第65報(2003年9月5日)
(321)大姚でマグニチュード6.2の地震!
7月22日の雲南日報によると、21日の23時16分に楚雄イ族自治州大姚県曇華 郷を震源地とするマグニチュード6.2級の地震が発生したそうです。
25日の新華社ネット北京電による民政部の発表では、被害は楚雄イ族自治州を中心 に15県市に及び、23日13時までの被害状況は、138の郷(鎮)の71.6万人が 被災し、死亡者は16人、重傷者は104人、軽症者は480人にも上り、およそ 4500人が緊急避難しました。
雲南省政府は500万元の緊急援助資金を拠出するとともに、楚雄州に100トンの 食糧、6000組の衣料、1000人分の寝具を送りました。楚雄州政府も100万元の緊急 援助資金を拠出し、救援活動に臨んでいるそうです。
曇華郷といえば農暦2月8日に曇華山で開かれるイ族の插花節というお祭りが有名で す。あの貧しい鄙びた山村が深刻な災害を被ったのには心が痛みます。この村を訪れ たのは十年以上も昔ですが、村のとある食堂ではなんと地べたをまな板にして野菜を 切って料理をしていました。この衛生もへったくれもないアナーキーな光景に思わず 大笑いしてしまった事を思い出しました。
(322)広州−シャングリラ−ラサ便開通
7月27日の春城晩報、29日の雲南日報、新華社ラサ電によると、広州からシャングリ ラ(旧中甸県)を経由してラサを結ぶ、新しい航空路線が28日に開通したそうです。
タイム・スケジュールは月・水・金の週三便で、7時30分に広州を出発、10時5分に シャングリラ、12時40分にラサ到着となります。当日の折り返しで、16時にシャン グリラ、18時に広州着となるそうです。
この便は中国南方航空が運行します。旧中国民用航空が1965年3月1日に初めて チベット地区へ航空路線を開通させました。その路線を引き継いだ現在の中国西南航 空がチベット地区の航空路線を独占しておりましたが、これにより中国南方航空はチ ベット地区に乗り入れる事が出来る第二の航空会社となりました。使用機種はボーイ ング757−200型となるそうです。
(323)レアル・マドリードメンバーが昆明名誉市民に
7月29日の春城晩報によると、練習・試合の為に昆明を訪れていたスペインの名門 プロサッカーチーム「レアル・マドリード」の役員・コーチ・選手全員に、昆明市が 「名誉市民」の称号を与えたそうです。
28日の夜に開かれた「名誉市民」授与式で、章振国昆明市長は、『レアル・マド リードは長い歴史と輝ける戦績を誇るチームであります。そして世界のサッカー事業 の発展を推し進め、卓越した貢献を成し遂げました。この度、レアル・マドリードが 昆明を訪れて訓練・練習を行った事は、昆明市との間に分かちがたい縁を結ぶ事とな りました。双方の友好を推し進め、国際文化・体育の交流と合作を拡大させる為に、 昆明市政府はレアル・マドリードクラブ員に「名誉市民」の称号と賞状を授与しま す。これから昆明はレアル・マドリードの第二の故郷と成ります……』とスピーチし たそうです。
なにやら中華思想全開のスピーチですが、世界的なスター選手軍団と海外の取材陣が 一挙に訪れるなどというのは、多分昆明市では始めての出来事でしょうから、役人達 のハシャギぶりというか舞い上がりぶりがよく感じ取れるコメントですね。
このレアルの昆明訪問は「ベッカムフィーバー」として日本のマスコミでも連日報道 していたので、テレビ・新聞でご覧になった方も多い事でしょう。しかし、地元紙や 中国のスポーツ新聞の報道を見ると、日本のマスコミが伝えるような「ベッカム フィーバー」などは存在しておらず、選手の紹介もジダンやロナウド、フィーゴの記 事の方が多かったように感じられました。少なくともベッカム一色の日本とはまった く違う報道でした(追っかけの女の子だけはベッカムファンが一番多かったようです が)。「ベッカムフィーバー」とやらはどうも日本のマスコミの「でっち上げ」報道 だったようで、日本での「ベッカム様」バカ騒ぎの前に、中国でも同じような騒ぎが 起きているという印象操作をしようとしたとしか考えられません。空港での大歓迎ぶ りを見ても、都市部男性のほとんどがサッカーファン、スポーツ記者のほとんどが サッカーオタクである中国にとって、ジダンやロナウドがどんなに偉大なスターであ るか、レアルがどんなに憧れのビッククラブであるかを、サッカーそのものに無関心 な日本のマスコミには理解できなかったのかもしれませんが。
(324)雲南初の自家用車生産開始!
