Vol.50
2004年5月25日、火曜日先週ベトナムから帰りました。 今回は、ハノイから入って、ベトナム北部の町、サパを中心に、10日間の短期間の旅でした。 サパは、現地モン族語のチャパ(霧の町)に由来するとの説もあります。それだけ霧の多い町ですが、今回は、1回だけ霧が出ただけでした。どうも今年は霧だけではなくて、雨も少ないらしく、天水に頼っている棚田は、そのために田植が遅く、まだ作業が始まっていませんでした。田植を見るためにこの時期を選んだのでしたが、今年はちょっと早かったようで、残念です。ちょうど代かき作業をやっているところはたくさんありました。 それでも、今の時期棚田は幻想的な雰囲気でした。田んぼに入った水は白く輝き、苗床の稲は緑色をして、清々しさが漂っていました。現像のあがりを見たら、棚田の水が、降り積もった雪にも見えて、不思議な感じの写 真がありました。意図したわけではなく、偶然といってもいいでしょう。ただし、自慢する訳ではありませんが、この偶然を呼ぶのも本人の才能だと言えるわけですが。意識はしなかったけれど、そうなるんじゃないかという潜在意識は働いたんだと思います。たまにこんなことがあります。まるで、何ものから「撮らされた」写 真。 ★★★★ ところで、帰ってすぐに、配給会社の人から招待されて、ある中国映画の試写 を観ました。「ルオマは17歳」という映画です。来年公開の予定だそうです。監督は、四川省成都生まれの章家瑞(チアンチアルイ)、主人公は、現在も雲南の高校に通 うハニ族の李敏(リ−ピン)。2002年モントリオール国際映画祭正式出品作品で、李敏は2003年金鶏奨最優秀新人賞を受賞しました。 映画は、李敏が演ずる雲南のハニ族、ルオマという17歳の少女が主人公です。元陽の棚田で暮らす彼女の淡い初恋の物語り。彼女は両親がいなくて、おばあさんと暮らしています。村内のシーンでは、ハニ語が使われていましたが、李敏もハニ族なので、まったく違和感を感じさせませんでした。 彼女は、毎日元陽の町に出て、トウモロコシを焼いて売っています。こんなハニ族の女の子がいるなあという感じで、リアリティがありました。外国人観光客が、かわいい彼女を写 真に撮りたがりますが、彼女はそっぽを向いてあまり気安く写真を撮らせてくれません。そんな様子を見ていた一人の青年がいました。昆明から来たアミンです。彼は元陽の町に写 真館を開業していますが、お金がなく、大家さんから立ち退きを迫られている青年です。 アミンは、ルオマを見て、ある商売を思い付きます。観光客に彼女といっしょに写 真を撮らせる商売です。よく中国の観光地に行くと、こういう人たちがいます。今、ほんとに元陽にもいるのかどうか、去年から訪ねていないのでわかりませんが、ありえる話ではありました。日本人観光客も登場します。 ルオマはアミンをだんだん好きになっていきます。さて、ふたりはどうなってゆくのでしょうか。それは映画を観てください。 まるでドキュメンタリーを観ているような感じがしました。それほど作り物っぽくなく、何度も現地を訪ねている人にも、現実感を持てるいい映画だったと思います。こんな女の子いるなあと思いました。淡くて切ない17歳の少女の恋が、暖かい目で見守られているような映画でした。 2007年初夏公開です 青柳
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