(211)西双版納でTVカメラマンが象に踏み殺される
(*はさんずいに真、#は右側が孟、左側が力)西双版納の野生象については(209)でも紹介しましたが、8月30日の*池晨報 (1面)によると、農作物を荒らす野生象を撮影していた地元のTVカメラマンが象 の鼻に捕まり、地面に叩き付けられ、踏まれて即死するという悲惨な事件が起きたそ うです。
最近、西双版納タイ族自治州#臘県#満鎮茅草山一帯では、(209)で紹介したよ うな「防象溝」を設置したにもかかわらず、野生象による農作物の被害が続いていた そうだ。8月20日、鎮政府は県の林業部門やその他の関係部門の責任者と共に、現 地調査を行なった。この調査には県テレビ局のカメラマン兼記者の高さんも同行した そうだ。午後5時頃、一行は幾つもの山を越えて被災地に到着し、高さんが撮影を始 めたところ、突然野生象が出現し、「防象溝」を超えて高さんに襲いかかり、鼻で捕 らえて、地面に叩き付け、頭や胸を踏みつけて即死させたという。
所詮、野生動物はやはり野生動物で、人と仲良く共存していくのは難しい、という教 訓でしょうか。でも、この殺人象にお咎めなんて、あるはずないですよね。
(212)今月の牧歌的サギ(校長編)
9月4日の春城晩報(1面 )によると、3日に開校するはずの私立小学校で、校長が 全生徒の授業料を持って逃走し、学校はもぬ けのからという、とんでもないサギ事件 が発生したそうです。
この小学校は、昆明市西山区土堆村の利民文武学校で、被害に遭った四川省から出稼 ぎに来ている呉さんの話によると、8月初旬に村のあちこちに配られた「利民文武学 校は、出稼ぎの方、リストラされた方、貧困家庭の方等、子女の就学が困難な方達の 為に、特別に創立された学校です。<安い学費で高水準の教育>をモットーとして、 小学一年から六年までの生徒を、全社会に向けて公募します」という宣伝文句のチラ シを見て、同じように出稼ぎに来て付近に住んでいる多くの人達と共に応募したそう である。
呉さんは、8月22日と30日に総額320元の授業料・雑費を払い、入学式の9月 3日、子供と共に学校に行ったそうだ。だが、学校には今週雇われたという18歳に なったばかりの二人の「武術教師」以外、もぬけのからで、みんな騙されていたこと が分かったという。
記者の取材によると、この学校は個人のあばら屋を改造したもので、教室には窓が一 つしかなく、電気も通っていないほどで、募集のチラシの内容とはまったく違ってい たそうだ。また、チラシに書かれていた「全寮制で食住完備」の設備はどこにもな く、初めからサギ目的で生徒を募集していたようである。
この事件について、西山区教育局の係官が記者に語ったところによると、「校長の袁 立平は、学校を設立するいかなる条件をも満たしてはおらず、またいかなる手続きも 申請をしていなかった」らしい。
警察の調べによると、被害者は八十数名にも上るそうです。
(213)昆明学園都市を呈貢県に建設
(*はさんずいに真)9月8日の*池晨報(1面 )、春城晩報(2面)によると、かねてより検討されてい た昆明学園都市の建設地が呈貢県洛羊鎮に決定されたことが、7日に開かれた雲南省 昆明学園都市情報報告会議で明らかにされたそうです。また、これと合わせて雲南大 学玉渓分校の建設も決まったとか。
この昆明学園都市建設計画は総額21億元の予算で、本年度から三期に分けて建設が 進められ、2010年に完成予定だそうです。建設予定地は呈貢県洛羊鎮で、昆明市 中心部から約15kmの位置に有り、総面積16.42k?の土地に、学生総数約10万人に も及ぶ大規模な学園都市が建設されることになるという。
移転してくる高等教育期間は、雲南師範大学、雲南民族学院、雲南中医学院の本科・ 専科、雲南大学コンピュータソフト学院と雲南農業大学の一部で、またその外に,何 校かの高等職業学校や新設私立大学もここに入居する予定だそうです。
