玉樹は周りを山に囲まれた、標高約3700mの町で、中心部には衣類や雑貨を売るマーケットがある。周辺に住む牧畜を営んでいるチベット族と、町に住む人たちの交易と情報交換の場所として、玉 樹は賑わいを見せている。
町外れの高台には、チベット仏教寺院「結古寺」が建っている。ゼーゼーと息を切らしながら、私は坂道を上っていった。すぐに若い僧侶たちが、くったくのない笑顔を見せて、数人寄ってきた。日本人だとわかると興味を示し、その中の一人が寺を案内してくれることになった。歩いていくと、崩れたままになっている赤い壁がそこらここらに建っていた。これは昔、寺の建物の一部だったと、この青年僧は教えてくれる。この寺も文化大革命の時代に破壊されたが、82年から修復されてきた。
「いい眺めでしょう」と言って彼が案内してくれたのは、町を一望に見渡せる場所だった。町をバックに颯爽と立っている彼に「何時までここで修行するのですか?」と聞いてみた。すると彼は「一生」と、キッパリ答えた。私は予想もしなかった答えに一瞬動揺してしまった。彼の顔には、何の迷いもなさそうだった。
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