中国雲南省に住む、いわざわ氏によるホットな雲南情報。
2001年3月16日、第36報到着!!

第36報(2001年3月16日)

(171)雲南のバレンタインデー
    (*はさんずいに真)

おしなべて排外的な気風を尊び、他国の流行ものは好きなくせに、西洋の風俗・習慣 等はかたくなに忌避するお方の多いこの国ですが、どうやら「クリスマス」は都市部 の若者を中心に定着してきたようです。そして、その次に定着しそうなのが「バレン タインデー」のようです。こちらでは「バレンタインデー」を「情人節」と訳しま す。「情人」は中国語では普通の「恋人」の意ですが、日本語的に読むとなかなか 生々しくて、いい感じですね(!)。
2月11日の東陸時報(A2面)、2月14日の春城晩報(1面 )(11面)、2月 15日の*池晨報(2面 )によると、今年の「情人節」は例年になく大変盛り上がっ たようです。「情人節」が近づくにつれ、「愛情用品市場」(「おとなの玩具」にあらず。その手の物は「性保健用品」といいます)が活況を帯び、昆明市内の各デパー トでは「情人節」プレゼント用品コーナーが設置され、宝石や化粧品等がよく売れた そうだ。チョコレートの売り上げも順調で、ある大型スーパーでは平日の十数倍が売れ、ちょっと変わったところだと、某デパートでは「情人節」用に仕入れた女性用高級下着セットがあっという間に売り切れたとか。
飲食業も大盛況だったようで、市内の各ホテルのレストランでは「情人節」特別 セッ トメニューが用意され、多くのカップルで賑わったそうだ。映画館も「情人節」用の恋愛映画を上映して、カップル以外お断りの劇場も有ったという。
また、インターネット・カフェも6割近く売り上げを伸ばしたようで、多くのカフェ では、ネット「情人」にEメールを送ったりチャットをしたりする人には二割引の サービスをしていたそうです。
でも、いちばん儲かったのは花屋だそうで、普段一本の赤バラは2元位で販売されて いるらしいのですが、「情人節」当日には18元にまで吊り上げてもまだ需要が有ったほどで、花屋はどこもウハウハだったそうな。
こうやってみてみると日本とは違い、ほとんど男性が女性に物を送る日となっている ようですね(チョコレートも男性が女性に送るそうです)。勿論、女性から男性へのプレゼントも少しは売れたそうで、春城晩報によると今年の売れせんはジッポのライターとスイス・アーミー・ナイフだとか。なんか、ちょっと変ですね。

 

(172)その一言で李さんは死んだ!

「あれ、癌に罹って入院していたんじゃないの?」という心無い一言で、死期を早め てしまった李さんのお話(春城晩報2月15日28面 )。
昨年12月、紅河ハニ族イ族自治州緑春県県城に住む李さん(60才)は腹部に異常 を感じ、県人民医院にて精密検査を受けた。検査結果は「中末期肝臓癌」。医師は李 さんの病気の進行を緩め出来るだけ延命させる治療の為には、癌の宣告をしない方が よいと判断し、家族の了解を得た。以後、李さんは普通の人と同じように生活し、通 院して治療を受け、誰もが彼が不治の病に罹っているとは気付かなかったようだ。
ところがある日、出稼ぎから帰って来た知人と街で偶然出会った際、この知人が驚い たように「あれ、癌に罹って入院していたんじゃないの?」言った為、李さんは失意 のどん底に叩き込まれ、食事ものどを通らないほど落ち込んでしまった。医師の診断 ではあと二、三年は生きられると見られていたのだが、精神的ショックで李さんの体 調はみるみる崩れていき、衰弱してまるで別人のようになってしまったという。
そして七日後、病院のベットで何度も血を吐きながら亡くなったそうです。
今月の教訓、「病は気から」、「知らぬが仏、知ってもホトケ(?)」。 

 

(173)ゴキブリからエイズ治療薬!?

2月18日の春城晩報(一面 トップ)によると、大理医学院(医科大学)の李樹楠薬 学部教授と中国科学院昆明動物研究所・同植物研究所の研究グループは、ゴキブリか ら抽出した化学物質W2に エイズウイルスの抑制効果が有る事を発見したそうで す。記事によると、このW2は有効成分の活性が高く(?)、毒性が低く、明らかに エイズウイルスの抑制効果が有り、静脈注射で簡単に体内に注入出来るという。エイ ズ治療薬として著名なAZTと比べて治療効果は劣るものの、副作用が少なくコスト が低い(原料がゴキブリだもんなあ)のが強みとか。
現在、新薬として世に出す為に、臨床実験の開始の批准を待っている段階だそうで す。
2月27日の春城晩報(4面)に、上記の李樹楠教授について全面 をつかって特集が 組まれています。その見出しは、
「ゴキブリと共に36年 李樹楠」
記事は、教授のゴキブリとの出会いから、ゴキブリは益虫という教授の信念、過去の ゴキブリから抽出した成分から作った新薬の紹介、今回のW2を発見した経緯、献身 的に協力してくれる夫人の紹介等盛り沢山でした。
でも、立派な研究者である事は十分に理解出来たのですが、肝心のW2に関しては 「金が無いので臨床実験は出来ない」とさりげなく記載されています。一瞬、中国で は臨床実験は自腹なのか?と勘違いする所でしたが、要するに国内ではエイズ患者を 専門に収容・治療する施設がほとんどなくて臨床実験が出来ないので、国外で行なわ なければならず、それには金が無いのでダメという事なのだそうです。
そんなんであっさり諦めるのか!と突っ込みたくもなりまが、そもそも50万人も HIV感染者がいる国なのに、臨床実験が出来ないなんてね(?)。もしかしたら、 この話、単なる「ネタ」だった可能性もありそうですね。やれやれ。