(214)昆明のトイレ(懐古編)
9月13日の春城晩報(27面 )に、李という人の書いた、昔の昆明のトイレについ て回想している興味深いエッセイが載っていました。
このエッセイによると、70年代初め頃の昆明では、市の中心部の百貨大楼付近でも 公共トイレが見つからず、李さんは途方に暮れて、しかたなく映画の切符を買って映 画館のトイレを使った思い出が有るそうです。街にあまりにも公共トイレが少ないの で、李さんの友人は昆明市の公共トイレ分布図を作成して、外出するときに持ち歩い ていたとか。
当時のトイレ事情はかなり酷かったようですし、団地のアパートにもトイレ付きは少 なく(基本的に庶民の家・アパートにはトイレが無かった)、李さんの住んでいた鉄 道局の団地内の公共トイレは、男女の区別さえもなかったそうだ(?)。
また、李さんの持っている資料によると、1981年の昆明南屏街大井の公共トイレ の一日の利用者数は一万人を超えており、昆明百貨大楼脇の公共トイレは一日に二万 人以上の利用者が有ったそうだ。1979年に昆明に初めて水洗式の公共トイレが出 来、十年後には77個所に増えた。この年、1989年の昆明市の五華・盤龍二区の 公共トイレの総数は225個所だった。そして、1991年の昆明市の公共トイレ管 理部門で働く人はたった103人で、これだけの人数で、当時141万人の市区住民 の公共トイレを管理運営していたらしい。
勿論、このエッセイも、この国ではお決まりの、今はこんなに良くなってすばらし い、と締めくくっておりますが、お世辞にもそんなレベルに達していないのは、誰も が分かっていると思います。たしかに、昔と比べれば施設は格段に改善されました が、利用者のモラルとマナー、衛生感覚に関しては、まだまだ以前とそんなに大きく は変わっていないのではないでしょうか。
筆者も十数年前初めて昆明を訪れた際、公共トイレの少なさと汚さには閉口したもの ですが、その事よりも、平気でトイレを汚す傍若無人な人々を見て、いささかショッ クを受けた思い出が有ります。
(215)内昆鉄道線路敷設完了
9月19日の春城晩報(1面 )によると、19日の午前、かねてより建設が進んでい た内昆鉄道(四川省内江−昆明)の線路敷設が全線完了したそうです。
また、9月20日の春城晩報(3面)によると、鉄道部の博部長(大臣に相当)の発 表では、内昆鉄道の全線開通は来年の6月の予定だそうです。
この内昆線は、四川省の内江市から宜兵市、金沙江を超えて雲南省水富県に入り、昭 通市昭陽区から貴州省威寧、六磐水市を経てまた雲南省に入り、昆明に至る全長 872kmです(内江−水富間は開通済み)。総工費は126億元で、254の鉄橋、 140のトンネルがあり、鉄橋の総距離は41.2km、トンネルの総距離は148.7kmにも なるそうだ。
この鉄道が完成すれば、成都から広西チワン族自治区の防城港までの距離が現在の成 昆線・南昆線を利用したのより385km、貴陽・柳州経由より279kmも短縮され、 西南地区内陸部の物資を国外に輸出する際の、輸送費の軽減と鉄道の輸送力増強に大 きく貢献できるという。また、昆明−重慶間も現在の貴陽経由よりも400kmも短縮 されるらしい。そして、昭通地区の豊富な石炭資源の輸送問題が解決され、雲南・貴 州地区の物資が水富・宜兵港から船で揚子江(金沙江は揚子江の下流の名称)流域の 諸都市や上海から外洋にまで運べるようになり、この路線は西南内陸部から南部積出 港・揚子江流域への大動脈となる事が期待されているそうだ。
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(206)個旧・開遠・蒙自都市群建設開始!
