第54報(2002年8月10日)
(261)豊胸手術で乳房が四つに?
巷の新聞・雑誌やテレビでも豊胸手術の広告・CFが呆れるほどに溢れており、これ ほどまでに需要が多いものかと驚いていたのですが、6月8日の雲南日報電子版・社 会新聞によると、7500元も出して行なった注入式豊胸手術が、注入した液体が下がっ て来て、乳房が四つに成ってしまった(?)という医療事故があったそうです。
この被害者は王某さんで、2000年8月、街に溢れる豊胸広告に魅入られて、とある病 院に行き検査を受けたそうだ。医師は、「あなたの体は豊胸手術をしても問題無い し、後遺症も絶対有りません」と保障してくれたという。そこで王さんは7500元を出 して、手術台に上った。この30分間の手術は、麻酔が効かない体質の王さんにとっ て大変な苦痛だったようだ。
二週間後、甘い期待は無情な現実に打ち砕かれてしまった。王さんの乳房は硬化して いるだけでなく、一方が大きくなり、もう片方が小さいままとなっていた。それを見 た医師は「たいしたことありませんよ」といって、胸を包帯できつく巻いて矯正して 解決しようとした(?)。しかしながら、二、三ヶ月後、今度はなんと肋骨の下に二 つの膨らみが出来てしまった。王さんは何度も病院と掛け合い、ようやく2001年1 月、第一回目の回復手術を行なった。この時、担当の医師は「この吸出手術が終われ ば元の体にもどりますよ。注入したものを全部吸出すればいいだけですからね。もし だめなら、病院が損害賠償しますよ」といっていたそうだ。
この後、王さんはこの病院に疑問を持ち、他の病院に行って検査を受けたところ、王 さんのような体質の人は注入式の豊胸手術にはまったく適さない事が分かった。そし て助骨の下の二つの膨らみは依然として解決しなかった。こうやって我慢の一年が過 ぎ、今年の3月、微かな望みをかけて病院側の提供した二度目の吸出手術を行なっ た。しかし、5月になってまた以前と同じ状態にもどってしまった。だが病院側は懲 りずにまた吸出手術をすると言い出したので、ようやく王さんは昆明市消費者委員会 に助けを求めに来たという。
消費者委員会が調べたところ、この病院は美容整形に関しては何の資格ももっていな かったらしい。また、消毒もいいかげんで、王さんの二度の吸出手術のあとは共に化 膿していた。その上、この病院では王さんのように手術後の後遺症に悩まされている 患者が他にも7、8人いるそうです。
昆明市消費者委員会によると、「美容整形手術によるトラブルは益々増える傾向にあ り、すでに消費者の訴えの20%を占めるまでになっている。にもかかわらず、現 在、美容整形、特に豊胸手術の広告に対して監督・管理がほとんど行なわれていない 状態で、広告を真に受けて盲目的に豊胸手術を行なう消費者が多大な危害を受けてい る」そうだ。また、専門家によると、注入式の豊胸手術は取り返しの効かない手術 で、もし問題が起きても注入液を吸出することは困難なのだそうです。
そして消費者委員会は、「盲目的に簡単に豊胸広告を信じてはいけません。実際のと ころ、豊胸手術の広告でうたわれているように無痛だったり絶対安全であったりする 事はありません。もし豊胸手術をするなら、慎重に検討し、正規の許可を受けている 医療機関で、資格を持っている医師のもとで行なって下さい。その他に、手術の前に は必ず病院と必要な契約を結んで下さい。そして、その契約をよく確認して、その中 に患者にとって不利な条項や、病院側の免責条項があるのなら、きっぱりと拒否して 下さい」と市民に呼びかけています。
どうやら、美容整形業界は野放し状態のようですね。広告の大クライアントだから、 マスコミが美容整形業界の批判はなかなか出来ないのかもしれませんが、行政までも が目を瞑っているところが痛いですね。
(262)西双版納にアジア象繁殖基地を建設
6月23日の雲南日報電子版・雲南新聞によると、アジア象の繁殖基地建設が西双版 納タイ族自治州において年内に開始されるそうで、現在準備作業が順調に進んでいる ようです。