 

(174)元陽の棚田を世界文化遺産に申請
    (*はさんずいに真)

2月19日の東陸時報(A2)面 、2月26日の*池晨報(2面)によると、本HP の青柳氏の写真でもおなじみの紅河ハニ族イ族自治州元陽県のハニ族棚田を、世界遺 産に登録する為の申請準備が、着々と進んでいるそうです。すでにユネスコ関係者も 現地調査に訪れたそうで、元陽ハニ棚田世界遺産申請弁公室も設立され、4月末には 申請基礎資料を建設省に提出する予定との事です。
記事によると、元陽の棚田は20万畝(1畝は666.7?)余りもあり、歴史資料 ・文献によると1300年以上もの歴史が有り、標高2900mの最高地点からおよ そ3000段もの棚田が有るそうだ(?)。
確かに、あの壮麗な棚田が保護されるのは素晴らしい事だとは思いますが、世界文化 遺産となって、麗江のように観光用に弄繰り回されるのかもしれないと思うと、 ちょっと複雑な気持ちです。

 

(175)7つの街が新たに省級歴史文化名城に
    (*はさんずいに鼻、#はさんずいに耳)

2月20日の春城晩報(2面 )によると、19日に省建設庁と省文化庁が共同で行なっていた省級歴史文化名城・名村・名鎮の審査評定が終了したそうで、申請されて いた孟連タイ族ラフ族ワ族自治県県城、漾*イ族自治県県城、賓川県州城鎮、#源県 風羽鎮、広南県旧莫鎮、保山市板橋鎮、維西リス族自治県葉枝郷が、新たに省級歴史文化名城に選出されました。
孟連県城は土司の館とタイ族の古い民家群、漾*県城は「博古南道」の宿場町址と吊り橋、州城鎮は明・清時代の橋や古楼等の建物群、風羽鎮はバイ族民家群、板橋鎮は光尊寺古建築群が評価されたのでしょう。残りの二つは行った事がないのでよく分か りませんが、旧莫鎮は過去の各時代の様々な建築物が残っており、葉枝郷にはリス族の伝統的な民家建築群があるそうです。

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第35報(2001年3月1日)

(166)昨年の雲南省の経済成長率は7.1%

1月18日の春城晩報(1面 )によると、2000年度の雲南省の経済成長率は7. 1%で、昨年終了した第九期五ヶ年計画期間での平均成長率は8.4%となり、この 数字は全国平均よりも0.3%高かったそうだ。
17日に開かれた「全省計画会議」で発表された概算統計によると、昨年度の雲南省 の国民総生産額は1955.3億元で前年度より7.1%増、貿易輸出入総額は 18.13億米ドルで9.3%増、消費者物価指数は前年度より2.4%も下がり、 都市住民の一人当たりの年間平均収入は6419元で6%増、農民の純収入は 1488元で4%増、また、都市部での登録失業者率は3.5%だったそうです。
さして工業化が進んでいる訳でもない雲南省が、全国平均を上回る経済成長率を記録 できたのは、ひとえに観光バブルのおかげといえるでしょうね。

 

(167)4300万人を超えてはならない!

人口問題は中国では最も頭の痛い問題の一つですが、2月7日の春城晩報(1面 )に よると、今年度の雲南省総人口抑制目標が決定されたそうです。
6日、省計画生育委員会主任の刀愛民氏が記者会見で公表した内容によると、雲南省 の2000年末の人口は4240.8万人で、今年度末の総人口を4300万人以内 に抑える為に計画生育を更に徹底・強化させるそうだ。今年度から始まる、第10期 五ヶ年計画期間中の計画生育作業目標は、2005年末の全省総人口を4550万人 以内に、人口自然増加率を0.951%以下に抑制することで、その為には、第一年 目にあたる本年度は総人口を4300万人以内、人口自然増加率を1.11%以下に 抑制しなければならないという。
更に、2010年末の総人口を4750万人以内、人口自然増加率を0.844%以 下にして全国平均に近づけるというのが目標だそうだ。
勿論、この数字には社会的に深刻な問題となっている、計画生育の網の目をくぐりぬ けて生まれて来た「無戸籍」の子供達(その数は全国で数百万とも数千万とも言われ ている)は含まれていませんが…。

 