7月26日の春城晩報(1面 )によると、紅河ハニ族イ族自治州の州都を個旧市から 蒙自県に移転させるのに伴い、個旧・開遠・蒙自の二市一県を再開発して雲南南部の 中核都市(そして対ベトナム貿易の前線基地)に再編成する計画が始動し、その第一 歩として、新紅河州政府庁舎の起工式典が26日蒙自経済開発区にて行なわれたそう です。
昨年9月に省政府によって批准された、この個旧・開遠・蒙自都市群建設計画は、既 に全ての個別実行計画の作成を終えており、実行始動を待つばかりとなっていたそう だ。また、今年の4月、中共紅河州委員会と紅河州政府が作成・決定した州政府蒙自 移転計画によると、2003年までに州政府機関庁舎の建設を終え、2007年には 移転を完了させるとのことです。
(207)国家級自然保護区の数は雲南省が全国一
7月31日の春城晩報(2面 )によると、国務院は紅河ハニ族イ族自治州大圍山地区 を国家級自然保護区に指定することを批准したそうだ。これで、雲南省の国家級自然 保護区は十個所となり、全国でも最も国家級自然保護区の多い省となったらしい。
この大圍山自然保護区は紅河州の個旧市と河口・屏辺・蒙自の三県の境界地域に有 り、面積は3992.6ヘクタール、森林生態型の自然保護区で、海抜76.4mから2365mの高 度差の為、中国唯一の湿潤雨林と熱帯山地森林が垂直分布する地域なのだそうだ。保 護区内に分布する種子植物は188科・1055属・3619種類で、生息する哺乳類は82 種、鳥類は285種、爬虫類は60種、魚類は14科・50属・70種類。その内、 1984年に公布された「絶滅の危機に瀕する貴重植物録」に記載されている植物は 50種類、1999年に公布された「国家重点保護野生植物録」からは57種類も が、この地域に分布しているという。また、国家一級保護動物は蜂猿・雲豹等8種 類、二級保護動物は10種類で、その中には、大圍ツノガエルという、この大圍山地 区にしか生息していないカエルがいるそうです。
(208)今月の非牧歌的サギ(逆ギレ編)
(*はさんずいに真)8月3日の*池晨報・春城晩報(1面 )から。
7月31日、昆明から文山に向かう寝台バスで、二人の女性教師が車内でサギ行為を していたグループを見て、他の乗客に注意の合図を送っていたのがバレ、サギ師達か ら暴行を受けたそうです。この時、運転手と二十数人の乗客は女性教師達の「助け て!」という叫びを聞いても誰も反応せず、見て見ぬふりをしていたという。
31日の午前11時30分頃、昆明発文山行きの寝台バスが石林−大麦地地区に入っ たとき、途中から乗り込んできた7人の男達が「サギ芝居」を始めた。一番年上と見 られる男が携帯電話を取り出し「私は銀行の融資係の者だが‥‥」と大きな声で会話 を始めた。そして、別の男も携帯を取り出し「ああ社長だ。心配しないで。ここに 300万元、ちゃんと用意してあるから‥‥」と始めたそうだ。この社長さんは電話 を切ったあとすぐ下車したが、黒い鞄を忘れて降りていった。そして、「まぬ け」を 装っているらしい男がこの鞄を胸に抱えて、大きな声で「鞄、忘れてるぞ! 戻って こい!」と社長さんを呼び戻した。社長さんがまた車に乗り込んで来て、鞄を受け取 ろうとすると、この「まぬけ」は鞄を抱えて放さず、「まぬけ」の仲間が「これは俺 達が拾ったんだから、お礼をくれ」と言い出した。社長さんはあっさり鞄の中から札 束を取り出し、「ああ感謝するよ。この外貨でいいかい‥‥」と言ってその札束を渡 してそそくさと去っていった。
この「まぬけ」の仲間は、「このバスには銀行の融資係の人が乗っている。彼にこの 外貨の鑑定をしてもらおう」と言いだした。そして自称「融資係」がおもむろに偽札 鑑定機を取り出して(銀行の金を人に貸す融資係が、なんで偽札鑑定機なんぞ持ち歩 いてるんだ!)鑑定を始めた。自称「融資係」が言うには「このお金はユーロドル で、これは100ユーロドル札だ。これを人民元に両替すると730元になるよ」。