この計画を大変重視していた国家林業局は、この計画に関心を持つ浙江抗州野生動物 園の張理事長や西双版納州林業保護部門等と何度も保護区を調査し、この建設地を決 定したそうです。この繁殖基地は総工費およそ5000万元余りで、そのうち国家林業局 が2750万元を、浙江抗州野生動物園が2000万元を出資することになっています。この 基地はアジア象の保護・繁殖だけでなく、熱帯鳥類の繁殖も手がける等、熱帯動物の 総合科学センターとなっていくようです。この基地の初仕事は、まず50頭のアジア 象の繁殖計画を実施する事になるそうだ。
これまで、西双版納地区には熱帯植物に関しては国の立派な研究施設があるにも関わ らず、熱帯動物の繁殖・研究施設がなく、ようやくこの空白が生められることになる そうです。
(263)成都−大理直行便就航
6月23日の雲南日報電子版・雲南新聞によると、大理から初めての省外直行便とな る成都−大理便が、22日午前就航したそうです。
この便は大理空港開港7年目にして初めての省外に向けた直行便となり、省外から大 理への観光客誘致に一役買う事になるようです。この便は、しばらくは水・土の週二 便の運行で、タイムテーブルは、
成都(6時55分発)−大理(8時20分着)
大理(9時発)−成都(10時20分着)
となります。 また、6月28日の雲南日報電子版・雲南新聞によると、28日、雲南航空の昆明− 香港便が就航したそうです。今まで、昆明発の香港便を運行する国内航空会社は中国 南方航空に独占されていたようですが、これでようやく雲南航空も香港乗り入れが出 来るようになりました。
運行は週7便で毎日9時50分発(水曜日以外)です。
(264)雲南省に世界第二のダム建設
雲南省第二のダムとなる小湾ダムについては(240)で紹介しましたが、こんどは 雲南省最大、世界第二のダムが雲南北部の金沙江に建設される事が決まったそうで す。
6月26日の雲南日報電子版・雲南新聞によると、現在建設中の三峡ダムに次ぐ世界 第二の規模の巨大ダムとなる金沙江渓洛渡ダムが、雲南省北部の昭東地区永善県に建 設される事となり、年内には準備作業が開始されるようです。
この金沙江渓洛渡ダムは雲南省永善県と四川省雷波県の間を流れる金沙江(揚子江の 上流の名称)の、下流の宜賓市から184km、三峡ダムからは770kmの位置に建設され、 年間発電量は571億キロワットで、ダムの貯水量は127億立方メートルにも上る巨大ダ ムだそうです。ここで発電された電力は主に華東・華中地区に送られ、経済発展する 東部地区の電力需要に応えていくらしい。これは「西電東送」(水量・石炭の豊富な 西部地区に発電所をを建設し、産業の発達した東部地区に電力を送る)と呼ばれる、 西部大開発計画の中の目玉政策の一つで、これにより、これからも雲南にはダムが 続々と建設されるようです。
中国は土地の所有権が無いに等しいので立ち退きは簡単だし、民間の環境保護団体も 存在せず、ダム反対運動など起こり得ないので(起こしたら国家反逆罪?)、ダムに かかるコストは他の国と比べかなり安いんでしょうね。
(265)今年上半期の雲南観光業
7月7日の雲南日報電子版・雲南新聞より。
6日閉会した全省観光従事者懇談会によると、この十年来の雲南の観光業は毎年 30%増という高度成長をしており、全国でもトップクラスとなるらしい。昨年の全 省観光総収入は256億元で、省のGDPの12.5%を占め、直接・間接に観光業に従事 する人は145万人にも達するそうだ。目下の所、雲南省の観光関連企業は9327社で、 その固定資産は323.71億元。昨年の雲南を訪れた観光客はおよそ延べ4500万人。全省 の風景・観光地区は224個所あり、これは全国第三位だという。2001年度の観光業で の外貨総収入は3.67億ドルで、これは全省の外貨収入の29.5%を占めるそうだ。
また、7月17日の雲南日報電子版・雲南新聞によると、省統計局の発表では、今年 上半期の国内観光客は延べ2801.7万人、海外の観光客は延べ62.41万人で、昨年の同 時期と比べてそれぞれ8.8%、10.9%の増加。観光総収入も141.78億元で3.6%増とな り、雲南の観光業は順調に発展しているようです。
蛇足ですが、この夏の雲南は例年以上に観光客が溢れており、昆明行きのエアーチ ケットもなかな取れない状態となっているようです。本年度の観光客数・総収入が昨 年を大幅に上回り、新記録を樹立するのは確実のようですね。雲南にて
いわざわ
第53報(2002年7月28日)
(256)内昆鉄道全線開通!