(168)公共バスから「不正と野蛮」を追放

2月9日の春城晩報(1面 )によると、昆明市では「公共バス営業運行秩序管理暫定 措置」が施行され、昆明市区及び近郊路線の公共バス(定員19席以下のいわゆるミ ニバスは含まず)の規範的な管理が出来るようになったそうだ。
以下に「措置」の中の主な規定を紹介しますが、いかに今まで恣意的な管理が行なわ れていたかを伺い知ることが出来て、誠に興味深いものがあります。
全ての公共バス施設・車内の広告は必ず公共バス会社の行政管理部門の審査・批准を 受けねばならず、これに違反した者は1000元以上3000元以下の罰金とする。 公共バスの路線・駅の開設、調整、移動は、公共バス会社の行政管理部門を通 して、 公安交通機関の同意と審査・批准を受けねばならず、これに違反した者は2000元 以上5000元以下の罰金とする。公共バス以外の車両は、公共バス駅から15m以 内において停車・客待ちをしてはならず、警告を受けても改めない者は500元から 1000元の罰金とする。運転手・乗務員・乗客は等しく車内において、喫煙をした り痰を吐いたり、車外にゴミ・果物の皮等を捨ててはならず、違反した者は10元以 上30元以下の罰金とする。乗客は座席に横たわったり、座席を踏みつけたり、他の 座席を占拠したり、窓の外に身体を出してはならず、違反した者は50元以下の罰金 とする。
また、この「措置」には交通管理部門の頭痛のタネである、シロタクならぬシロバス (?)の処罰規定も盛り込まれており、この「措置」の施行により、様々な不正や非 マナー的行為にようやく法的に対処することが出来る様になったのだそうです。

 

(169)保山地区・昭通 地区が地区級市に昇格

2月10日の春城晩報(1面 )によると、保山地区・昭通地区が地区(州)級市に昇 格することが国務院で批准されたそうです。これにより、以前の保山市・昭通 市(い ずれも県級市)が永昌区・昭陽区となり、保山地区・昭通地区が保山市・昭通 市(地 区級市)となりました。
簡単に中国の行政序列を紹介すると、省=自治区=直轄市>地区=自治州=地区級市 >県=区=県級市となります。
そうすると、例えば地区級市昆明市の行政区域内に県級市安寧市がありますが、住所 表示は昆明市安寧市という変なものとなります。もっとも、こちらの人はあまり気に していないようですが…。

 

(170)今月の牧歌的サギ・神薬編
    (*はさんずいに真)

毎度お馴染み、サギ話。2月11日の*池晨報(2面 )より。
2月2日の午前十時頃、昆明市穿金路金庭団地内の市場にて、医者と自称する若い男 が自分の調合した「神薬」を入れた薬用酒が万病に効くと大きな声で宣伝を始めた。 男は試し飲みは無料だと言った為、多くの群集がこの男を取り囲み、そのほとんどが 老人だったという。
試し飲み希望者は列を作って並び、一人ずつこの男から「神薬酒」を飲ませてもら い、そしてこの薬用酒でマッサージをしてもらった。この作業が終ると、男は「私は 義理人情を重んじる人間だ。他人が私に忠実ならば、私は必ず誠意をもって応える。 もし不誠実なら、呪う」と言い出し、試し飲みをした人達に、身に付けている全ての お金を男に対する信用の証として見せてくれと要求した。この男に促されたお婆さん が四十数元を差し出したところ、男はお婆さんの目をじっと見つめながら「お婆さ ん、私にはあなたが誠実でない事が判る。私はあなたのポケットの中にまだ百元札が 残っているのが判るんですよ。何を怖がっているのですか。私はあなたのお金などほ しくありません」と言うと、お婆さんはあわててポケットの中から隠していた百元札 を取り出した。「そうそう、それでいいんですよ。誠実ならね。私は只、あなた達を 試しただけですからね」。
そしてこの男はようやく本性を現し、こう言った。「私の薬は効果を現し始めまし た。全てのこの薬用酒を飲んだ人、これでマッサージを受けた人は体が熱っぽくなる でしょう(酒を飲んだのだから当たり前じゃ!)。みなさんが私を信じてくれたの で、薬をただで差し上げたのです。この薬は無料ですが、解毒薬は有料です。なぜな らこの薬用酒の中には毒性のあるものまで入っているからです。解毒薬を飲んでこ そ、この薬用酒の治療効果を高める事が出来ます。もし飲まなければ深刻な副作用が 現れるでしょう」。
ただで「神薬酒」が飲めると群がった人達はこの話を聞いてまっ青となり、男の話は にわかには信じられないが、でも副作用が万一あったらと、誰もがしかたなく二粒 30元もする解毒薬を買おうとしたそうだ。その時、一人の老人がいきなり飛び出し てきて、大きな声で「おまえの薬はちっとも効かないじゃないか。またここで人を騙 しているのか!」と責め立てた為、群集もやっとこれがサギだと気付き、この男を取 り囲んで罵り始めた。形勢不利とみた男はさっさと荷物をまとめて、あっという間に 近くにいたタクシーに飛び乗って逃げたとさ。

 雲南にて
いわざわ

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