8月2日の雲南日報・春城晩報によると、一汽紅塔自動車製造公司による雲南省で初 めての自家用車生産が開始され、第一号車が1日に完成したそうです。また同日、同 公司の新しい省内最大規模の自家用車生産基地の起工式が曲靖市内で行われました。
この雲南省初の自家用車は、一汽紅塔公司製造の「幸福使者」という2ドア5人乗り の小型車で、価格は50800〜54000元程度になるそうです。この車は一汽集団が開発し た新型車と銘うっていますが、ダイハツのMOVEを原型として開発されたようで、 日本の小型乗用車の最新技術と多機能性を取り入れたものになっているらしい。また この「幸福使者」は一汽集団が天津でも生産しており、技術的にはまったく同じもの となるという。この南北二箇所での生産は、南北の資源を共有し、コストを削減して 競争力を増す為と、一汽集団の西南地区市場での地位向上や東南アジア地区への販売 力促進の為だそうです。
現在、年間生産台数が三万台規模の一汽紅塔公司ですが、2007年には「幸福使 者」等の自家用乗用車を五万台、その他の自動車十万台以上を生産し、総売上は68 億元、下請け関連企業も100社以上に拡大していく計画だそうです。
雲南省で生産された自動車ですと、かつて「揚州号」と共に雲南の長距離バス輸送を 支えた「雲南号」が思い出されます。80年代の貧しい雲南でバスが生産されている 事自体も驚きでしたが、さすがに山道仕様だけあって他省のバスより馬力だけは有 り、坂道だらけの雲南には適したバスでした。「雲南号」について詳しく知りたい方 は、以下のアドレスのサイトを参照して下さい。http://www.linkclub.or.jp/~hari/unnangou/unnangou.html
(325)昆明−大理間に豪華列車を投入
7月30日、8月5日の春城晩報、8月2日の新華社ネット雲南版によると、昆明− 大理間の列車に、テレビ・トイレ付きの豪華個室を備えた新型車両が投入されること になったそうです。
記事によると、昆明鉄路局がおよそ9000万元を投入して33両の二階建て新型車両を 購入し、8月中には昆明−大理線に投入出来るようです。この新型車両は長春軌道客 車公司が開発した最新式のもので、テレビ・トイレ付きの豪華二人部屋・四人部屋 と、四人部屋の一等寝台、そして二等寝台から構成されます。この新車両には二等寝 台なら82人、一等寝台なら57人収容することが出来、15両編成だとすれば定員 は1123人となるそうです。
豪華客室は二人部屋・四人部屋が各三部屋で定員は18名ですが、評判は上々のよう で問い合わせが相次いでいるようです。気になるお値段ですが、いずれも一部屋貸切 となり、四人部屋は上段が182元で下段が174元、二人部屋は上段が262元で下段が 280 元です。タイムテーブルは、502次列車21:16昆明発、5:30大理着。504次列 車23:00大理発、8:50昆明着となります。いわざわ
第64報(2003年8月5日)
(316)通り沿いに洗濯物を干してはダメ
(*はさんずいに真)5月23日の*池晨報によると、昆明市は街の清潔・美化の為に、痰はき・手鼻・ゴ ミのポイ捨て等の「非文明」的な行為を徹底的に取り締まる「昆明市城市外観環境衛 生管理条例」を22日に公布し、この「非文明」的な行為に対し法による打撃を加え ていく事となったそうです。
「条例」の主な内容を紹介しますと、市内の主要道路に面した窓やベランダでは、洗 濯物を干したり雑物を積み上げてはならず、執行係官は命令を出して片付けさせる か、或いは50元以上100元以下の罰金を課す事が出来る。地面に痰を吐いたり、 手鼻やゴミ・タバコのポイ捨て等の行為には50元以下の罰金。不法路上営業には、 法による取締りと合わせて50元の罰金を徴収する事が出来る。騒音公害に対しては 期限を定めて、それまでに改善されなければ200元の罰金。ゴミ箱や街灯などの公 共施設を壊した者は、賠償金額の他に200元以上500元以下の罰金を課し、悪質 な場合には刑事責任を追及する、のだそうです。
痰や手鼻やゴミのポイ捨ては、さすがに「まずいこと」位の認知がなされてきており ますが(もちろん都会のみですが)、美観の為に通りに面した窓やベランダで洗濯物 を干してはいけないというのはなかなか理解してもらえないでしょうね。そんな美観 よりも、この条例は窓やベランダの手摺に並べてある植木鉢を一掃するのには役立ち そうです(残念なことに表通りだけですが)。ほんとに危険なんですよね、あれは。 それに水がぽたぽたと落ちてきて服が汚れますし。