すると、これを見ていた四川なまりの男が「売ってくれ」と言い出し、交渉の末、人 民元300元でこの100ユーロドル札を買う事となった。その後、「まぬけ」とそ の仲間達は車内の乗客に、この100ユーロドル札を300人民元で買わないかと持 ち掛けた。そして、一人の女性乗客が誘惑に負けて、このユーロドルを一枚購入した そうである。
車の後方にいた文山県の小学校教師馬さんと張さんは、これが「サギ芝居」だとすぐ 見破り、周りの乗客に手振りや目配せで注意を促したが、運悪くサギ師達に見つか り、ボコボコにされた。女性教師達は「助けて! 運転手さん、この人たちはサギ師 です!」と助けを求めたが、運転手も二十数人の乗客もしらんぷりだったそうな。 そして、サギ師達が車から降りていった後、運転手は乗客に向かって「乗客が車内で 他の乗客に襲われた事については、私には一切の責任がない!」と宣言したそうで す。バスが文山に着いた後、被害者の女性教師達は、この事件の責任の一端は運転手 にもあると訴えたが、運転手は自分には責任がないの一点張りで、まったく取り合っ てくれなかったという。
8月2日、この事件を聞きつけた記者が、この運転手の会社に行き、上司に取材した ところ、「そんな話はまったく聞いていない。この件に対しては調査して、もし事実 ならば、このままほっておくわけにはいかない‥」と述べ、この会社の党委員会副書 記は「絶対に庇ったり、大目にみたりしません‥」と語ったそうです。
まあ、この運転手の対応がこの国のスタンダードですから、あえて責任を問うという のも、ちょっと無理があるような気がします。でも、続報が一切ないところをみる と、どうやらうやむやになった可能性が高いですね。
(209)象に脅える西双版納の村に「防象溝」
(*は右側が孟、左側が力)8月15日の春城晩報(6面 )によると、西双版納タイ族自治州*臘県尚勇自然保護 区内に、野生アジア象から農産物や家畜・住民の安全を守る、「防象溝」が建設され たそうです。
西双版納タイ族自治州では近年来、野生動物の保護に力を入れた結果、野生アジア象 が1970年代の百頭以下から、現在250−270頭にまで増えているそうだ。し かし、野生象の増加に伴って、頻繁に農業耕作地域に象が進入し、地域住民の生活と 安全に多大な影響を与えるようになったという。
統計によると、昨年度は州内の16の鎮、595の自然村の9617戸が被災し、損失は 穀物が4389トン、ゴムの木等の経済林33万本、サトウキビ8700トン、家畜約1100頭 にも上ったそうだ。
*臘県尚勇自然保護区に隣接する上中良・曼粉等の村では、特に象の被害が深刻な 為、州自然保護区管理局は総額11.2万元を投じて、長さ1540m、深さ2−3.5mの塹壕 式「防象溝」を建設することを決定した。そして二ヶ月の工事で6月中旬に完成させ たが、この一月余りの観察によると、この「防象溝」の効果は覿面だということで す。
蛇足ですが、野生象を守る為、営利目的で野生象を殺すと死刑になるらしいですよ。
(210)全国初の村立博物館「ジノー族博物館」開館
(*はさんずいに真、#は上に「上」、下に「下」の字を合体させ、 「一」を互いに共有したもの)8月17日の*池晨報(2面 )によると、西双版納タイ族自治州景洪市基諾山鎮巴 #村に全国初の村立博物館「ジノー族博物館」が近日(日付の記入なし)オープンし たそうだ。
1997年7月、省の関係部門が基諾山にジノー族文化の展示と継承の為にジノー族 博物館を建設する事を決定し、この計画に賛同したアメリカのフォード財団等の援助 により、四年もの歳月をかけて建設が進められていたが、ようやく完成し、開館のは こびとなったそうである。
また、この巴#村は文化生態村として民族観光のショールームとなるみたいです。
雲南にて
いわざわ
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