Vol.23
8月3日、金曜日、晴れ
ここ2週間の間に、長野、新潟、山形の3ケ所の棚田へいってきました。
3ケ所とも、東京からの往復だったので、少し慌ただしかったです。しかも、とんでもない猛暑。朝晩は、過ごしやすいでしたが、東京よりも少しましかなという程度でした。おかげですっかり日に焼けて黒くなりました。
山形の山辺町大蕨棚田へは早朝にいきました。しっとりとした空気を吸ってたんぼの中を歩くのは、気持ちがいいものですね。
たんぼの稲の一部は、穂が出始めていました。左の写真をよーく見てください。粉がふいたように白いものがついているでしょ。もしや、と思ったら、案の定、白いものは稲の花でした。稲の花を写 真に撮ったのは初めてです。花はこんなにも小さくて可憐だったんですね。噂には聞いていましたが。
それにしても、長野、新潟、山形、どこの稲も今の時期は青々としていて、生命力を感じます。緑がすごく濃い感じです。緑のなかにも、微妙な緑色の違いがあって、決して単調な風景ではありません。たんぼを歩いていると、森林浴とはまた違った、稲からのエネルギーを体に受けているような気がしてきます。
インドネシア・バリ島では「デヴィ・スリ」という稲の神様が信仰されています。稲、コメにやどる神様だそうです。「オダラン」という祭りにでかけると、コメで作ったお供物をもって集まった村人で寺院の境内がごったがえしていました。村人は、僧侶の読経を聞いて、いっせいにお祈りを始めます。そのとき、コメ粒を額にくっ付けます。コメのエネルギーを体内に取り込むという意味があるそうです。
緑濃いたんぼの中を歩いていると、カエル、トンボ、クモ、ヘビ、バッタなどの動物もたくさん見かけます。たんぼの表情は、四季によって違いますが、暑い夏は、稲だけではなくて、たんぼとそのまわりの空間(里山)全体に生命があふれているという感じです。
今年の1月、2月と、このたんぼを見てきましたが、そのときは、深い雪に覆われていました。こんな寒いところでもコメを作れるようになった人間のこだわりと努力に感心したのですが、こうして暑い夏に再び訪ねてみると、稲がやはり熱帯・亜熱帯の植物であったことにあらためて気づかされるのでした。
暑い中でコメを見ていると、コメを食べるということは、4、5ヶ月間の太陽のエネルギーや、大地のエネルギーの集積を、体内にとりこむことなんだという気がしてきます。自然と自分との一体化・・・。コメや稲に、神がやどるという発想が生まれてくるのも、不思議ではないのかもしれません。
青柳
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