(*はさんずいに真)内江(四川省)−昆明を結ぶ内昆鉄道については(215)で紹介しましたが、5月 13日の春城晩報(1面)によると、12日、この内昆鉄道(全長872km)が全線開通 したそうです。
この内昆線の完成により、雲南省と内地を結ぶ鉄道路線は四本となりました。
雲南省において最初の鉄道は、1903年に着工して1910年4月に開通した、昆 明からベトナム国境の河口までの昆河線ですが、この路線は昆明−ハノイ間を結ぶ* 越鉄道の部分で、国外とは繋がっていますが、昆明から国内への路線はこの時まだ有 りませんでした。そして、1966年3月11日に貴陽−昆明を結ぶ貴昆線(全長 643.1km)が開通し、これが雲南と内地を結ぶ最初の鉄道となりました。それから、 1970年7月1日に成都−昆明を結ぶ成昆線(全長1083.32km)が、1997年12月2 日には南寧−昆明を結ぶ南昆線(全長898.7km)が開通し、今回の内昆線が内地を結 ぶ四本目に成ったというわけです。
(257)大理−麗江線来年着工か?
(*はさんずいに真)5月14日の雲南信息報(A2面 )によると、内昆線が開通した後、雲南省の関係部 門は大理−麗江を結ぶ大麗鉄道の建設準備に取り掛かっており、来年着工を目指して 作業を進めているそうだ。
目下のところ、省関係部門は「*蔵線大理−麗江区間建設の実行性研究報告」の編纂 を終わり、今年度末には上級部門に研究報告を行ない、来年度着工へ向けて準備を進 めているとのことです。
この大麗鉄道は*蔵(雲南−チベット)鉄道の重要な構成部分となる予定で、地方政 府の意見と総合的な判断により、大理から鶴慶経由で麗江に至る路線を選択するよう です。この計画案によると、この路線の全長は167.7kmで、32%が橋・トンネル となり、時速120kmで走行出来るよう設計され、運行時間は1時間31分、想定され る総建設費は45.4億元となるそうです。
すでに始まっている青蔵(青海−チベット)鉄道の建設により、*蔵鉄道建設計画は お蔵入りとなったと書いていた記事を読んだ事が有るのですが、どうやら先に延びた だけのようですね。それにしても過疎のチベットに莫大な投資をして二本もの鉄道を 引くなんて、どうみても「チベットの内地化」という国策を優先しているとしか考え られませんね。
(258)雲南・四川両省が「濾沽湖」争奪戦!
