標高が低く夏は灼 熱地獄となるなど気候条件も悪いので、この街は特区扱いとなり、移り住むと給料が 何割か上乗せされるという特区手当が有りました(現在はどうなんでしょう?)。そ の為、全国各地から人が集って出来た街でしたが、筆者が知り合った人達のほとんど は、この街が不便で暑くて公害が酷い等と悪口ばかりで、あまり良い評判を聞く事が 有りませんでした。でも夜景がとても綺麗な街で、筆者が泊まった宿屋のおやじが 「中国の香港」(?)だと自慢していましたが、これはちょっと褒め過ぎだと思いま した。

12月8日の*池晨報、9日の雲南日報によると、建設が進められていた嵩待高速公 路(嵩明−待補)が8日に開通し、開通記念に10日の朝8時まで無料通行サービス を行うそうです。
この嵩待高速公路は、2000年9月29日に着工され、昆曲(昆明−曲靖)高速道 路の嵩明出口から北へ尋甸回族自治県、東川区を経て、会澤県待補鎮までの120.575 キロで、総工費の概算は21.59億元でした。その内、嵩明から尋甸県功山鎮までの 58キロは、道幅24.5m、四車線の高速道路で、功山から待補までは、道幅12メー トルの二級公路となります。旧道と比べて新道は33キロも短縮され、走行時間も旧 来の5時間余りかかったものが一時間半に短縮されます。これに伴い、昆明から昭通 や四川省までの行程も三時間以上短縮される事となり、この地域間の往来が益々盛ん になる事が期待されるそうです。
また、この公路の打鷹山トンネルは海抜2952.5mもの高度にあり、雲南で最も高地に ある高速トンネルとなるようです。
この時間短縮効果で、ようやく昆明から昭通へデイバスが運行されることになるで しょうね。寝台バスが嫌いな人にとっては福音です。また、北の大理とも言われる会 澤古城の観光化もますます加速する事でしょう。

(いわざわ)

第68報(2003年12月21日)

(336)行政幹部・党員が計画出産逃れで大量 処分

11月8日の春城晩報より。
昭通市の「人口と計画生育工作」担当責任者である張寛寿副市長が発表したところに よると、1981年以来、一部の国家公務員・共産党員が違法にも超過出産をしてい るという現象がいささか突出しており、一般大衆に対して極めて悪い影響を及ぼすな ど、大きな社会問題となっていた。そこで、昭通市の各県・区は市党委員会・市政府 が作成した<共産党員、国家公務員による「人口と計画生育」政策・法規への違反行 為に対する規律処分について>で要求されている、規律検査監察部門を中心とした調 査処理専門チームを立ち上げ、徹底した調査を開始したそうです。
この調査の結果、昨年の7月以降、全市一区10県で388件が摘発され、185件 がすでに処理済となった。これにより235名が政治規律処分・行政処分を、161 名が党規律処分を受け、81名が解雇処分された。現在、残りの案件の235名が処 分待ちとなっているという。摘発されたのは郷課長級幹部と農村党員がほとんどで、 県処長級幹部以上はいなかったようです(摘発が出来なかったのでは?)。
この超過出産については全国的な問題となっておりますが、とりわけ農民の計画生育 逃れの行為は深刻な社会問題と化しており、数百万から数千万いると噂される戸籍外 の子供達の問題はいまだ手付かずです。党・政府による一人っ子政策の厳しい監視・ 統制下にある都市部の職員・労働者にとっては、超過生育はほとんど不可能です。し かし、農村部で幹部・党員達ですらこのように大っぴらに違法行為をやっているとい う事は、農民に対する締め付けもそれだけ緩いという事であり、益々農村人口が増え ていくという事でもあります。かつて知人の大学教師が「このままでは高等教育を受 けた者の子供は減る一方で、教育のない農民の子供が益々増える。人口抑制は必要だ が、国民の資質が落ちていくばかりで、国の将来を考えればこの様なやり方でいいの か?」なんて嘆いていたのを思い出しました。

(337)騰密公路建設計画

60年近くも荒れ果てたままとなっていた騰密公路(騰衝−ミチーナ)のミャンマー 部分ですが、11月13日の春城晩報によると、中国とミャンマーの国境にある南4 号境界標識からミャンマーのワシャウン(ミチーナ郊外の街)までの道路施工設計図 が省交通庁の専門家の審査を通り、実務的な作業の段階に入る事となり、近い将来、 中国政府の手により着工される見通しとなったそうです。
この騰密公路は全長217キロで、かつてのスティルウェル公路の一部分でもある。 1945年に国境の南4号境界標識からのミャンマーへの道は閉鎖され、ミチーナ (かつてはミートキーナと呼ばれていた)への交通も断たれた。近年、ミャンマーと の貿易が盛んとなり、また騰衝の観光業の発展とともに、この公路が交易や観光開発 に活用出来ないかと検討され始めた。1997年、交通省と省交通庁は50年以上も 放置されてきたこの公路を、ミャンマーとの交易道路に指定し税関を設けた。そし て、省交通庁が組織した専門家チームによるミャンマー部分の綿密な現地調査を経 て、この道路の施工設計図が作成され審査を通過しました。
この設計図によると、建設されるのは保山市騰衝県の中国国境の南4号境界標識から ミャンマーのワシャウンまでの94.014キロで、中国基準の4級弾石道路(こぶし大の 石を敷詰めて作る道路)となるそうです。
ちなみにミチーナは中国語で「密支那」と書きます。騰衝県の西隣の盈江県には「支 那」という街まで有ります(タイ族の平凡だけど落ち着いていて、のどかな良い街で した)。巷ではまことしやかに「支那」は差別用語だとおっしゃる方がいますが、こ れはどう説明するのでしょうか?中国最大級のwebサイトもsina.com ですよね。