(317)手が洗えない公衆トイレ
(*はさんずいに真)5月25日の*池晨報より。
壁一面に張ってあるSARS予防の宣伝画には「流水で石鹸や消毒液を使って手を洗 いましょう」という衛生習慣についての言葉が第一条となっている。しかしここでは 蛇口から水は出ないし、石鹸や消毒液などとんでもないという現実……これは最近記 者が昆明市の中心部北京路*池映画館付近の公衆トイレで見た光景だそうです。
記者の理解によると、SARS予防の為、このわずか一ヶ月の間に、市民の中に「手 を洗う」という良好な習慣が浸透していった。しかし、ホテルやレストランでの消毒 基準が明確にされた現在でも、最も改善されねばならないはずの公衆トイレの衛生状 態が放置され、多くが手を洗う水道すらないという現実がある。この新しく身に付い た衛生習慣をもって公衆トイレに行くと戸惑う事になってしまう。市民は街に出ると き、水の入ったペットボトルと石鹸を持ち歩かなければならないのだろうか。
SARS予防の為に、4月29日、関係部門は「商業・サービス業営業所伝染性疾病 予防措置」を緊急制定した。この措置が要求したのは、商店・ホテル・レストラン・ 美容院等がサービスを提供する場所を毎日2〜3回消毒するという事で、この厳格で 具体的な規定は衛生に対する市民の観念を大きく変える事になったが、だったらなぜ 公衆トイレの消毒や衛生設備の改善が出来ないのかという疑問にも繋がる。市民に必 要な衛生環境を提供するのなら、せっかく市民の中から芽生えた「手を洗う」という 良好な習慣を、「公衆トイレ」によって足を引っ張ってはならない、と記者はいささ かお怒りモードで告発しております。
手洗いについては、遂に此処まで来たかと感慨深いものがあります。
中国に住んでいると日本人でさえ手を洗うのをサボりがちになってしまいます。だっ て、周りは誰も洗っていないし、水道が無い(有っても水が出ない)事が多いからで す。かつて、雲南南部の地方都市を旅行中に友人が倒れて、そこで一番設備の整って いる州立病院に入院しました。付き添い兼通訳で私も一緒に入院したのですが、トイ レの出口にある洗面所でよく洗濯をしました。その時じっくり観察したのですが、ト イレから出てくる人達はほとんど全員と言っていいほど誰も手を洗いません。なんと 看護婦や医者でさえも手を洗っている人はいませんでした。少なくとも私が見ていた 時は…。薄々はそんな事だろうと思っていましたので、びっくりはしませんでした が、正直がっかりはしました。
現在、ほんとに少しは改善されたのでしょうか?
(318)雲南最長トンネル貫通!
(*はつちへんに亞)6月1日の春城晩報によると、5月30日午後、建設中だった雲南省で最長となる元 江−磨黒高速道路の大風*トンネルが遂に貫通したそうです。
このトンネルは全長6727mで、元江ハニ族イ族自治県と墨江ハニ族自治県の県境付近 の山中で建設されていました。海抜は2050mもあり、これは現在建設中の元江−磨黒 高速道路全長147kmの中で最も高い地点だそうです。
でも、記事をよく見ますと、全長6727mと表記されていますが、上りと下りは別 々に 掘られた為にこれは合計の数字となります。上りは3373mで、すでに3月30日に貫 通しており、今回貫通した下りは3354mでした。合計して表示するのが世界標準なの か中国標準なのか、この方面の知識がまったくないのでなんともいえませんが、なん かヘンですよね。
これまで雲南省で最も長かったトンネルは、楚大(楚雄−大理)高速道路の九頂山ト ンネルでした。
(319)雲南民族学院が雲南民族大学に
6月19日の雲南日報・新華社ネット雲南版によると、16日に教育部(日本の文科 省に相当)が雲南民族学院を雲南民族大学に名称変更することを批准し、18日には 雲南民族大学において新校名看板の序幕式が行なわれたそうです。