(*はくさかんむりに浪)5月14日の雲南信息報(A2面 )によると、観光地として注目を浴びている濾沽湖 の名称を県の名前に変更しようと、湖に面 している四川省の塩源県と雲南省の寧*県 が争奪戦を開始したそうです。
濾沽湖の面積は約50平方kmで、雲南省麗江地区寧*イ族自治県と四川省凉山イ族自 治州塩源県に所属し、寧*県副知事によると「三分の二が雲南で、三分の一が四川」 だそうですが、塩源県政府関係者によれば「湖面のほとんどは四川のもの」だという。
近年、濾沽湖が観光地として脚光を浴び、その知名度にあやかろうとして県名変更争 いが起きたようです。この県名変更争いでは塩源県の方がすでに先手を打っており、 四川省の民政庁に名称の変更届けを提出済みだという。一方の寧*県副知事による と、この申請に関しては寧*県の方がかなり優位な位置に有るという。それは湖面 と 主な景勝地や、民族風俗で観光の目玉となるモソ人もほとんどが寧*側に居る事。ま た、交通・通信・電力や観光・宿泊施設のほとんどが雲南側に有る事等、圧倒的に有 利な立場にあるそうです。
しかしながら記事では、「香格里拉」争奪戦で雲南に負けた四川省としては、今回は なんらかの手を打ってくるのではと、警戒を呼びかけており、この「濾沽湖」名称争 奪戦の結果は今のところ誰にも予測がつかないだろう、と結んでいました。
(259)雲南省森林資源の四つの危機
5月22日の雲南日報電子版・雲南新聞によると、近年、天然林の保護や「退耕還 林」(山の斜面の耕地を森林に戻す)政策により、雲南省の森林面積は着実に増加し ているようですが、それに伴い幾つかの大きな問題点も浮き彫りになって来たようで す。
現在の統計によると、雲南省の森林被覆率は44.29%(いつのまにこんなに増えたん だろう?)で、森林総面積は1287.32万ヘクタール、その内、天然林は1105.48万ヘク タールで85.9%を占めるという。そして雲南省には中国全土に生育する種子植物や樹 木の半数近くが分布しており、熱帯雨林から寒冷高山針葉樹林まで、105以上の森林 形態が存在するそうです。
しかしながら、確かに近年森林資源は増加していますが、よく分析してみると、目下 の所、四つの危機的な情況が伺われるという。それは、森林被覆率が上がっている が、反対に森林の質量は低下して、生物効能が衰退してきている。木の種類は多い が、木の種類と樹齢の分布が不合理で適切で無い事。森林の病虫害が年々増加してい る事。そして最も深刻な危機とは、多くの森林資源が不当な低価格で売買されて消耗 されている事なのだそうです。
この情況に対し、省の環境保護部門の責任者は、「自然保護区の設立と関係する法の 制定により、森林資源の建設と管理を強化し、森林資源の利用率を高める事が必要 だ」と語っていたとか。
それにしても、森林面積が増えているのは事実なのでしょうし、テレビのニュースで もお偉方や学生・軍人達が植林するシーンをやたらよく見かけるのですが、一番植林 しやすい都市近郊や国道沿いのハゲ山に一向に木が植えられず放置されているのは、 いかなる理由なのでしょうかね?
(260)雲南・松茸基地計画始動!
5月26日の雲南日報電子版・雲南新聞によると、26日、雲南省で初めての松茸基 地として指定された昆明市富民県羅免イ族ミャオ族郷において、「松茸の里」という 看板を掲げる記念式典が行なわれたそうです。これにより、これまでの松茸採取・販 売の無秩序・自由放任状態から、政府の管理のもとに計画的な保護・管理・採取・販 売を行なっていく事になるらしい。
中国の松茸は、主に西南部の四川・雲南省と東北地区の一部で採れ、雲南では輸出農 産物の中での大きな比重を占め、2001年の日本への松茸の輸出は1128トンにも上った という。この松茸を採取した雲南西北部の二十余県の二十万戸の農民は、一戸あたり 平均千元以上の収入を得る事が出来たらしい。しかし、あまりの乱獲のせいで収穫量 が減り、例えば香格里拉県では最盛期の収穫量800トンから、昨年は200トン足らずに まで落ち込んでしまったそうです。
この松茸資源の枯渇化に省政府や関係者は危機感を持ち、これまでの自由放任から、 今回のように松茸基地を建設し、政府主導で保護・管理強化をしていこうという方針 に変換したという訳です。
省林業庁の陳副庁長は取材の記者に、「政府がこの松茸基地を作ったのは、根本的に は松茸資源の集中管理を実行する為であり、これが最終的には農民の利益となるだろ う。現在は、農民に対する宣伝・教育を実施する以外に、「封山育林」(山を封鎖し 木を育てる)・「封山育茸」(山を封鎖し茸を育てる)を実行し、かつて管理されて いなかった山林を新たに管理し直します。そして採集農家に対しては許可証制度を実 施し、「村民規約」を制定して、資源保護の為に生育していないものや傘の開いてい る松茸を乱獲したものを処罰したり出来るようにします。また、管理会社を通して農 民に保護・採取に必要な科学技術を教え、流通・販売もこの会社を通じて行なう事に より、目先の利益しか考えない悪徳業者を締め出す事が出来ます」と語っていたそう です。雲南にて
いわざわ
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