(338)園通動物園のパンダもお引越し

11月13日20日の昆明日報によると、昆明市の園通 山にある昆明動物園の大中 型動物が、市内北部に新たに建設される雲南野生動物園(サファリパーク)に移送さ れることになったそうです。
市中心部の園通山にある昆明動物園は1953年の開園で、市民の憩いの場として、 また桜の名所としても親しまれていた動物公園です。現在、約400種類、9000 匹余りの動物を収容し、年間300万人以上が訪れる、全国でもベスト10に入る動 物園だそうです。
しかしながら、市中心部にあるため、動物や来園者の増加に合せて拡張が出来ないの で、次第に手狭となって来ました。そこで動物園を管理する市園林局は民間から投資 を募り、浙江湖州金京投資発展公司との合作により、郊外に野生動物園を建設し、主 な動物をそこに移動させる事となった。園通山からは135種952匹が来年初めか ら移送されることとなりますが、主要動物が引越しした後も、動物公園として営業を 続けるようです。将来は、鳥類を中心とした動物園部分と、公園の花壇・緑化面 積を 拡大することにより、鳥と花を主体とした近代的な都市公園に生まれ変わるそうで す。
移動先の雲南野生動物園は、市北部郊外金殿国家森林公園内の双乳山林区に建設中の サファリパークで、300種近くの約18000匹(20日の記事では200種・ 10000匹以上?)の野生動物が主に放し飼いの状態で飼育されるそうです。来年 の2月27日に開園の予定で、開園から一年間は昆明市民が25元、省外客は100 元といういびつな価格体系になるようです。また、70歳以上の老人と身長 130cm以下の子供は無料となるらしいのですが、これが昆明市民のみかどうかは 記述されていませんでした。

(339)内昆線にも旅客列車

すでに開通して久しい内昆線(内江−昆明)ですが、11月15日の春城晩報、20 日の雲南日報によると、春節前までにようやく旅客列車が運行される事が決定されま した。そして、成都管理局の管理範囲内である内江−六盤水間では、これより早く 12月1日より旅客列車の運行が開始される事となったそうです。
計画によると、12月1日より上り下り合せて10本の旅客列車と、現在上り下り合 せて26本の貨物列車を30本へと増発させるそうです。これにより、昭通駅は一日 40本もの列車が通過することとなり、内昆線の要の駅となるようです。料金はまだ 決まっていませんが、成都−貴陽、貴陽−宜賓間などは旧来の路線を使うより走行距 離が大幅に短縮されるので、かなり下がる見込だそうです。
12月1日より内昆線の内江−六盤水間を利用して運行される旅客列車は、以下のと おりです。
  成都−貴陽 5645、5646次 普通快速
  貴陽−宜賓 945、946次 特別快速
  重慶−昭通 5603、5604次 普通快速
  内江−昭通 8635,8636次 普通列車
  六盤水−昭通 8616、8617次 普通列車

(340)東川で大金鉱発見!
    (*は上と下を上下に合体させた字、横棒は共有)

11月16日の春城晩報より。 昆明市東川区の田文副区長が発表したところによると、探査部門が雲南東北部で十数 年間も探していた金鉱が、東川区(旧曲靖地区東川市)播*郷・施布*郷でようやく 発見され、それは少なく見積もっても推定埋蔵鉱量が百トンを超える大金鉱だったそ うです。
1990年より省地質鉱物探鉱学大隊が東川で探査を開始し、1996年に省地質鉱 物807大隊が初めて東川で金鉱を発見した。しかし、この金鉱は金の含有率が少な く、推定埋蔵量も数トンの小金鉱だった。また、技術と資金面で様々な問題が有り、 探査の範囲を広げる事が出来なかったという。そして2000年夏より、カナダの西 南資源公司中国探査項目責任者である程小林博士の指導の下、同公司が雲南省東北部 の大規模な探査を進めたところ、この長さ数キロ、幅6mから100mの大金鉱帯を 発見することが出来た。昨年9月、中国の金星公司とカナダの西南資源公司は正式に 契約を交わして金山鉱業有限公司を設立し、採掘作業を行う体制作りが固まりまし た。採掘は来年から開始されるようです。 田文副区長は、「(この大金鉱の発見は)東川区のすべての産業の発展にむけての素 晴らしい契機となるでしょう。すでに数社が東川に投資を始めており、来年上半期に は採掘作業が開始される事になっています。これにより、運輸業の需要増加や農村へ の雇用が促進され、ひいては第三次産業全体の発展への巨大な動力となるであろう」 と期待しているそうです。
もしこの埋蔵量100トン以上というのが本当なら凄い事です。2000年度の中国 全体での金生産量は162トンでしたから。

(いわざわ)


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