雲南民族学院は1951年8月1日に開校され、共産党政権になって最も早く設立さ れた少数民族教育施設の一つです。開校して52年もの間、党の政策を貫く為に、辺 境・民族地区に4万人を越す人材を教育し、送り込みました。建学された頃は単一的 な民族幹部養成学校でしたが、現在では海外とも交流のある総合大学に発展していま す。現在、全日制本科の学生中、少数民族の比率は87%、専任教師は42%です。 開校時より、マルクス主義民族観・宗教観・民族理論及び民族政策を、特別に重視し 教育しているという。また、地域特性を活かした語学教育も盛んで、タイ語・ミャン マー語・ベトナム語という近隣諸国の外国語だけでなく、国内少数民族語のワ語・ラ フ語・西双版納タイ語・徳宏タイ語・ジンポー語・リス語・イ語・ナシ語等の言語・ 文学が学べるそうです。
対外交流の面では、70年代の改革開放が始まって以降は80数カ国の2万人以上の 外国人が参観・訪問及び学術交流をしたという。目下のところ、雲南民族大学は国外 の26の大学と交流関係を持っており、米・英・仏・独・日・韓等の40数カ国の千 人以上の留学生を受け入れた実績が有るそうです。
北京の中央民族学院も民族大学になったので何時かは変わると思っておりましたが、 とうとう変わってしまいましたね。略称は「民院(ミンユエン)」と言っていたので すが「民大(ミンダー)」になってしまうのでしょうか? それから少数民族の為の 学校なのに、漢族の学生が13%もいるのは不思議だと思う方もいらっしゃるでしょ うが、この学生は基本的に辺境・僻地の漢族幹部(役人)の子弟で、彼らへの優遇政 策です。辺境・僻地へ赴任した漢族幹部の子弟を優先的に民族学院に迎え入れ、教育 してまたその地に送り返します。これにより、対少数民族用の漢族幹部育成ができ、 また不便な辺境・僻地に赴任した漢族幹部の不満を和らげることも出来る、一石二鳥 の政策でした。「雲南民族学院四十年」(雲南大学出版社)という本によりますと、漢 族学生は開校初期に多かったのですが段々減り、80年代になってまた増えたようで す。87年は卒業者1040人の内、なんと漢族学生が459人もいました。
(320)「出稼ぎ」で貧困脱出
6月24日の新華ネット雲南版によると、金平ミャオ族ヤオ族自治県では、政府の音 頭とりで労務輸出を行い、貧しい県民の脱貧困に一定の成果が出ているそうです。
金平県は、少数民族・辺境・山岳地帯・貧困が一体となった国家指定の貧困県です。 県の人口32万人の内、農村人口が90%以上、少数民族が85.5%で、2002年の 統計では県内の農村余剰労働人口は34000人もいます。そして、毎年約1500人の中・ 高・専門学校卒業生が社会に出ますが、山地面積が99.8%を占める金平県ではただで さえ産業が少ない上に、既存の工場・鉱山の大部分が不景気で、就職口がほとんどな い状態です。
この様な職不足と農村の余剰労働力に対応する為、県政府は労務輸出「出稼ぎ」で局 面を打開する政策に打って出ました。
1999年、省労働力市場センター・省貧困対策弁公室と連携して労務輸出先を開拓 し、河北省唐山市に163人、2000年に上海市浦東開発区に176人、2001 年に昆明市と広東省中山市に203人、2002年には中山市南区に310人の「出 稼ぎ」人員を送り込みました。これにより、金平県人事労働部門を通じて労務輸出さ れた人員は800人余り(個人で出稼ぎに出たものは含まず)となりました。県政府 はこの他にも、北京市や上海市のホテル等と労務輸出の受け入れの為の協議を行なっ ているそうです。
そして、県政府は「出稼ぎ」が決まった者には三日間の研修を行い、労働法規や工場 の規定、労働規律や安全生産の知識等を教育しています。また、二人の県職員を中山 市に派遣して工場側の労務管理を手伝い、新規の労働市場を開拓する為、現地で様々 な調査をしているそうです。
この労務輸出で、この三年間に約300万元が金平県にもたらされました。しかし 「出稼ぎ」はお金を得るだけでなく、働く過程で多くの事を知り、進んだ地域の先進 的な経験や技能を学んで、自己の素質を高めることが出来ました。これにより貧困山 岳地帯の農民が貧困に立ち向かうのに積極的な作用を及ぼすであろうと、県政府は期 待しているそうです。
雲南人はよく自分たちの事を「家郷宝」だといいます。これは臆病で冒険を恐れ一生 村の中に閉じ篭って外の世界に出て来ない雲南人を自嘲して指した言葉です。お隣の 四川省が官民一体となって労務輸出に熱心なのは有名ですが、四川より貧しい雲南が 出稼ぎに無関心だったのは、やはり「家郷宝」のせいだったのでしょうね。いわざわ
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